2017年06月28日

多頻度みずほは毎日運行でのぞみも増加! 東海道・山陽・九州新幹線臨時列車運転(2017年7月~9月夏期間)

JR東海は5月19日、プレスリリースにて2017年夏の臨時列車を公表した( http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000033979.pdf )。またJR九州も5月19日、プレスリリースにて2017年夏の臨時列車を公表した( https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2017/05/19/170519natunozouhaturesshagoannai.pdf )。前回は臨時「ひかりレールスター」について見ていたが、今回はそれ以外の列車について見ていく。

2017年8月に運行される「のぞみ」潰しの速達型「ひかりレールスター」についてはこちら!

1. 多頻度「みずほ」は全て毎日運転に

山陽・九州新幹線では前回2017年春の臨時列車で4本中3本が毎日運転の臨時列車となった多頻度「みずほ」が運行されていたが、今回の2017年夏の臨時列車公表では多頻度「みずほ」が2往復4本とも毎日運行となり、実質「みずほ」8往復が毎日運行されることとなった。JR西日本管内では北陸新幹線が「かがやき」「はくたか」で軒並み減便となったが、2017年6月のJR西日本定例記者会見では北陸新幹線は前年比3%減、山陽新幹線は8%増であることを考えると妥当なことなのであろう。

山陽新幹線内では先述の多頻度「みずほ」以外にも増発模様だ。昨年の夏の臨時列車は熊本地震による徐行の影響で「さくら」が軒並み熊本発着になるなど大きくダイヤが乱れたが、今年は山陽・九州直通「みずほ」を先述の毎日運転の臨時列車を除くと31本、山陽・九州直通「さくら」を111本、山陽新幹線内で完結するN700系8両編成による「ひかり」を49本、九州新幹線内完結「さくら」を75本運行する。

この他、JR九州では九州新幹線の曜日運転の九州新幹線内完結「さくら」は定常通り運行される。

2. 対西政策の「のぞみ」を潰されたJR東海は激高

今回は信州デスティネーションキャンペーンをJR東日本と共同で行うJR東海は、対山陽新幹線向け政策として用意した「のぞみ」を格下の「ひかりレールスター」に潰されたことにより激高。今回の2017年夏の臨時列車プレスより山陽新幹線直通「のぞみ」の表記を表から削除した。東海道新幹線は日曜運転「ひかり」と曜日運転「こだま」が従来通り運行されるなど、東海道新幹線では例年通り運行本数を昨年より1%増としている他、JR西日本のプレスによれば山陽新幹線「のぞみ」は昨年より16本増えて(1%増)1533本運行される。

山陽新幹線については「のそみ」の臨時列車をJR東海の画策により多数設定しなければならないためその他の臨時列車をなかなか設定できないでいるが(「さくら」に博多で抜かされる臨時「さくら」を設定しなければならないほど)、東北新幹線とほぼ同じ輸送量であることを考えれば山陽新幹線内だけで見ればかなり余裕のある輸送量であるように思える。東海道新幹線内での混雑均等化を図るためだと思われるが、2027年のリニア中央新幹線名古屋開業までは山陽直通「のそみ」が多数設定されるのであろう。

その他、JR東海の在来線では昨年夏は行われなかった身延線特急「ワイドビューふじかわ」の臨時列車が設定されたり、毎回恒例の臨時夜行快速「ムーンライトながら」も運行される。

3. 結び

今回の2017年夏の東海道・山陽・九州新幹線の臨時列車運行では、2017年8月に「のぞみ」潰しの速達型「ひかりレールスター」の運行などがあるものの、それ以外はJR東海が激高したくらいで内容としてはいつも通りの微増となった。速達型「ひかりレールスター」のような臨時列車が今秋・冬にも設定されるのか見守りたいと思う。

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2017年06月27日

フリーゲージトレイン導入で大幅に高速化! 露独国際列車ダイヤ改正(2016年12月11日)/International train between Berlin and Moskva speeded up at 11, Dec, 2016. by using Talgo stock.

ロシア鉄道( Russiskiye Zheleznye Dorogi )では、2016年12月11日にロシア・モスクワとドイツ・ベルリンを結ぶ国際列車にフリーゲージトレインを投入すると公表した( http://www.railjournal.com/index.php/main-line/rzd-launches-moscow-%E2%80%93-berlin-talgo-services.html )。今回はこれについて見ていく。

1. タルゴ導入で4時間30分以上スピードアップ

従来より夜行列車で結ばれていたドイツとロシアであるが、今回2016年12月11日実施の2017年冬ダイヤ改正では、スペイン製起動可変連接車両であるタルゴ9(Talgo9)を20両編成単位でロシア鉄道が導入することにより、ヨーロッパで用いられる標準軌の1435mmとロシア軌間の1520mmの両者をスムーズに切り替えられるようになり、これまでこれまでベラルーシのブレストで1時間程度かけてた台車交換を省略することに成功した。週2日の運行ではあるものの、これにより1,800km以上にも及ぶベルリン東駅からモスクワ・クールスキー駅間において、従来と比べて西行き(ベルリン行き)では4時間35分短縮されて20時間14分、東行き(モスクワ行き)では5時間21分短縮の20時間35分での運行になった。

なぜ1時間の台車交換時間しか短くなっていないはずなのに、なぜ4時間半も5時間も短縮されるのか。理由は2つある。1つはベルリン・モスクワともに発着駅が異なっている。ベルリンはベルリン中央駅発着であったし、モスクワはベラルースキー駅発着であった。これは1964年の東海道新幹線開業時に東京~大阪間が2時間30分短縮の4時間での運行となったっていうけど、実際には東京~新大阪だよねということと類似しており、ちょっとずつ運行距離を縮めて運行区間の所要時間を短くしようとしているのが1つ。もう1つは直前まで運航されていた列車がパリ北駅~モスクワ・ベラルースキー駅を走る2泊列車だったため、始発と終着駅が人の活動時間に合うように途中で時間調整を行っており、2014年6月14日まで運行されていたベルリン動物園駅~モスクワ・ベラルースキー駅間で23時間程度の運行であった。そのため実質短縮されたのは3時間弱だということになる。

2. パリ~モスクワ間の列車大幅削減

今回2017年ヨーロッパ冬ダイヤ改正は、既存のパリ~モスクワ間で運行されているTRANS EUROPEAN EXPRESS(ヨーロッパ横断列車)として2泊夜行列車を運行している。この列車は2011年から運行されているものの、遥か昔を辿れば1971年~1998年まで運行されていたOST WEST EXPRESS(東西列車)まで遡ることができ、当時は毎日運行であった。1971年に当時の西ドイツと東ドイツの間で両ドイツ基本条約締結により当時の西ドイツと東ドイツ間の往来が旅行許可証やビザがあれば可能になったことから運行が開始され、ユーロトンネルの開通した1998年に一時的に廃止されたが、その後2000年代に週2運行で復活し、2011年に専用車用を新造し週3運行とした経緯がある。

設定当初からかなり政治的な背景を含んでいる列車であるが、今回のダイヤ改正で週3往復の運行であったパリ~モスクワ間で運行されるTRANS EUROPEAN EXPRESS(ヨーロッパ横断列車)が、僅か週1往復のみの運行となった。残る週2便は今回起動可変車両タルゴによりベルリン~モスクワ間での設定に短縮されたのであるが、旧西側諸国と結ぶ列車という意味合いがあったOST WEST EXPRESS(東西列車)が削減されるのは少々名残惜しい。

ではなぜパリ~モスクワ間の2泊夜行列車を再び短縮してベルリン~モスクワ間の設定にしたのか。1つはタルゴ型客車の導入はそれなりに費用が掛かり、ロシア鉄道の費用がかさむのを恐れたから。2つ目はパリ~ベルリン間はすでにフランス高速鉄道TGVやドイツ高速鉄道ICEにより途中乗り換えが必要ながらも7時間半程度で結ぶことができる。高速鉄道走行区間をあえて1泊する必要はなく、もちろんパリ~ベルリン間の利用で夜行列車を使うのもかなりのツウでない限りなかなかしない。新幹線による寝台列車廃止は日本でも多く起こったはずだ。しかしベルリン~モスクワ間では高速新線の建設が一向に進まず、途中のポーランドは2014年にやっと開業したばかりで、独裁国家でロシアの衛星国ベラルーシは高速鉄道にほとんど興味ない。線路環境の改善が望めない中、スピードアップするためには軌間変更による台車交換時間を大幅に短縮するほかなかったのだろう。

そして3つ目の理由が政治的理由である。2014年のクリミア併合によりしびれを切らした西側諸国がG8(当時)からロシアを外したのだ。その後も冷えた関係が続いており、様々なところでひずみを生み出している。政治的理由がなぜ通じるかというと、現在ベルリンを起点とする列車は原則ベルリン中央駅を起点として運行している。このベルリン中央駅は2006年5月に開業した新しい駅で、それまではベルリン東駅、東西冷戦時代まで遡ればベルリン動物園駅との2駅を主に起点としていた。このベルリン東駅は1990年まで存在した東ドイツの首都東ベルリンの中心駅で、西ベルリンから列車を利用するにはベルリン動物園駅から利用した。現在のベルリン中央駅はベルリン動物園駅とベルリン東駅の間に位置しているが、かつての西ベルリン領内である。しかしベルリン東駅は東ベルリン領であったから冷戦中はもっぱら東側陣営であり、脱獄を防ぐために壁を築いたほどだ。以前ベルリン~モスクワ・サンクトペテルブルクなどのロシア向け国際夜行列車を運行していた際には旧西ベルリンのベルリン動物園駅から運行され、中央駅、東駅にも停車していた。かつてのOST WEST EXPRESS(東西列車)も動物園駅と東駅に停まることにより東西両ベルリンから利用可能であった。ベルリン動物園駅はベルリンが分割統治されなければ日の目を見なかった途中駅なので現在では始発駅や中心駅としての機能を中央駅に譲り国際列車は停車しなくなってしまったが、東駅始発ではなくベルリン中央駅始発にすればよかったではないか。そこを敢えて手前のベルリン東駅始発にしたことは、やはり政治的意味合いがあるのではなかろうか。むしろベルリン~パリ間を廃止にされてもおかしくなかったのではなかろうか。

とはいえ、いくらロシアが西欧諸国が憎かろうがフランス・パリ乗り入れを全面的にやめてしまえばそれはそれでまた大問題で、ヨーロッパでトップニュースになりかねない。やんわり本数を減らして週1でも残しておくことで、最低限の秩序を保とうとしているのだろう。逆にロシア国鉄がパリ乗り入れをやめたら、国際情勢的に緊張が極限まで高まる時なのではないだろうか。

3. 結び

今回2017年ヨーロッパ冬ダイヤ改正では、スペイン製起動可変客車タルゴを用いることにより、ベルリン~モスクワ間で大きく時間短縮することに成功した。タルゴは両輪が単独軸であるスペイン製車両の総称であるが、起動可変しないタルゴはカザフスタンやサウジアラビアの高速鉄道で330km/h運行がされている(または予定)などで高速鉄道市場にも参入している。とはいえ高速運行できる車両での起動可変はスペインでも難しいらしく、未だに実現していない。またロシアも周りが標準軌1435mmの鉄道で囲まれていることもあり、モスクワ~北京の直通列車も台車交換が必要となっているが、こちらはスペイン製タルゴの導入ではなく標準軌の高速鉄道を7000km整備する予定で、2021年からロシア側でも順次開業する予定でもし全線完成すれば最速で2泊3日の夜行国際高速列車が誕生する見込みだ。日本ではフリーゲージトレインの導入が遅れており、九州新幹線長崎ルートや北陸新幹線では導入を見送りすることが決まってしまった。今後高速鉄道市場とフリーゲージトレイン市場がどのように変貌していくのか見守ってゆきたいと思う。

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2017年06月25日

特急増発と停車駅増加と水都車両変更リニューアルと 西日本鉄道天神大牟田線ダイヤ改正(2017年8月26日)

西日本鉄道は6月21日、プレスリリースにてにて2017年8月26日に天神大牟田線でダイヤ改正を行うと公表した( http://www.nishitetsu.co.jp/release/2017/17_059.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. 福岡市南区の玄関口・大橋に特急停車

今回の2017年8月26日の西鉄ダイヤ改正では、特急の停車駅が増加することとなった。今回停車が増える大橋駅は、福岡市南区の玄関口であり、乗降客数も西鉄福岡(天神)、薬院についで第3位で、特急停車駅である4位の西鉄久留米とほぼ同等を誇り、西鉄二日市を大きく上回っている。このように大きな利用者数を誇るにも関わらずこれまで特急が通過していたのは、西鉄福岡(天神)からかなり近く急行や普通電車でもほとんど差がないこと、薬院はバスで博多に出るためのバスを多く出しており、天神及び地下鉄から客を奪うために特急を停めているが、大橋にはそのような積極的な理由はこれまでなかった。

1.1. 西鉄を取り巻く交通事情の変化

しかし時代の変化が襲う。鉄道事業とバス事業を一部分社化したとはいえ未だに1つの会社で切り盛りしている西日本鉄道は、鉄道だけではなくバスでも大きな収益を上げていた。2005年には七隈線が天神南~橋本間で開業し、もろ西鉄バス走行エリアを直撃した。天神方面のバスは大きく減らさざるを得なかったが、幸いなことに天神南駅が遠いことが奏功し、地下鉄利用では乗り換えを擁する藤崎や博多を結ぶバスはほぼ据え置かれた。七隈線の六本松から博多駅へ行く西鉄バスが昼間4~5分間隔で運行されていることからも未だに西鉄バスが強いことが伺えるし、減益回収分として薬院を第2のターミナルと位置づけ、博多駅まで多くのバスを運行することにより地下鉄空港線から需要を奪うことに成功した。

しかし2010年代に入るとバス事業そのものに悪雲が漂い始める。それは、バスの運転手そのものがなり手がいないことだ。こればかりは西鉄としてもどうしようもなく、2013年に天神から大橋駅を経由する福岡市南区方面の4つの系統を大橋駅で運行を打ち切り、大橋駅から福岡都市高速経由のバスに乗り継いでもらうことにしたのだ。これまでは各方面のバスがそれぞれ福岡市中心部の天神まで全便直通であったが、各バスの乗客全員が天神まで行くわけでもなく、多少は大橋駅やその他で下車していた。要するに大橋駅~天神でバスを集約しハブ化を行ったわけだが、乗り換えを要する程ならバスより定時性の高い電車を利用したいわけで、この頃から大橋駅の乗降客数が少しずつ上昇することとなった。西鉄としてもバスの人員を抑えられるのはなり手がいない現代ではありがたいことで、積極的に電車利用を勧めたいところなのだろう。それもあって西日本鉄道では本年2017年1月26日に大橋駅をリニューアルするプレスを公表し( http://www.nishitetsu.co.jp/release/2016/16_100.pdf )、交通結節点化に力を注ぐことが鮮明となった。その一環として行われようとしているのが今回2017年8月26日のダイヤ改正で実施される特急の大橋全停車化なのである。

1.2. 特急の停車駅増加は筑後地域の人口減も影響か

今回の2017年8月26日ダイヤ改正では特急が大橋に新規停車し停車駅が増えることとなったが、特急は終日天神大牟田線全線を運行する最速達種別であり、一番遠くまで行くが故一番混雑しやすい列車のはずだ。しかし西鉄の沿線環境にも変化が表れており、2015年の国勢調査によれば、西鉄沿線市町村の人口はこの5年間で西鉄二日市の所在する筑紫野市より北側の福岡地域では全沿線市町村で人口が増えたのに対し、小郡市より南側の筑後地域では2011年3月12日に九州新幹線が開業し多くの列車が停車する久留米市を除き、全ての沿線市町村で人口が減った。特に昼間に全てとラッシュ時の半数以上の優等列車が特急である久留米市より南の地域ではこの5年間で5%以上人口を減らしているほどで、人口減少が著明である。終点の大牟田は九州新幹線が開業するまでJR九州が特急「リレーつばめ」「有明」を毎時3本運行しており、九州新幹線開業後は市中心部から離れた場所に新大牟田駅を設置したもののその需要をうまく取り入れることができず、ほぼ横ばいで推移している。

つまり、西鉄天神大牟田線では急行を運行している地域では人口が伸びているのに対し、特急を主に運行する地域では人口が減っているのである。需要の均衡を保つためには急行の利用を減らし、特急の利用を増やさなければならない。そこで西鉄久留米を抜いて今も利用が増え続けている乗降客数3位の大橋に停車することになったのではないだろうか。

2. 「水都」は優等用3000系に車両変更で特急3ドア化達成へ

筑後地域の人口減少による利用減少分を大橋への追加停車で補おうとしている西鉄特急であるが、利用者が増えるということは車内が混雑するということ。西鉄特急といえば従来2ドア車6両編成で特急専用車両で運行されていたが、2015年の8000系の廃車が始まったあたりから当時新型車両であった3ドアの3000系に置き換えられることとなった。

残る特急用に導入された8000系は大宰府向け「旅人」と柳川観光用「水都」であり、「旅人」は大宰府向けなので主に大宰府線や直通急行で用いられているが、「水都」は柳川を通る必要があるため特急運用に就いていた。その「水都」もリニューアルと称し車両変更がなされ( http://www.nishitetsu.co.jp/release/2017/17_060.pdf )、2ドアの8000系から3ドアの3000系に変更となった。これはJR四国における特急「しおかぜ」「いしずち」が全電車化することにより全ての特急運行区間で2000系気動車によるアンパンマン列車を運行できなくなってしまうことから、代替として8000系電車にアンパンマン車両を整備したのと類似しているものと思われる。

これにより全ての特急において3ドア車の運用が可能になり、平日は昼間と間合いの朝の普通電車でしか使用できず6両固定がネックになっていた2ドア車の廃止につなげることができ、また乗降をスムーズにし近距離客でも利用しやすくなることで、西鉄福岡(天神)~大橋という極めて短い区間の利用にも対応できるようになったのではないだろうか。

3. 特急増発は急行の置き換えか

今回のダイヤ改正では特急停車駅に大橋が加わることに加え、特急を3本増発するとしている。主に特急が増発されるのは朝の西鉄福岡(天神)行きで、平日に限り夜も1本運行されるようだ。もちろん全ての特急が停車するようになる大橋駅にも停車するし、今回のプレスリリースでは増発分も含めて特急の増停車本数が書かれている。

そこで、ダイヤ改正のプレスリリースの下部に大橋駅に増停車する列車の本数が記載してあったので比較していく。特急の運行本数は2017年8月26日のダイヤ改正後の時点で平日は上下合わせて65本、土休日は上下合わせて63本となっている。大橋駅の増停車本数を見ていくと平日・土休日共に60本増となっている。土休日に関しては単純明快で、ダイヤ改正前の現時点で運行されている60本の特急はそのまま大橋停車となり、増発された3本の特急は急行からの格上げだと思えばすんなり片付く。問題は平日で、特急増発と称する3本が急行からの格上げだったとしても、それでも2本合わない。平日朝に1往復急行を削減する気なのだろうか。

今回増発される特急の運行時刻を見ていくと、既存の大牟田発の急行と比較しても大牟田~西鉄久留米間ではほぼ時刻が変わらず、西鉄福岡(天神)の到着時刻が9分~11分繰り上がっている。これにより筑後地域から8時44分に西鉄福岡(天神)に到着できる列車が運行されるようになる。現状でも平日朝は西鉄柳川7時31分発の急行電車でないと西鉄福岡(天神)に8時39分に到着できなかったが、ダイヤ改正後は7時49分発の特急で西鉄福岡(天神)に8時44分に到着できることとなり、速達性が向上する見込みだ。

3.1. 特急増発の目的は西鉄柳川発着急行の運行区間短縮か

先述では急行運行エリア沿線では人口が増加し、特急停車駅沿線では筑後地域を中心に人口が減少していると述べたが、なぜ特急の増発に至ったのだろうか。一見明るいニュースに見えるが、実はちゃっかり西鉄久留米以南で減便されている可能性が高い。

先程、西鉄柳川基準でダイヤ改正後は18分遅い電車に乗っても西鉄福岡(天神)につく時間は5分しか遅くならない見込みだと述べたが、現在平日朝ラッシュ時は西鉄柳川基準で17分~20分間隔で急行が運行されており、そこそこの運行本数が確保されている。平日朝ラッシュ時はまるで京王線のように特急運行を行わず、福岡方で急行は続行2本運転となっており、それに合わせて西鉄柳川発だろうが終点の大牟田発だろうが急行としてしか運行できなかった。しかし先述したように久留米市より南側の昼間は特急しか優等列車がないような区間では人口が5年で5%減っており、本数を削減したいところ。そこで西鉄は少しオフピーク気味の西鉄柳川発の朝の急行(平日は2本、土休日は3本)を大牟田発の急行に統合し、西鉄柳川発の急行のうち1本は廃止、残りの平日は1本ないし土休日は2本は花畑・試験場前・津福始発の急行に短縮されるのではないだろうか。

しかしただ西鉄柳川始発の急行を西鉄久留米あたり発に短縮しただけでは、大牟田始発の急行に混雑が集中するのみだ。西鉄久留米から先は概ね人口が増えているのでなおさらだ。そこで急行も特急も種別変更しない限り停車駅が変わらない筑後地域からの利用客を減便分も合わせる形で集中して乗せ、人口の増えている急行停車駅沿線を軒並み通過する特急に格上げすることによって混雑を均等化しようとしているのではなかろうか。今までより1本遅い電車で概ね西鉄福岡(天神)に到着駅るようにさせる半面、急行の運行区間短縮を講ずるダイヤ改正になるものと思われる。

4. 大宰府直通急行は増運

今回の2017年8月26日ダイヤ改正では、西鉄福岡(天神)発9時台の急行が1本大宰府行きとなる。これまでの大宰府行きの設定からすると小郡行き急行と普通電車を置き換えるだけで、実質は増便されないのだろう。ちなみに大宰府観光列車「旅人」は、2ドアの8000系がそのまま運用される見込みだ。

5. 結び

西日本鉄道は、1990年代よりJR九州の通勤電車のテコ入れが始まったことでかなり経営環境が厳しくなっている。ダイヤ改正プレス自体は今回は増便・改正基調で記されているが、よくよく中身を見てゆくと細かい減便と細かい調整が行われるようだ。同日実施予定の南海高野線・泉北高速鉄道のダイヤ改正も中身を読めば読むほどブラックなことが行われるのではないかと類推されるが(どのようなブラックなことが起きるのか読み切れないので記事にはできないが)、今後人口減少が続くエリアでどのような運行本数調整によるダイヤ改正が行われるのか、見守ってゆきたいと思う。

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2017年06月23日

大和路関空快速と特急くろしお・はるか、なんば・梅田乗り入れか JRなにわ筋線ダイヤ改正予測(2031年予定)

JR西日本は5月23日、なにわ筋線を大阪府や大阪市、南海電鉄、阪急電鉄とともに整備する方針であるとすると公表した( https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/05/page_10496.html )。前回の南海のダイヤ改正予測時にルートと南海のダイヤ改正予測を立てたので、今回は運賃関連およびJRなにわ筋線とその周辺のJR線のダイヤ改正予測について見ていく。

なにわ筋線のルートと南海の梅田延伸を伴うダイヤ改正予測についてはこちら!

1. 加算運賃は設定できても運賃計算キロか

今回の2031年なにわ筋線開業では、JR線として新大阪~天王寺間の最短経路が大阪・天満経由から北梅田・今宮経由に変更となりそうだ。新線開業の場合建設費回収のため加算運賃を設定するのが恒例となっているが、関西空港線など末端部では容易に設定できるが、なにわ筋線の場合両側に接続線がありかつ他に迂回路があるため、加算運賃の設定が難しいのだ。もし設定しようとするなれば中間改札が必要となるが、南側はJR難波や新今宮、天王寺など直通列車が多く大阪環状線とも対面乗り換えとなるので設置は不可能で、北側も新大阪に設けようとするとおおさか東線の北梅田乗り入れはどうなるとか、特急「くろしお」「はるか」を京都~天王寺間を通しで利用した際にICOCAと特急券を組み合わせて利用した際に運賃を最安値で計算してしまい正しい経路の運賃が取れないという問題が生じる。そこでさらに京都駅30番線(特急「はるか」用ホーム)にも中間改札を設ける話にもなってしまうが、今度は特急「はるか」が琵琶湖線米原始発として運行されたら、高槻に停車する特急「はるか」だったらということになるとキリがなくなる。前例として1997年3月22日に開業したJR東西線は片町(大阪城北詰)~京橋間を大阪環状線内から外すことには成功したが両端が他線と接続されており塚本(JR神戸線)・大阪・天満(大阪環状線)経由の迂回路があることから、加算運賃を設定できなかった。利用実態としては大阪環状線外の電車特定区間への利用が主であったので開業前と比べても運賃は変わらなかった(ちなみに尼崎~京橋間はJR東西線よりもJR神戸線・大阪環状線経由の方が短いため、安くなることはなかった)。

そこで今回もなにわ筋線が最短ルートになるかどうか試しに実キロを試算するとJR難波基準で西本町が1.7km、中之島が3.0km、北梅田が4.5kmとなる。北梅田と大阪駅は非常に近接しており、同一駅扱いするとなれば大阪~天王寺間は大阪環状線廻りの10.7kmからなにわ筋線・大和路線経由の9.0km程度に短縮されることになる。もしこれがそのまま営業キロに適用されれば2017年現在の運賃で大阪~天王寺間はJR線で190円から180円に値下がりすることになる。大阪駅から阪和線・大和路線への利用も多いこと、特に東海道新幹線・山陽新幹線から特急「くろしお」利用では軒並み1.7km程度縮み、運賃のみならず特急料金も値下がりする区間があり(新大阪~簑島間が通常期指定席で1920円から1490円に値下がり)、既に阪和連絡線経由での大阪環状線直通によりキタ乗り入れを果たしているJR西日本からすれば梅田への特急列車以上に減収減益が予想されるのだ。それを防ぐには、東武小泉線のように迂回路と営業キロが同じになるようにJRなにわ筋線に運賃計算キロを設け、本来4.5km程度の北梅田~JR難波間に6.2kmの運賃計算キロを導入することにより、少なくとも現状維持を狙える。ただ、欠点としては運賃計算キロの設定が地方交通線を上回っていること。地方交通線の加算賃率の設定自体当時の日本国有鉄道で大きな問題となったため利用者への理解が必要にはなりますが、これ以外にJRなにわ筋線に加算運賃を設ける術はないことだろう。

2. なにわ筋線は阪和線・大和路線双方から乗り入れか

前回南海のダイヤ改正予測について触れた際に南海なにわ筋線は南海本線の梅田延伸だと述べたが、JRではどうなるのか。JRなにわ筋線は北梅田とJRなんばを結ぶ路線となっており、北梅田は東海道貨物線(開業前におおさか東線の駅として開業している可能性有り)、JR難波は関西本線(大和路線)の駅である。東海道本線の支線とも取れなくもないが、関西本線(大和路線)の延長と取った方が旅客的にも自然なのだろう。

とはいえ南海が梅田から関西空港まで一本で結ぼうとしていることは明らかで、現状JR西日本も大阪環状線経由で阪和線方面特急「くろしお」「はるか」を阪南方面から新大阪・京都へ運行していることからも阪和線列車がJRなにわ筋線に乗り入れることは間違いない。現在大和路線しか乗り入れないJR難波になにわ筋線開業時に阪和線列車が乗り入れることは間違いなさそうだ。

そこで、今回は大阪市内の旅客流動を見ながらJRなにわ筋線にどのような列車が乗り入れるのか、阪和線と大和路線に分けて見ていく。

2.1. 阪和線は特急と関空快速/紀州路快速がメインか

ダイヤ改正予測を行うためにはまず2017年現在阪和線の昼間及び平日夕ラッシュ時を走る列車に運行されている列車から見ていく。阪和線を運行する列車は主に以下の通り(特記無ければ双方共通・天王寺発着)。
  • 特急「くろしお」毎時1本(大阪環状線直通)
  • 特急「はるか」毎時2本(大阪環状線直通)
  • 関空快速/紀州路快速毎時4本(大阪環状線直通)
  • 区間快速毎時4本(平日夕ラッシュ時は快速に格上げ・平日夕ラッシュ時はうち毎時2本が和歌山発着)
  • 普通毎時4本(平日夕ラッシュ時は毎時5本)

以上となっており、昼間は毎時15本、平日夕ラッシュ時は毎時16本の運行となっている。阪和線は天王寺発着が多いことを考えればなにわ筋線開業後も線路容量の関係で直通が抑制されることは明らかであろう。そのため阪和線の場合天王寺発着列車である普通と区間快速(平日夕ラッシュ時は快速も)はなにわ筋線開業後も天王寺発着のままとなるのであろう。特に特急「くろしお」「はるか」は新大阪~西九条間の東海道貨物線で単線となり、昼間でさえ毎時3本捌いていることや周辺のJR京都線や大阪環状線ののダイヤ過密なこともありボトルネックとなっており、2023年3月に北梅田駅の開業と東海道貨物線の地下化を予定しているものの配線が複雑なことから遅延がなかなか回復できない原因となっており、USJ対策で一部西九条に停車する列車もあるものの原則特急は天王寺~新大阪間ノンストップであるから複線のなにわ筋線に乗り入れない理由がない。特急の梅田停車による需要拡大を見込んでいることも考えると、自然に特急「くろしお」「はるか」と関空快速/紀州路快速がなにわ筋線直通となるのではないだろうか。特急「くろしお」に関しては現状通り原則新大阪発着、特急「はるか」に関しては原則京都発着になるものと思われるが、関空快速/紀州路快速は南海空港急行同様なにわ筋線内は各駅に停まる可能性が高く、なおかつ要望は出ているものの南海列車は北梅田までしか乗り入れない予定に2017年現在ではなっていることから、関空快速/紀州路快速に関しては東海道新幹線・山陽新幹線が接続し、将来的にはリニア中央新幹線や北陸新幹線も乗り入れる予定の新大阪まで乗り入れるのではなかろうか。

その他、東海道貨物線直通の阪和線列車として和歌山4時54分発B快速新大阪行き、新大阪22時44分発快速御坊行きもあるが、この2本の列車もなにわ筋線に乗り入れるのではないだろうか。そうなると大阪環状線各駅から新大阪アクセスが低下するようにも見えるが現状でも1往復しかないこと、大阪環状線・JR京都線共に運行本数に恵まれていることから、列車の補完はしないのであろう。

2.2. 大和路線もなにわ筋線に乗り入れか

次に大和路線についても2017年現在の運行本数から見ていく。(特記無ければ双方共通・JR難波発着)
  • 大和路快速毎時4本(大阪環状線直通・平日夕ラッシュ時は区間快速に格下げ)
  • 快速毎時2本(昼間は高田・平日夕ラッシュ時は奈良発着)
  • 直通快速毎時2本(平日夕ラッシュ時のみ・おおさか東線直通)
  • 普通毎時4本(平日夕ラッシュ時は毎時6本)

以上となっており、天王寺基準で見れば昼間は毎時10本、平日夕ラッシュ時は毎時12本の運行となっている。大阪環状線と構造上直通できるにもかかわらず現状でもJR難波発着列車の方が多いこと、また南海本線や阪和線の列車が多数直通することを考えればなにわ筋線開業後も線路容量の関係で直通が抑制されることは明らかであろう。しかし、南海なにわ筋線と異なりJRなにわ筋線は梅田から難波のみならず天王寺も一直線に結ぶ。難波は少し外れた場所とはいえ加算運賃を現状より高値で設定しない限りは多くの利用が予想され、関空快速/紀州路快速の毎時4本では捌けない可能性が高い。そこで関空快速/紀州路快速の混雑を緩和してより多くの長距離利用者に利用してもらうために終日さらに運行本数を多くする可能性が高い。そうなると、遠距離の運行かつ難波に乗り入れる近鉄との競合を考えて大和路快速もなにわ筋線に乗り入れて難波と梅田を両取りしに行くのではないだろうか。

残りのJR難波発着の快速・普通電車については現状通りJR難波発着のまま置かれるものと思われる。JR難波駅については既に2面4線で整備されており、なにわ筋線が開業しても折り返すにはもってこいである。直通快速などおおさか東線直通列車については2019年3月のおおさか東線新大阪開業および2023年3月の北梅田延伸もあることからそちらの方で大きなダイヤ改正が見込まれるが、大和路線から新大阪へ向かうには2031年のなにわ筋線開業後の時点であってもなにわ筋線経由より久宝寺からおおさか東線経由の方が距離が短く、JR宝塚線の昼間に大阪~宝塚間を毎時2本運行する225系ないし223系4両編成快速がもし新大阪経由でおおさか東線久宝寺まで乗り入れして快速運転を行えばより所要時間が短縮される。つまり大和路快速は北梅田までは乗り入れる必要はあるが、新大阪に乗り入れる必要はないのだ。となれば、大和路快速のなにわ筋線乗り入れは北梅田までとなるのであろう。

2.3. 停車駅はどうなる

阪和線と大和路線の直通列車のダイヤ改正予測の見当がついたところで停車駅についても考えていく。関空快速/紀州路快速・大和路快速については南海空港急行同様なにわ筋線内は各駅に停車し細かな需要を集めるものと思われるが、特急「くろしお」「はるか」については2023年3月の北梅田開業で北梅田に停車するのはほぼ必須で、さらにはミナミの繁華街・JR難波に停車する可能性も高い。単線区間がなくなり距離も短くなるのに特急「くろしお」「はるか」がなにわ筋線開業により僅か2分しか短縮しないのは停車駅が増えるためではなかろうか。

2.4. おおさか東線のなにわ筋線乗り入れはあり得るのか

2019年3月に新大阪延伸を果たし、2023年3月に北梅田乗り入れを果たす予定のおおさか東線であるが、2031年のなにわ筋線開業により直通するのであろうか。前回の南海なにわ筋線のダイヤ改正予測ですでに毎時8本、今回の阪和線と大和路線直通で毎時11本、合計毎時19本も運行しているのである。この中におおさか東線の普通電車を入れる余地はないものと思われ、なにわ筋線開業前同様北梅田発着になるのであろう。

3. なにわ筋線開業による他JR線への影響は

前回記事ではなにわ筋線開業に伴う他の私鉄路線(京阪中之島線や阪神なんば線など)や地下鉄(御堂筋線や中央線など)について見てきたが、今回はJR線について見ていこうと思うが、JR線だけで見ていくと2019年3月のおおさか東線新大阪開業、2023年3月の北梅田駅設置と東海道貨物線地下化など大幅なダイヤ改正が予想されており、そのあとに実施される2031年のなにわ筋線開業の際には周辺の鉄道ダイヤ環境が大幅に変わってしまっている可能性があるのでご容赦いただきたい。

3.1. 大阪環状線

今回のなにわ筋線開業で一番ダイヤ改正を行わざるを得なくなるのは大阪環状線であろう。関空快速/紀州路快速のなにわ筋線乗り入れは必須で、近鉄との競合や混雑の面から見ても大和路快速のなにわ筋線乗り入れは避けられそうにない。現在環状線と名乗っているのに周回列車より他線直通列車の方が多い大阪環状線にとっては大きな痛手だ。そのまま減便してしまえば、終日に渡り毎時8本を失うことになる。

そこで、大阪環状線自体にいったい何本の列車が必要なのか、昼夕輸送力比(適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を用いて逆算してみる。現在平日夕ラッシュ時は西九条~大阪~京橋~鶴橋~天王寺間で毎時16本、西九条~弁天橋~天王寺間(大和路線除く)では毎時12本となっている。西九条を境に運行本数が変化しているのは、その分JRゆめ咲線に直通しているからだ。適正値に合うように昼間の本数を計算していくと15分サイクルダイヤも考慮して西九条~大阪~京橋~鶴橋~天王寺間で毎時12本、西九条~弁天橋~天王寺間では毎時8本で十分なようだ。つまり大きく見ていけば昼間は周回運転が毎時8本、JRゆめ咲線大直通が毎時4本で済むということになる。2011年3月のダイヤ改正まで行われていた昼間のUSJと大阪駅の直通が復活しそうだ。

次に現在関空快速/紀州路快速・大和路快速が補完している周回列車がなにわ筋線開業後どの列車ができるかについて見ていく。大阪環状線の普通列車は8両編成で、快速電車も大和路快速の一部が6両なことを除いて8両編成である。昼間の場合、阪和線区間快速や大和路線の和歌山線直通快速は4両編成であり、大阪~京橋~鶴橋~天王寺間の混雑区間の需要をさばけるとは思えない。昼間に関しては大阪環状線は323系の独壇場になるのであろう。

しかし平日夕ラッシュ時であればどうだろうか。現状では関空快速/紀州路快速と大和路線区間快速が毎時4本ずつ運行されており、関空快速/紀州路快速はなにわ筋線への転線が確実である。しかし大和路線はすでに毎時2本のJR難波発着の8両編成の快速奈良行きがあり、これと毎時2本の転線でなにわ筋線は賄えそうだ。そうなると大阪環状線に区間快速毎時2本が残ることになる。323系の導入を極力抑えたいJR西日本としてはできるだけ活用したいところで、平日夕ラッシュ時と平日朝は大和路線から大阪環状線への乗り入れ列車は残るのではないだろうか。

4. 結び

今回の2031年なにわ筋線開業に伴うJR西日本ダイヤ改正では、阪和線・大和路線列車のなにわ筋線乗り入れ化により大阪環状線や他線を巻き込んだ大掛かりなダイヤ改正となりそうだ。そのまえに2つ大きなダイヤ改正のヤマを迎えているが、今後の近畿エリアのJR線(アーバンネットワーク)のダイヤ改正を注視してゆきたいと思う。

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2017年06月21日

名古屋・京都のみ停車の「こだま」と年越し新幹線登場! 東海道新幹線臨時列車運転(1964年12月26日~1965年1月7日冬期間)【週刊新幹線4号】

日本国有鉄道は1964年末、「国鉄監修 交通公社の時刻表」(現 JTB時刻表)1965年1月号にて年末年始期間(1964年12月26日~翌1965年1月7日)に東海道新幹線にて日跨ぎを含む臨時列車の設定を行うと公表した。【週刊新幹線4号】となる今回はこれについて見ていく。

前回記事となる1964年10月1日の東海道新幹線ダイヤ改正についてはこちら!

1. 臨時列車設定の背景

1964年10月1日、東海道新幹線は突貫工事の末東京オリンピック開会10日前に完成させることに成功し、東京~新大阪間を従来より2時間30分弱速く結ぶことができるようになった。しかし開業後初の週末となる2日金曜日、3日土曜日、4日日曜日は東海道新幹線「ひかり」「こだま」各列車札止め(満席)となり、早速混雑の収集がつかなくなっていた。当時は「ひかり」「こだま」とも全席指定であり、新幹線はマルス非対応のため全て駅(当時みどりの窓口は存在しない)や旅行会社などの係員が電話で予約処理を行っており、完全手動発券であったことから発券も30分では済まないこともままあり、てんやわんや状態となっていた。

そこで日本国有鉄道は混雑緩和により増発を行うこととなったのだが、増発を行うということは発券できる座席数が増えることを意味していた。そのため、これまで在来線を含め特急列車は全席指定だったものを1964年12月26日より東海道新幹線特急「こだま」号に限り当時12両編成中半分に当たる1号車~6号車(全て2等車・現在の普通車)を自由席として開放したのである。これは高速鉄道史上初の自由席設定であり、戦後日本を走る全特急列車でも初の設定となった。当時の自由席新幹線特急券は新幹線特急券(指定席)と同額であったが、乗車前に発券に係る時間が大幅に短縮されたことで大きく利用された。

また、1964年10月1日に開業した東海道新幹線であったが、12両編成の新幹線車両(後の0系新幹線)の導入編成数は30に対し定期列車運用数は24であり、仕業検査や交番検査などの各種検査を組んだり予備車両を考えると余裕のない状態となっていた。年末年始の帰省ラッシュ混雑に太刀打ちできないのは重々承知だったが、運用に余裕の出る早朝・夜間にしか臨時列車を設定できない事態となった。そこで日本国有鉄道では新幹線の運行時間帯となっていた6時~24時の範囲を飛び越えて新幹線を運行することにしたのであった。

2. 深夜時間帯初の列車設定

1964年~1965年にかけての年末年始臨時列車運転では、昼間は予備を除くと運用数ギリギリまで使っていたため増発は早朝夜間に限られることとなった。設定されたのは全て東京・名古屋・京都・新大阪のみ停車の列車で、1964年10月8日~25日に設定された静岡→東京間の各駅に停まる「こだま」のように各駅に停まる臨時列車は設定されなかった。
今回設定されたのは、下り新大阪方面は東京19時45分発、20時15分発、21時15分発の3本、上り東京発は新大阪3時50分発、4時05分発、19時40分発、21時ちょうど発の4本が用意された。上下とも19時台に運行しているのは、1964年10月1日ダイヤ改正におけるパターンダイヤとなっている毎時30分発の「こだま」が19時台だけ存在しないため、前方に抜かす列車がないこと、また運用数を極力増やさないようにするためだと思われ、運用数も推定で25運用(定期便のみ運行時+1運用)となった。当時東京~新大阪間は最速の超特急「ひかり」号でも4時間かけて運行していたことから、東京・新大阪19時台発の上下1本ずつを除いて0時~6時の間を運行するダイヤをとることとなった。

3. 途中名古屋・京都にしか停まらない臨時「こだま」の登場

0時~6時の深夜・早朝を運行するには、当時は保守間合いとしての意味合いしかなかったとはいえさすがに日本国有鉄道も少し徐行しようという話が持ち上がった。しかし徐行しては東京~新大阪間を4時間で運行できなくなってしまう。停車駅としては「ひかり」タイプではあるが、4時間で運行できないのに割増な超特急「ひかり」号用4時間特急料金としてとるわけにはいかない。

そこで日本国有鉄道は停車駅は途中名古屋・京都のみとしながら早朝深夜運行のため全線運行時間が4時間10分以上になる列車を特急「こだま」号として運行し、割安な5時間特急料金として利用できるように設定したのだ。もちろん「こだま」として運行されるので、先述の通り車両の半分は2等車自由席での運行となった。臨時列車の号数の振り方は臨時「ひかり」が350番台、臨時「こだま」が370番台となった。名古屋・京都のみ停車の「こだま」となったのは下りは東京21時15分発「こだま375号」(4時間25分運転)の1本、上りは新大阪3時50分発「こだま372号」(4時間10分運転)、新大阪4時05分発「こだま374号」(4時間10分運転)、新大阪21時00分発「こだま376号」(4時間15分運転)の3本となった。当時各駅停車タイプの特急「こだま」号が5時間運転だったことを考えると、「こだま」にしては非常に速い運行となった。「こだま372号」については史上初の東海道新幹線の臨時列車として1964年10月に運行された静岡→東京間の各駅に停まる「こだま」と同じ号数であったが、期間が重複しなかったことと手動発券であったためにシステムをいじる必要もなかったこともあり僅か2か月後に再利用したのだろう。とはいえすべての深夜運転列車が「こだま」になったわけではなく、下りの東京20時15分発は日付を跨いで運行されたのであるが、「ひかり353号」として4時間運転で走破した。

4. 深夜新大阪着でも接続列車を運行

このようにして早朝・深夜に名古屋・京都のみ停車の「こだま」を運行したわけだが、臨時とはいえ新大阪に1時40分に着いて、新大阪を3時50分に出発する列車に需要があるのか、疑問に思った方もいただろう。1時台~3時台には列車は普通運行されないのは日本国有鉄道も承知していた。もっというと特急料金払って1時台~3時台に着くくらいなら東海道本線の夜行客車普通列車(当時は大阪行き・姫路発であったが、のちの大垣夜行→快速「ムーンライトながら」)の方が寝ながら着けるので、真夜中に大阪へ向かう利用がそんな時間には多くはないだろうというのも承知していた。当時東京~新大阪間のみ利用だけではなく中国・九州地方までの乗り継ぎ客でごった返していた東海道新幹線の混雑を抑える秘訣は、真夜中の新大阪で客車急行に乗り継がせることであったのだ

日本国有鉄道は山陽本線でも新大阪発着で臨時列車の設定を行った。増発されたのは客車急行「筑前」「ぶんご」(新大阪~博多・大分間 門司で増解結)で、下りの博多・大分行きは1964年12月30日・31日の運行で新大阪2時30分発、上りの新大阪行きは始発駅基準1965年1月4日~6日の運行で3時15分着とかなり限られた日程での運行となり、それに接続する「こだま」も客車急行「筑前」「ぶんご」の運行する日に合わせてのみ設定された。下りの九州方面は東海道新幹線特急「こだま375号」と山陽本線方面客車急行「筑前」「ぶんご」を通しで利用する際に座席を確保できるように整理券を無料で交付し、遠距離客に確実に座れるよう配慮されている。上り東京方面ではそのような措置はされず、東海道新幹線側で「こだま372号」と「こだま374号」の2本を運行させることで確実に着席できるように配慮された。名古屋・京都のみ停車の「こだま」4本中3本は、中国・九州地方にできるだけ早く到着させるためのリレー列車要素だったのだ。当時は新幹線と在来線列車(特急・急行・準急)の乗り継ぎ割引などなく、この乗り継ぎ時座席確保整理券が1965年10月に実現される通しでの購入による乗り継ぎ特急・急行料金割引制度の祖と言えるのではないだろうか

5. 開業初年から年越し新幹線の実現

東海道新幹線はこの時開業から3カ月しか経過しておらず、1964年末は新幹線史上初の年末年始輸送となった。その中には先述のように保守間合い時間である0時~6時に運行する列車もあれば日付を跨ぐ列車も運行された。著書でJR東海初代社長・会長の須田寛氏も気づいておられなかったようであるが、日付を跨ぐ列車が12月31日に運行されれば、終着に到着した時には1月1日になる、つまり年を越したことになるのである。

そのため今回も調べていくと、下りは東京19時45分発「ひかり351号」と東京20時15分発「ひかり353号」、上りは新大阪19時40分発「ひかり352号」と新大阪21時00分発「こだま376号」の4本が12月31日に運行されていた。このうち19時台発の2本は23時台に終着駅に到着するため日付を跨いでいないが、残る「ひかり」「こだま」の各1本は日付を跨いでおり、年も跨ぐ運行となったのだ。史上初めて年を跨ぐこととなった超特急「ひかり353号」は京都→新大阪間走行中に、特急「こだま376号」は名古屋→東京走行中でおそらく静岡駅付近走行中に年を越したものとみられる。さらに特筆すべきは、「ひかり353号」は12月26日から31日まで6日間運行したが、「こだま376号」は新大阪基準12月31日のみの運行で、開業初年の1964年から年を越させるためだけに運行された列車だったのだ。当時在来線では寝台特急を走らせているほど日付跨ぎや年越しは当たり前ではあったが、その当たり前を新幹線にも通用させたのはあくまでも東海道本線の線増だったからなのであろうが、現在では非常に貴重な日跨ぎ・年越し新幹線の運行となった。

6. 結び

新幹線史上初の帰省ラッシュ輸送となった1964年~1965年にかけての年末年始輸送は、現在では考えられない「ひかり」並みの停車駅の「こだま」、日付跨ぎ新幹線のみならずわざわざ年を越させるためだけに設定した新幹線の運行など、21世紀では考えられない多彩な臨時列車を運行した。現在では新幹線の高速化と料金統一によりこれらのことはほぼなくなったが、1960年代はこのような臨時列車を運行しても寛容される時代であったのだろう。次回の【週刊新幹線】もお楽しみに!

出典

国鉄監修 交通公社の時刻表(現:JTB時刻表) 1965年1月号, 日本交通公社出版事務局時刻表編集部, 1964年.(JTB時刻表最新号はこちらから!)
東海道新幹線 写真・時刻表で見る新幹線の昨日・今日・明日, 須田寛 著, JTB出版事務局交通図書編集部, 2000年.

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