2017年07月03日

恐れていた!田園都市線の特急運行宣言! 東急田園都市線・東京メトロ東西線・東京メトロ半蔵門線臨時列車運転(2017年7月11日~21日)

東急電鉄は6月27日、プレスリリースにて7月11日より時差Bizライナーとして田園都市線に臨時特急を運転すると公表した( http://www.tokyu.co.jp/file/170627-11.pdf )。また東京メトロも同日、プレスリリースにて7月11日より時差Bizトレインとして東西線に臨時列車を増発すると公表した( http://www.tokyometro.jp/news/images_h/metroNews20170627_61.pdf )。今回はこれらについて見ていく。

1. 史上初、田園都市線の特急運行

今回2017年7月に実施される田園都市線の臨時列車運行では、7月11日~21日の平日に東急田園都市線で特急列車が史上初めて運行される。今回運行される田園都市線特急は中央林間を6時04分に出発し、長津田、あざみ野、溝の口のみ停車し、渋谷に6時43分に到着し、押上まで半蔵門線内は各駅に停車する。各駅停車の待避は別のプレスリリースによれば( http://www.tokyu.co.jp/tokyu/biZ-2017.pdf )、江田、梶が谷、桜新町で行い、1駅差で臨時特急に接続できない超不親切設計である。この臨時特急がいるだけで他の複数の列車を繰り上げ発車しなければならない迷惑設計であるが、この臨時特急、田園都市線内で39分かかっており、停車駅が減った割に昼間の急行の所要時分である38分よりも遅い時刻設定となっており、前を走る急行と比べても2分遅い。最大の原因は中央林間→長津田間は本来6分~7分で運行すべきところを各駅停車に挟まれていることから10分かけて運行するからなのだが、一体なぜこのような列車を設定するに至ったのだろうか、考察してゆく。

1.1. 特急停車駅は全て他鉄道路線と乗り換えられる駅

今回設定された田園都市線特急は急行と比べて大幅に停車駅を抑えている。特急に停車する中央林間は小田急江ノ島線から、同じく停車する長津田はJR横浜線から乗り換えられるが、青葉台はバス路線は充実しているが鉄道からは乗り換えられない。特急の停車するあざみ野は横浜市営地下鉄ブルーラインから乗り換えられるが、たまプラーザ・鷺沼は乗り換えできる鉄道路線がなく、なおかつ他急行停車駅より利用者が少ない。

特急の停車する溝の口はJR南武線から乗り換えることができ、かつ東急大井町線へ乗り換えることができる。しかし大井町線次の列車は6時31分の緑の各駅停車。急行電車は6時40分まで11分待たなくてはならないし、6時31分の緑の各駅停車が大井町まで先着してしまう。それもそのはず、3分差で発車してしまう溝の口6時26分発(注:臨時特急運行に伴い1分繰り上げ)の急行は長津田始発なので、特急のすぐ前を延々と走る列車だったのだ。臨時特急運行のため2分繰り上げられたとはいえ、急行が前にいては高速で走ることができないため遅く設定されたのだろう。

次に再開発の著しい二子玉川は東急大井町線へ乗り換えられるが、溝の口でも乗り換えられるため通過となったのだろう。最後の急行停車駅三軒茶屋は東急世田谷線から乗り換えられるはずなのだが、特急は通過する。世田谷線沿線から渋谷に行くには東急バスがあるだろうということなのだろう。でも、こんなに接続が悪い列車を少ない停車駅で設定しても、乗ってくれる人はいるのだろうか。

1.2. 特急は東京都内全駅通過は、東急電鉄の目論見か

今回設定される特急の停車駅は、中央林間、長津田、あざみ野、溝の口、渋谷である。渋谷以外神奈川県内であり、終点渋谷を除いて東京都内に停車駅が無い。東京都の政策で都民ファーストの会代表が都知事のはずなのに一体何をしているのだろうか。これだけ見たら都民が利用できない、神奈川県民専用列車ではないか。

急行停車駅で東京都内の駅は南町田(土休日のみ)、二子玉川、三軒茶屋とある。南町田は平日は急行通過駅なので特急を停車させない理由はわかる。でも、二子玉川と三軒茶屋はなぜ通過するのだろうか。2015年大都市交通センサスによれば、東急田園都市線は利用の3割以上が渋谷~二子玉川間内のみの利用で、東京都内で最大の人口を誇る世田谷区からの利用は大いにあるはずだ。にもかかわらず世田谷区内は完全通過。渋谷までノンストップだ。百歩譲って特急の設定により急行の混雑が分散して、世田谷区に停車する列車の混雑が和らぐとしても、利用者が少なくなるのは必須だ。

しかし、なぜこうも使いづらい列車の設定となったのだろう。1つは東京都の陰謀説。7月2日投開票の東京都議会議員選挙で地方議会では異例の与党を作りたい小池百合子氏が、東京都議会議員選挙の告示期間中に東京都としてプレスを出すことによって選挙で票を集めることに一役買わせようとする説。あらかじめ決まっていたのであればわざわざ田園都市線に特急を運行させて話題をとる必要はないし、東京都議会議員選挙の告示期間中にしなくてもよいはずだ。鉄道界でも小池劇場を演出する可能性は、過去の都知事の選挙戦略的に十二分にあり得る。残念ながら官僚の応援演説での失言によりテレビや新聞社はこのニュースをあまり大きく取り上げてくれなかったが、ある意味成功したといえば成功しているので結果オーライということなのだろう。

そして2つ目が東急電鉄本気でない説だ。東京圏の混雑率を見たると、私鉄で高いのは東京メトロ東西線、小田急小田原線、東急田園都市線の3つだ。このうち小田急小田原線は東京都の連続立体交差化事業は残るは周辺設備の整備のみとなっており、残るは梅ヶ丘~代々木上原間の複々線化事業だ。2018年3月には完成し朝ラッシュ時の運行本数を毎時27本から毎時36本まで1.33倍に増やして、混雑率を160%程度にまで下げるという。「時差Biz」では混雑率を150%まで将来的に下げる予定で設計しているが、目先の目標である混雑率180%未満化へは時間の問題でしかない。そのため今回の朝の増発は行わない予定となっている。東京メトロ東西線は南砂町駅の2面3線化と九段下駅折返し設備増強などを行っているが、それでも不十分とされる。

そして東急田園都市線は、大井町線とバスで逃げようとしている。つまり根本的な混雑緩和対策を行う気がないのだ。となれば、東京都の押し付けでいきなり混雑率を180%に抑えなさいと言われてもできない。東急電鉄は時差Bizより前から将来的に朝オフピークの列車の増発を計画的に行うと既に公表しているにもかかわらず、東京都にせかされているのだ。東急電鉄としては予定通り2020系を増備してその分で増発させたいのであるから、時差Bizによる促進に半分波に乗りつつでも当初の予定通りに進めたいのだ。となると、東急電鉄としては今回急行より遅い特急を敢えて運行することにより、利用者が振るわなく効果がなかったとして潰したいのであろう。そのためにわざと停車駅を絞り、使いにくい列車として運行し、なおかつ東京都内全駅通過とすることにより暗に東京都を牽制しているのではないだろうか。

2. 東西線も2本増発

今回の2017年7月の東京圏における臨時列車運行では、東急田園都市線の臨時特急「時差Bizライナー」に注目が集まっているが、東京メトロ東西線でも7月11日~22日の平日に「時差Bizトレイン」として平日朝に臨時列車が運行される。地下鉄東西線で運行されるのは朝6時台後半に大手町・九段下に到着する快速列車1本と各駅停車1本で、快速に関しては最初の通勤快速の運行より、西船橋基準で18分、大手町基準で23分早い時刻での運行となり、前後の各駅停車と比べても5分程度早く到着することができる。特に平日朝は8時台までは東京都内各駅に停まる通勤快速しかないから、通過区間の多い快速列車の設定は千葉県民にとってはかなり貴重となる。

では田園都市線特急のように神奈川県民専用列車になるかというとそうでもない。快速であったとしても東陽町から先は各駅に停車するし、なにせ地下鉄東西線では各駅停車も1本増発している。快速が全通過となるが浦安より利用者の多い江戸川区の葛西・西葛西からもきちんと需要を拾うことができるのだ。東京メトロとしては前前都知事の鶴の一声で東京都交通局と併合されるのはたまったもんじゃないと思っている節があり、現都知事はそのようなことは考えないだろうが東京メトロとしては最善の策を尽くしているようにアピールしないとまた都営地下鉄との併合話になりかねない。この快速と各駅停車の増発および時刻変更により、全列車合わせて3分以内で電車が来る時間帯が23分繰り上がるものと思われる。

3. その他にも多数のキャンペーンを各社で実施

今回2017年の7月に平日朝に増発されるのは東急田園都市線の特急1本と東京メトロ東西線の快速及び各駅停車であるが、その他の各線でも通勤Bizに合わせて様々なキャンペーンを実施する。

これまで早起きキャンペーンを行っていたのはほぼほぼ東急田園都市線と東京メトロ東西線くらいであったが、今回の通勤BizキャンペーンによってJR東日本の総武緩行線では系列店で買い物をすることにより特典がもらえたり、東武鉄道と西武鉄道は特急やライナー使用で様々な特典を設けることとなった。これにより時差通勤やライナー利用を促進する狙いがあるものと思われる。

4. 結び

これまで東京都が告知してきた「時差Biz」内の鉄道事業者取り組みレポートでは、東京都交通局を含めこれまで過去に実施・告知してきたものばかり掲載されており、実質改善されないのではないかという憶測も一部では立っていた。しかしたった1年で社会実験的とはいえある程度効果を出そうとしているところは評価できる。選挙目的の劇場をこしらえるための一過性のものかもしれないが、今後どのような対策を練っていくのか慎重に見守りたいと思う。

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2017年07月02日

金曜ダイヤと土曜・休日別ダイヤ導入で全日増発! ゆいレールダイヤ改正(2017年8月1日)

ゆいレールを運行する沖縄都市モノレールは6月21日、プレスリリースにてにて2017年8月1日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.yui-rail.co.jp/info/file/5880.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. ゆいレール、全日に渡り増発

今回のダイヤ改正では、混雑緩和のため全日に渡り沖縄唯一の鉄道であるゆいレールが増発することになった。前回7か月前に行われた2016年12月17日ダイヤ改正では土休日の2本増加にとどまったが、今回のダイヤ改正ではこれまでは平日ダイヤと土休日ダイヤの2本立てであったが、今回の2017年8月1日ダイヤ改正で平日(月曜日~木曜日)、金曜日、土曜日、休日の4ダイヤになることとなった。

土曜日ダイヤはバスではありふれているものの、鉄道では名鉄築港線と阪急今津線(宝塚~西宮北口間、登校日に限る)、能勢電鉄、JR西日本の和田岬線、ソウルメトロの一部路線およびJR線のうち一部の地方路線で休日運休列車を設定することで行っているが、2014年に広島高速交通アストラムラインが土曜日ダイヤを導入したが、あえなく1年で休日ダイヤを増便する形で統合されてしまった。土曜日専用ダイヤを設けるのは近年では珍しく、いつごろまで続くか見どころだ。

また今回のダイヤ改正ではゆいレールに金曜日ダイヤも導入される。かねてより毎週金曜日は臨時ダイヤと称して増発を行ってきたが、金曜日ダイヤとして公式に分けるのは極めて珍しい。金曜日に運行される臨時列車単位では長距離列車を中心に運行されており、東海道新幹線では「のぞみ401号」(東京17時53分発新大阪行き)、山陽新幹線では「のぞみ197号」(東京18時13分発・新大阪20時48分発原則広島行き・東京~新大阪間は「のぞみ403号」として多頻度運行・ごく稀に博多まで運転することも)などがあり、在来線では常磐線特急「ときわ96号」(勝田17時30分発上野行き)がある。在来線普通列車となるとJR東日本が埼京線で運行している金曜臨時列車を運行したり、JR東海が静岡地区の東海道線で深夜に1本快速列車を運行している程度で、12月の金曜日に各社で増発や延長運転を行う程度で他はなかなか見つからない。金曜は夜間に混みやすいというのはありそうだが、直通運転や別運用の設定などで設定する必要があることからもなかなか難しいのであろう。また平日ダイヤを2つに分ける発想も平日休校日ダイヤとして名古屋市営地下鉄東山線や愛知高速交通Linimoで設定されているくらいで、こちらもなかなか珍しい。今回平日ダイヤから金曜日ダイヤを分けて設定できたのはゆいレールが直通運転をしていないことも関わっているのではないだろうか。

とじはいえなぜ今回4ダイヤに分けたのであろうか。おそらくゆいレールとしてはできるだけ増発はしたくなかったが、混雑緩和のために増発せざるを得なくなった。しかし年間総本数をできるだけ抑えたいために、曜日別にダイヤを組むことすることで極力増発を抑えようとしたのではないだろうか。

それでは次の章から、各4ダイヤについて見ていく。

2. 平日ダイヤは朝夕ラッシュ時増発へ

今回のダイヤ改正では全日に渡り増発しており、平日も例外ではない。平日(月曜~木曜)は朝の採最短運行間隔を5分から4分30秒に縮め、首里基準朝8時台で2本増発し、1運用増加し推定12運用となった。運転間隔が4分30秒に縮まったのはピーク時の18分間しかないようだが、5分間隔時間帯が20分から38分(4分30秒間隔時間帯含む)に拡大したことで、朝時間帯は全体的の運行間隔が縮んだようだ。

また平日夕ラッシュ時は最短7分間隔から6分間隔に縮まったことで那覇空港基準で18時台に3本増発し毎時10本運行となっているが、こちらも周囲の運行時間帯で増発が行われており、17時台に1本増発した。平日(月曜~木曜)では、結果6往復12本が増発された。これにより昼夕輸送力比(適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は70%から60%へと下がり、推奨値から外れるものの適正値内には収まるものと考えられる。

3. 金曜日ダイヤは実質ほぼ据え置き

前回2016年12月17日のダイヤ改正記事で軽く触れたが、ゆいレールでは既に2016年12月の時点で金曜日は臨時ダイヤで運行されており、実質既に増便されていた。この毎週行われている金曜臨時ダイヤと比較していく。

まずは平日朝。朝に関してはこれまでの平日ダイヤ同様最短5分間隔での運行となっており、今回のダイヤ改正で平日(月曜~木曜)ダイヤと同様最短4分30秒間隔に縮められた。朝に関しては他の平日と遜色ないようだ。

しかしその他の時間帯では多少時刻変更はあるものの運行間隔はほぼ据え置き。というか1本8時台に移ってしまったため9時台~11時台で1往復減少してしまった。金曜日ダイヤは公式に固定化したものの、実質増発は1往復2本にとどまり、実質今回のダイヤ改正で小規模な変更となった。金曜日のみで昼夕輸送力比(適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を見ていくと75%のままとなっており、輸送量に過不足はないようだ。

4. 土曜日ダイヤはほぼ終日8分間隔化

今回のダイヤ改正では土休日ダイヤも2つに分かれ、土曜日ダイヤと休日ダイヤに分けられることだ。これにより9時台~19時台まで8分間隔が保たれ、前回2016年12月17日のダイヤ改正では土休日に2往復4本しか増発されなかったが、17往復34本が増発することになった。

5. 休日ダイヤはごく小規模にとどまる

今回のダイヤ改正で土休日ダイヤから分離された休日ダイヤであるが、休日ダイヤも増発を行っている。朝は10分間隔から8分間隔にまで増発したことにより、8時台と9時台に2往復ずつ増発した。

また、前回のダイヤ改正で実施された土休日夕ラッシュ時の増発で、18時~19時30分までを10分間隔から9分間隔に詰め、1往復増発した。今回は9分間隔時間帯が延長し(おそらく最短8分30秒程度まで間隔が狭まっている)、15時台~18時台まで毎時7本の運行となり3往復の増発とし、休日夕ラッシュ時の増強を図った。これにより7往復14本の増発となった。

6. 増発に際し各種値上げ

終日に渡り増発となったゆいレールであるが、近年地方交通では減便・減両して運賃を据え置くか、増発して運賃を値上げするかのどちらかを迫られている。本年2017年だけでも福井鉄道一畑電車では減便・減両し、嵐電広島電鉄は増発をして値上げを直後に行うとしている。上毛電鉄は初電と終電の繰り上げ・繰り下げで利便性を向上したが、東武鉄道の関連会社のため値上げを免れたものと思われる。ゆいレールは過去2011年には全区間で概ね20円~30円普通乗車券を値上げし、定期券も合わせて値上げしたため、後者タイプなのだろう。

今回はダイヤ改正プレスに合わせてゆいレールは企画乗車券の発売価格の変更を公表した。内容は1日乗車券(24時間有効)が100円増しの800円に、2日乗車券(48時間有効)が200円増しの1400円に値上がりされる。那覇バスとの共同企画乗車券である那覇市内1日乗車券(当日限り有効)「バスモノパス」は1000円のまま据え置きとなる。ここまでは観光目的を主なターゲットとして値上げを踏み切っているが、今回の値上げではおとなりきっぷを40円値上げし150円とすることとなった。このおとなりきっぷは2011年の運賃値上げの際に当時隣駅間200円だったものを半額の100円としたことから始まり、2014年の消費税転嫁時に110円に値上げしていた。定期券は適用外となるが、このおとなりきっぷの値上げは、市民生活にも影響が少なからず出ることとなった。

また、沖縄県内のバス・モノレールで使用できるICカード「OKICA」で貯められるOKICAポイントの付与率が下がることとなった。これまで一般用の場合9000円以上の利用で15%が付与されていたが、8月1日のダイヤ改正以降は7%にまで下がる。しかし日曜日に利用した場合にはポイントが額にかかわらず5%追加で付与され、日曜日の利用は促進したいように思える。増発するということは収入は上がるはずなのだが、かつての回数券の代替措置のポイント制度を縮小していくのはそれだけ経営に行き詰まっているということなのだろう。他の地方交通のように普通運賃と定期券が値上げされていないだけまだマシだと考えるのが妥当なのではないだろうか。

7. 結び

今回2017年8月1日のゆいレールダイヤ改正では、全日に渡り増発が図られ、利便性が向上することは間違いなさそうだ。とはいえ1日乗車券類が値上げされ、隣駅までの運賃も40円値上げするなど厳しい面も垣間見える。2019年春に那覇市を飛び出して浦添市のてこだ浦西まで延伸開業するが、その際に増発がなされるのか、区間運転が設定されるのか、はたまた運賃や企画乗車券が値上がりするのか、加算運賃が導入されるのか気になること限りないが、今後も注目してゆきたいと思う。

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2017年06月30日

651系普通運用化とE531系追加投入でE501系東北本線転属か JR東日本水戸支社・仙台支社ダイヤ改正予測(2018年3月予定)

JR東日本水戸支社は6月23日、プレスリリースにて7月22日よりかつて特急「スーパーひたち」に使用されていた651系を普通列車として運用すると公表した( http://www.jrmito.com/press/170623/press_01.pdf )。またJR東日本は2017年内に常磐線普通電車用E531系を40両増備しようとしている。今回はこれらについて見ていく。

1. 651系、普通列車として運用定期化へ

今回のJR東日本水戸支社のプレスリリースによれば、7月22日より常磐線いわき~竜田間で特急型車両651系4両による普通列車が2往復運行される。このうち1番列車となるいわき9時22分発竜田行きは、いわきにて特急「ひたち1号」から4分の接続で運行しており、朝の東京・上野からの利用にもってこいの運行時刻となっている。

特急型車両の間合い運用による普通列車運用はかつてしばしば見られたが、現在ではホームライナーでの運用を除きほとんど無くなってしまった。しかもこれまでの間合い運用はあくまで車庫から特急発着駅までの間の回送列車を普通列車として旅客営業するものであり、今回のように定期運用から退いていた編成をわざわざ引っ張り出して就かせるものではない。では一体なぜかつて特急「スーパーひたち」として運用されていたものの現在定期運用のない水戸支社の651系4両編成を使用することになったのか、考察してゆきたいと思う。

1.1. 651系投入は常磐線全線復旧後の特急運行のためか

JR東日本では2020年を目途にJR常磐線を全面復旧させる方針をとっている( https://www.jreast.co.jp/press/2015/20160307.pdf )。これまで常磐線が比較的長い区間で復旧した際には震災前と同水準の運行本数を確保しており、もし常磐線が全面復旧するのであれば、震災前までいわき~仙台間で運行していた特急列車を復活させる可能性が高い。

かつて運行されていた特急「スーパーひたち」は上野発着であったものの、いわき~原ノ町間は6往復、原ノ町~仙台間は4往復(ただし超繁忙期は5往復)の運行で、原ノ町発初電の14号と原ノ町行き最終の53号は7両編成だったものの他の列車はいわきで増解結を行うため4両編成であった。しかし震災直前の2010年12月には、現在の常磐線特急「ひたち」「ときわ」用車両E657系を導入するのと引き換えに、特急列車をいわきで系統分割する方針が記載されていた( http://www.jreast.co.jp/press/2010/20101206.pdf )。2011年に震災があり常磐線がいわき~仙台間で断続的に不通となったことで特急列車が運行できなくなったことから、いわきより南の区間のみ車両置き換え計画が進み2013年3月16日のダイヤ改正以降特急列車はE657系10両編成による運行でほぼ統一された。

しかし当初の計画でいわき~仙台間を運行する特急列車として運用するはずだった当時特急「フレッシュひたち」用だったE653系は全編成が特急「いなほ」「しらゆき」に転用改造され、常磐線から離れてしまった。また福島県・宮城県内での常磐線復旧工事では交換可能駅の有効長が8両までとなっており、震災前に行われていた上野までの直通運転による特急運行はE657系が10両編成であることから不可能となってしまう。かつての特急「スーパーひたち」用651系は高崎線特急「あかぎ」や伊豆方面観光列車「伊豆クレイル」などに転用され転属していくものの、水戸支社に7両編成3本と4両編成2本が配置され、ときより臨時列車を設定して運用していた。

つまり、水戸支社に残った特急型車両651系は来る常磐線の全面復旧時にいわき~仙台間を運行する特急としてあえて温存しているのではなかろうか。かつての特急「スーパーひたち」と同型車両であれば、正に震災前と同じ雰囲気にはなり、復興の象徴にもなりうると考えられる。またJR東日本としても特急型車両同士で事前にいわき乗り換えさせることにより、今後いわき~仙台間のみで運行される特急の運行をスムーズに行うつもりなのかもしれない。

1.2. 651系投入は富岡復旧時の1運用増加によるものか

次に考えられるのが、2017年10月ごろを予定に実施される予定の常磐線竜田~富岡間の復旧である。竜田~富岡間は営業キロにして6.9kmあり、もし復旧すれば車両運用が1運用増えることになりそうだ。復旧は10月頃だとしても事前に試運転が必要で、それより前から準備しなくてはならない。現在いわき~竜田間ではE531系5両編成による運用のみとなっているが、もともといわきより北の区間では701系などの交流専用車が使われていたこともあり、水戸支社の車両より仙台支社の車両を多く使用していた。現在は線路が寸断されているためいわきと仙台を常磐線経由で結ぶことは不可能であるが、もし常磐線全面復旧となれば再び701系などの交流専用車が再びいわきに乗り入れる可能性がある。交直両用車のE531系は5両編成と10両編成しかないが、交流専用車の701系やE721系は仙台エリアの場合2両編成または4両編成なので、小回りが効くし5両運用するより省エネなのでなおさらだ。

となると、常磐線全面復旧時にはいわき以北ではできるだけ交流専用車である701系やE721系を運用したいのは自然で、できるだけ製造コストのかかり長編成となってしまう交直両用車のE531系は製造したくないはずだ。となれば既存の車両で何とかやりくりしたい。復旧は10月頃だとしてもその前に試運転を行いたいから8月までには運用増加分の車両を導入したい。そこで長きにわたり眠りについていた651系車両に白羽の矢が立ったのではないだろうか。このような状況からすると、651系の普通列車運用は2020年頃に予定されている常磐線が全面復旧し特急運転が再開されるまで続けられるのではなかろうか。

2. E531系を年度内に増備へ

また今年度2017年度中にE531系をさらに40両投入するという。内訳は10両編成の基本編成が3本と、5両編成の付属編成が2本となる見込み。2016年3月26日のダイヤ改正では5両編成の付属編成を投入することにより415系ステンレス車4両編成を淘汰し、茨城県内の車両を全てJR型車両に置き換えた。これにより常磐線・水戸線とも大多数のE531系とE501系になった。

2.1. E531系増備は、E501系を水戸線乗り入れを除き撤退させるためか

常磐線では2007年より上野(後に品川も)発着の普通列車に対しグリーン車を設定し、軒並みE531系に置き換えたことにより、たった60両しかいないE501系が余剰となってしまった。5両編成は水戸線で活躍しているが、10両では常磐線の水戸以北でも輸送力として余り気味で、水戸線では運用されない。現在10両編成の基本編成は4編成4運用となっており、点検時はE531系5両+5両で運行されるが、4運用使うのは朝だけでそれ以外の時間帯は2運用がせいぜいである。また乗り入れの南限が土浦となってしまっており、回送による運行コストの浪費も抑えたいところだ。

E501系は平日の朝こそ土浦発2本といわき発・草野発各1本(及び土浦発の1本が高萩で折返し土浦行きとして戻る1本)の設定であり、土浦~高萩間はグリーン車自由席の連結しているE531系10両編成で置き換えることができるが、いわきやその北の草野発でE531系10両編成を運行しようとすると、グリーン車自由席を連結するため高萩~いわき間の各駅にSuicaグリーン券売機を設けなくてはならず、非効率だ。そのためE531系のうち10両編成2本(主に朝の茨城県内用)と5両編成2本(終日運用用)でもってE501系を置き換え、E501系を水戸線直通を除く常磐線から撤退させようとしているのではなかろうか。

2.2. E501系は黒磯駅が完全直流化する東北本線に転属か

ではなぜE501系を追い出そうという発想にそもそもなったのか。1つは先述のように土浦折返し時に佐貫まで回送しなくてはならないところを、E531系にしてしまえばそのまま直通できるようになるため。2つ目はJR東日本は地方線区で原則減車したいと考えており、拡張車体のE531系を導入すれば編成が短くなっても輸送できること。実際上述の置き換えを行えば10両削減することができる。3つ目は2017年度末に工事が完了しようとしている東北本線黒磯駅の構内全直流化と、北隣の高久駅寄りにデッドセクションを設けることにより交直セクションの設置が絡んでいるのではないだろうか。

現状、東北本線の普通列車は栃木県の黒磯で完全に系統分離がなされている。黒磯より南側の直流電化区間では宇都宮線の愛称が付けられ、グリーン車自由席を連結したE233系やE231系が10両や15両(宇都宮以南)で運用されるほか、最近ではかつて京葉線で用いられていた205系が4両編成に短縮され、主に宇都宮~黒磯間で運行している。対して北側の交流電化区間ではE721系や701系が2両編成単位で運用され、最大でも6両までの運用と南側より小ぶりとなっている。

通常直流電化と交流電化を跨ぐ区間では、521系(JR西日本北陸本線)やE531系(JR東日本常磐線)、TX2000系(つくばエクスプレス)、415系(JR九州山陽本線)などの交直両用車を用意したり、電力による制御をあきらめET122形(えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン)やキハ110系(JR東日本羽越本線)、亜種としてはHB-E210系(JR東日本仙石東北ライン)など気動車を用いることで代用しようとしている。これは駅構内で直流と交流を切り替えられるように設計されておらず、駅間で調整する必要があるためで、気動車が用いられている場合はもっぱら輸送量が小さい場合に限られる。これまで東北本線が黒磯を境に南側は直流専用車、北側は交流専用車で棲み分けできたのは黒磯駅構内で交直切り替えが可能だったためであり、駅構内での交直切り替えが非常に手間であり保守もままならないことから他のデッドセクション同様駅間に移すこととなった。しかし駅間に移すということは直流電化と交流電化を跨ぐ車両が必要となる。

現時点では東北本線向け交直流両用車両または気動車の新製は知らされておらず、新形式が入るとは思いにくい。交直両用車が黒磯~郡山間で運行するとなれば4運用が必要(現行の新白河・矢吹発着は従来通りE721系などの交流専用車で運行すると仮定)となり、E501系のように4編成しかないのに4運用にしては東北本線のデッドセクション区間では助けられる車両がないことから6編成は必要になるのであろう。もし平日朝のみ新白河乗り継ぎになるのであれば終日に渡り2運用で済むのであるが、それでも何かしらの車両は用意したい。もし終日黒磯~郡山間で運用に就かせるのであれば4両編成での導入が妥当だと思われ、予備車含め24両必要となるため、気動車での運用は費用対効果を見てもよくはないし、郡山車両センターに磐越東線用キハ110系列がいて整備はできるとしても、近い将来に導入される予定の電気式気動車の方に力を入れたわけであって、デッドセクションの移動に伴って従来型気動車を入れたくはないだろう。次回の2018年3月のダイヤ改正までに間に合わせたいのであれば、新車であれば今頃報道があってもおかしくないはずだ。

とはいえ東北本線にE531系を投入してしまうと、南側ではせっかく共通運用にしたE233系とE231系と別運用を組まざるを得ず運用が特にダイヤ乱れ時に厄介となり、東京から郡山までの直通運転がもし願望なのだとしたら5両編成ばかり製造させてE233系やE231系の基本編成とE531系の付属編成が連結していればいい。しかしそうはならなかったということは、常磐線のE531系比率を高めたうえでE501系10両編成を東北本線に転属させ、209系が房総各線に転用されたのと同様に短縮工事を受けて営業運転するようになるのではないだろうか。そうすれば常磐線としても運用の無駄が少なくなり、東北本線も無事低コストで交直両用車両を手に入れることができるようになるのではないだろうか。

もし黒磯駅構内直流電化化によって運用が変化する場合、工事自体は2017年12月を目途に終わるようだがダイヤ改正の反映はどうなるのだろうか。近年JR東日本仙台支社ではJR東日本本社含め他のJR線と独立してダイヤ改正を行っている。2015年は5月30日に仙石東北ライン開業により仙台駅より北側で大規模なダイヤ改正を行ったり、2016年8月26日には仙石東北ラインのうち1往復を女川乗り入れ延長するのに伴いダイヤ改正を実施したり、2016年12月10日には常磐線復旧に伴う大規模なダイヤ改正が行われている。仙台支社管内は新幹線を除き特急列車の運行が中止されておることからこのような柔軟なダイヤを組むことができ、黒磯駅が完全直流化するのであれば2018年3月より前にダイヤ改正を仙台支社独自で行う可能性もあるのではないだろうか。

3. 上野東京ライン常磐線系統も増発可能に

今回増備されているE531系は10両編成3本と5両編成2本であろうと述べたが、E501系転属関連を入れても10両編成1本が余る。この1本は一体何に使われるのであろうか。何故か常磐線の横浜乗り入れを主張する者もいるようであるが、東京~横浜間は東海道線の他に横須賀線も走っているので運行本数が多く、専用運用を組まなくてはならない常磐線E531系が横浜まで伸びるとは到底考え難い。もし万が一にもあり得るとしたら、2019年度末(2020年3月予定)の相鉄JR直通線開業により、蛇窪信号所(横須賀線と湘南新宿ラインが分岐のため平面交差する箇所)が逼迫し、横須賀線を減らさざるを得ないために東海道線を増発せざるを得ない場合くらいであろう。相鉄JR直通線が常磐線と直通する場合にはモノクラスのE231系緑の快速で十分であるからE531系の増備とは無縁と思われる。

そうなると平日朝の増発ともなるわけだが、混雑率も東京圏としてはさして高いわけではなく、地下鉄千代田線の直通する常磐緩行線の混雑の方がどちらかというと気がかりになるレベルだ。となると昼間や平日夕ラッシュ時の品川乗り入れ増発ということになるのだろうか。上野~品川間は20分あれば行けるから、1運用増やせば毎時1本を上野発着から品川発着に延長することができる。先述のE501系10両編成の置き換えが2017年E531系増備の主目的だったとしても故障に強いE531系に予備編成を1編成増やす理由がないし、E501系置き換え目的と想定すると増備されるE531系10両基本編成2本は朝に茨城県内でしか使用されない贅沢ダイヤとなっており、運行本数がそのままだとすると昼間のE531系の編成稼働率が下がることになる。そのようなことを考えると、昼間や平日夕ラッシュ時の常磐線品川乗り入れが拡大するのではないだろうか。

ではもし常磐線の品川乗り入れが増加するとして、どのように増発されるのか。現在上野東京ラインは高崎線・宇都宮線が昼間はそれぞれ毎時3本ずつあるのに対し、常磐線は特急「ひたち」「ときわ」が毎時2本乗り入れることもあり(そんなこと言ったら東京駅には東北新幹線や上越新幹線が乗り入れているが)、常磐線の料金不要列車は昼間毎時2本の乗り入れしかない。しかもそのうち毎時1本は特別快速であり、品川・新橋・東京から常磐線特別快速通過各駅(三河島・南千住・我孫子・天王台)に直通する列車は昼間毎時1本しかない。この4駅より乗降人員が少ない尾久は昼間毎時6本の東京・品川直通があるにもかかわらずだ。また足立区の中心駅である北千住からも昼間毎時2本しかなく、利便性が高いとは言えない。上野東京ラインは開業後2年を目途に増発を検討しているとしていたが、2017年3月4日の常磐線ダイヤ改正では特急「ひたち」「ときわ」を1分短縮するに過ぎなかった。そうなると上野東京ライン開業3年となる2018年3月のダイヤ改正にて常磐線普通列車の品川乗り入れ毎時3本化はあり得るのではないだろうか。

しかし昼間を増発するということは昼夕輸送力比を踏まえると平日夕ラッシュ時にも増発しなければならないということになる。現状では品川に乗り入れる常磐線は青の快速であっても緑の快速であっても原則終日15両であるが、増発するのであれば昼間の一部は10両で抑えてくるのではないだろうか。平日夕ラッシュ時においても高崎線・宇都宮線はせいぜい毎時4本ずつであって常磐線を増発するとしても品川発18時台と19時台に毎時4本にするくらいしかないのであろう。

4. 結び

今回の651系特急型車両による普通列車運用の定期化は、常磐線全面復旧に伴う運用を見据えたものとなっている。またE531系の増備は東北本線黒磯駅構内完全直流電化化の進展によるものの可能性が高く、2018年3月までに行われるJR東日本仙台支社ダイヤ改正は大きな話題となりそうだ。今後どのようになるのか見守ってゆきたいと思う。

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2017年06月28日

多頻度みずほは毎日運行でのぞみも増加! 東海道・山陽・九州新幹線臨時列車運転(2017年7月~9月夏期間)

JR東海は5月19日、プレスリリースにて2017年夏の臨時列車を公表した( http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000033979.pdf )。またJR九州も5月19日、プレスリリースにて2017年夏の臨時列車を公表した( https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2017/05/19/170519natunozouhaturesshagoannai.pdf )。前回は臨時「ひかりレールスター」について見ていたが、今回はそれ以外の列車について見ていく。

2017年8月に運行される「のぞみ」潰しの速達型「ひかりレールスター」についてはこちら!

1. 多頻度「みずほ」は全て毎日運転に

山陽・九州新幹線では前回2017年春の臨時列車で4本中3本が毎日運転の臨時列車となった多頻度「みずほ」が運行されていたが、今回の2017年夏の臨時列車公表では多頻度「みずほ」が2往復4本とも毎日運行となり、実質「みずほ」8往復が毎日運行されることとなった。JR西日本管内では北陸新幹線が「かがやき」「はくたか」で軒並み減便となったが、2017年6月のJR西日本定例記者会見では北陸新幹線は前年比3%減、山陽新幹線は8%増であることを考えると妥当なことなのであろう。

山陽新幹線内では先述の多頻度「みずほ」以外にも増発模様だ。昨年の夏の臨時列車は熊本地震による徐行の影響で「さくら」が軒並み熊本発着になるなど大きくダイヤが乱れたが、今年は山陽・九州直通「みずほ」を先述の毎日運転の臨時列車を除くと31本、山陽・九州直通「さくら」を111本、山陽新幹線内で完結するN700系8両編成による「ひかり」を49本、九州新幹線内完結「さくら」を75本運行する。

この他、JR九州では九州新幹線の曜日運転の九州新幹線内完結「さくら」は定常通り運行される。

2. 対西政策の「のぞみ」を潰されたJR東海は激高

今回は信州デスティネーションキャンペーンをJR東日本と共同で行うJR東海は、対山陽新幹線向け政策として用意した「のぞみ」を格下の「ひかりレールスター」に潰されたことにより激高。今回の2017年夏の臨時列車プレスより山陽新幹線直通「のぞみ」の表記を表から削除した。東海道新幹線は日曜運転「ひかり」と曜日運転「こだま」が従来通り運行されるなど、東海道新幹線では例年通り運行本数を昨年より1%増としている他、JR西日本のプレスによれば山陽新幹線「のぞみ」は昨年より16本増えて(1%増)1533本運行される。

山陽新幹線については「のそみ」の臨時列車をJR東海の画策により多数設定しなければならないためその他の臨時列車をなかなか設定できないでいるが(「さくら」に博多で抜かされる臨時「さくら」を設定しなければならないほど)、東北新幹線とほぼ同じ輸送量であることを考えれば山陽新幹線内だけで見ればかなり余裕のある輸送量であるように思える。東海道新幹線内での混雑均等化を図るためだと思われるが、2027年のリニア中央新幹線名古屋開業までは山陽直通「のそみ」が多数設定されるのであろう。

その他、JR東海の在来線では昨年夏は行われなかった身延線特急「ワイドビューふじかわ」の臨時列車が設定されたり、毎回恒例の臨時夜行快速「ムーンライトながら」も運行される。

3. 結び

今回の2017年夏の東海道・山陽・九州新幹線の臨時列車運行では、2017年8月に「のぞみ」潰しの速達型「ひかりレールスター」の運行などがあるものの、それ以外はJR東海が激高したくらいで内容としてはいつも通りの微増となった。速達型「ひかりレールスター」のような臨時列車が今秋・冬にも設定されるのか見守りたいと思う。

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2017年06月27日

フリーゲージトレイン導入で大幅に高速化! 露独国際列車ダイヤ改正(2016年12月11日)/International train between Berlin and Moskva speeded up at 11, Dec, 2016. by using Talgo stock.

ロシア鉄道( Russiskiye Zheleznye Dorogi )では、2016年12月11日にロシア・モスクワとドイツ・ベルリンを結ぶ国際列車にフリーゲージトレインを投入すると公表した( http://www.railjournal.com/index.php/main-line/rzd-launches-moscow-%E2%80%93-berlin-talgo-services.html )。今回はこれについて見ていく。

1. タルゴ導入で4時間30分以上スピードアップ

従来より夜行列車で結ばれていたドイツとロシアであるが、今回2016年12月11日実施の2017年冬ダイヤ改正では、スペイン製起動可変連接車両であるタルゴ9(Talgo9)を20両編成単位でロシア鉄道が導入することにより、ヨーロッパで用いられる標準軌の1435mmとロシア軌間の1520mmの両者をスムーズに切り替えられるようになり、これまでこれまでベラルーシのブレストで1時間程度かけてた台車交換を省略することに成功した。週2日の運行ではあるものの、これにより1,800km以上にも及ぶベルリン東駅からモスクワ・クールスキー駅間において、従来と比べて西行き(ベルリン行き)では4時間35分短縮されて20時間14分、東行き(モスクワ行き)では5時間21分短縮の20時間35分での運行になった。

なぜ1時間の台車交換時間しか短くなっていないはずなのに、なぜ4時間半も5時間も短縮されるのか。理由は2つある。1つはベルリン・モスクワともに発着駅が異なっている。ベルリンはベルリン中央駅発着であったし、モスクワはベラルースキー駅発着であった。これは1964年の東海道新幹線開業時に東京~大阪間が2時間30分短縮の4時間での運行となったっていうけど、実際には東京~新大阪だよねということと類似しており、ちょっとずつ運行距離を縮めて運行区間の所要時間を短くしようとしているのが1つ。もう1つは直前まで運航されていた列車がパリ北駅~モスクワ・ベラルースキー駅を走る2泊列車だったため、始発と終着駅が人の活動時間に合うように途中で時間調整を行っており、2014年6月14日まで運行されていたベルリン動物園駅~モスクワ・ベラルースキー駅間で23時間程度の運行であった。そのため実質短縮されたのは3時間弱だということになる。

2. パリ~モスクワ間の列車大幅削減

今回2017年ヨーロッパ冬ダイヤ改正は、既存のパリ~モスクワ間で運行されているTRANS EUROPEAN EXPRESS(ヨーロッパ横断列車)として2泊夜行列車を運行している。この列車は2011年から運行されているものの、遥か昔を辿れば1971年~1998年まで運行されていたOST WEST EXPRESS(東西列車)まで遡ることができ、当時は毎日運行であった。1971年に当時の西ドイツと東ドイツの間で両ドイツ基本条約締結により当時の西ドイツと東ドイツ間の往来が旅行許可証やビザがあれば可能になったことから運行が開始され、ユーロトンネルの開通した1998年に一時的に廃止されたが、その後2000年代に週2運行で復活し、2011年に専用車用を新造し週3運行とした経緯がある。

設定当初からかなり政治的な背景を含んでいる列車であるが、今回のダイヤ改正で週3往復の運行であったパリ~モスクワ間で運行されるTRANS EUROPEAN EXPRESS(ヨーロッパ横断列車)が、僅か週1往復のみの運行となった。残る週2便は今回起動可変車両タルゴによりベルリン~モスクワ間での設定に短縮されたのであるが、旧西側諸国と結ぶ列車という意味合いがあったOST WEST EXPRESS(東西列車)が削減されるのは少々名残惜しい。

ではなぜパリ~モスクワ間の2泊夜行列車を再び短縮してベルリン~モスクワ間の設定にしたのか。1つはタルゴ型客車の導入はそれなりに費用が掛かり、ロシア鉄道の費用がかさむのを恐れたから。2つ目はパリ~ベルリン間はすでにフランス高速鉄道TGVやドイツ高速鉄道ICEにより途中乗り換えが必要ながらも7時間半程度で結ぶことができる。高速鉄道走行区間をあえて1泊する必要はなく、もちろんパリ~ベルリン間の利用で夜行列車を使うのもかなりのツウでない限りなかなかしない。新幹線による寝台列車廃止は日本でも多く起こったはずだ。しかしベルリン~モスクワ間では高速新線の建設が一向に進まず、途中のポーランドは2014年にやっと開業したばかりで、独裁国家でロシアの衛星国ベラルーシは高速鉄道にほとんど興味ない。線路環境の改善が望めない中、スピードアップするためには軌間変更による台車交換時間を大幅に短縮するほかなかったのだろう。

そして3つ目の理由が政治的理由である。2014年のクリミア併合によりしびれを切らした西側諸国がG8(当時)からロシアを外したのだ。その後も冷えた関係が続いており、様々なところでひずみを生み出している。政治的理由がなぜ通じるかというと、現在ベルリンを起点とする列車は原則ベルリン中央駅を起点として運行している。このベルリン中央駅は2006年5月に開業した新しい駅で、それまではベルリン東駅、東西冷戦時代まで遡ればベルリン動物園駅との2駅を主に起点としていた。このベルリン東駅は1990年まで存在した東ドイツの首都東ベルリンの中心駅で、西ベルリンから列車を利用するにはベルリン動物園駅から利用した。現在のベルリン中央駅はベルリン動物園駅とベルリン東駅の間に位置しているが、かつての西ベルリン領内である。しかしベルリン東駅は東ベルリン領であったから冷戦中はもっぱら東側陣営であり、脱獄を防ぐために壁を築いたほどだ。以前ベルリン~モスクワ・サンクトペテルブルクなどのロシア向け国際夜行列車を運行していた際には旧西ベルリンのベルリン動物園駅から運行され、中央駅、東駅にも停車していた。かつてのOST WEST EXPRESS(東西列車)も動物園駅と東駅に停まることにより東西両ベルリンから利用可能であった。ベルリン動物園駅はベルリンが分割統治されなければ日の目を見なかった途中駅なので現在では始発駅や中心駅としての機能を中央駅に譲り国際列車は停車しなくなってしまったが、東駅始発ではなくベルリン中央駅始発にすればよかったではないか。そこを敢えて手前のベルリン東駅始発にしたことは、やはり政治的意味合いがあるのではなかろうか。むしろベルリン~パリ間を廃止にされてもおかしくなかったのではなかろうか。

とはいえ、いくらロシアが西欧諸国が憎かろうがフランス・パリ乗り入れを全面的にやめてしまえばそれはそれでまた大問題で、ヨーロッパでトップニュースになりかねない。やんわり本数を減らして週1でも残しておくことで、最低限の秩序を保とうとしているのだろう。逆にロシア国鉄がパリ乗り入れをやめたら、国際情勢的に緊張が極限まで高まる時なのではないだろうか。

3. 結び

今回2017年ヨーロッパ冬ダイヤ改正では、スペイン製起動可変客車タルゴを用いることにより、ベルリン~モスクワ間で大きく時間短縮することに成功した。タルゴは両輪が単独軸であるスペイン製車両の総称であるが、起動可変しないタルゴはカザフスタンやサウジアラビアの高速鉄道で330km/h運行がされている(または予定)などで高速鉄道市場にも参入している。とはいえ高速運行できる車両での起動可変はスペインでも難しいらしく、未だに実現していない。またロシアも周りが標準軌1435mmの鉄道で囲まれていることもあり、モスクワ~北京の直通列車も台車交換が必要となっているが、こちらはスペイン製タルゴの導入ではなく標準軌の高速鉄道を7000km整備する予定で、2021年からロシア側でも順次開業する予定でもし全線完成すれば最速で2泊3日の夜行国際高速列車が誕生する見込みだ。日本ではフリーゲージトレインの導入が遅れており、九州新幹線長崎ルートや北陸新幹線では導入を見送りすることが決まってしまった。今後高速鉄道市場とフリーゲージトレイン市場がどのように変貌していくのか見守ってゆきたいと思う。

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