2015年12月31日

札幌から東京への日帰り鉄道旅行が可能に! 「スーパー北斗」「北斗」「すずらん」ダイヤ改正(2016年3月26日)

JR北海道は18日、2016年3月26日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151218-2.pdf )。2015年最後の記事となる今回は、新幹線接続特急としての性格を新たに持つことになる「スーパー北斗」「北斗」と補完列車である「すずらん」について見ていく。

北海道新幹線のダイヤ改正についてはこのリンク先の28日の記事をご覧ください

その他の2016年3月26日各社ダイヤ改正はこちら!

1. 北海道新幹線新函館北斗開業によりアクセス増強
今回のダイヤ改正で特急「スーパー北斗」が3往復増発され、「北斗」と合わせて12往復に増強される。このうち11往復は北海道新幹線と接続する。また今回「すずらん」も1往復増発される。特急「すずらん」については「はまなす」の代替列車扱いであるが、「スーパー北斗」の増発による運用増は、車両は新製したキハ261系だと思われるが、乗務員は79本の見直しを行った普通列車から捻出したのではないだろうか?

2. ついに札幌から東京への鉄道旅行が日帰りで可能に!
今回のダイヤ改正による北海道新幹線の開業と特急「スーパー北斗」増発によるアクセス強化で東京~札幌間が9時間7分かかっていたものが下りで最速7時間44分、上りで最速7時間51分に短縮される。東京~札幌間の初終電の変化は以下の通り。
東京~札幌間初終電比較東京→札幌初電東京→札幌終電札幌→東京初電札幌→東京終電
現行6時32分発→15時59分着13時20分発→22時57分着6時36分発→16時04分着12時13分発→21時23分着
2016年3月26日以降6時32分発→14時41分着15時20分発→23時40分着6時00分発→14時04分着14時44分発→23時04分着

つまり今回のダイヤ改正で札幌から東京へ鉄道で行く際にこれまで日帰りできなかったものが、今回のダイヤ改正で1時間16分という短い時間ながらも東京に滞在して日帰りで札幌に戻ることができるようになるのである。逆の東京から札幌への日帰り旅行は可能かというと理論上できないこともないが札幌への滞在時間は僅か3分しかない。これでは観光なんて到底できないし、もはや札幌駅のホームから改札まで往復するだけでもかなり時間に余裕がない。また冬は遅延はしばしば起こり、北海道では多少遅延することはままある。もし行きの札幌行き「スーパー北斗9号」が5分遅延したらそれだけで日帰りが出来なくなってしまう。東京から札幌への日帰り鉄道旅行に挑戦したい方もいるかもしれないが、リスクも考えて旅行してほしいと思う。
ちなみに仙台~札幌間で見ていくと以下のようになる。
仙台~札幌間初終電比較仙台→札幌初電仙台→札幌終電札幌→仙台初電札幌→仙台終電
現行8時06分発→15時59分着14時54分発→22時57分着6時36分発→14時29分着14時35分発→23時01分着
2016年3月26日以降6時40分発→13時48分着16時54分発→23時40分着6時00分発→12時29分着15時39分発→23時01分着

上の表から見ると仙台~札幌間でもかなりの効果が出ており、これまで仙台から札幌への鉄道での日帰り旅行はできなかったが、ダイヤ改正により札幌に1時間49分滞在できるようになる。また札幌から仙台の鉄道での日帰りもこれまでは仙台での滞在時間は25分とトンボ帰りだったが、ダイヤ改正により4時間25分へと大幅に拡大する。4時間もあれば観光もできるし、会議も行える。今回の北海道新幹線開業は札幌視点で考えると効果はかなり高いと思える。

3. 東京~札幌間の料金は?
同ダイヤ改正プレスによると、現在「津軽海峡線の特急・急行」と「函館本線の特急・急行」を乗り継ぐ場合に適用される料金の乗り継ぎ割引は見直され、新函館北斗駅で新幹線と在来線特急を乗り継ぐ場合に適用されるようになるという。これをもとに北海道新幹線が幹線として運賃計算することと合わせて運賃・料金をダイヤ改正前後で計算すると以下のようになる。
東京~札幌間運賃料金(「はやぶさ」利用時普通車指定席通常期料金)合計
現行14,470円9,870円24,340円
2016年3月26日以降14,140円12,680円26,820円

つまり運賃については経路の変更などにより現行より330円安くなるが、これまで乗り継ぎ割引のあった「スーパー白鳥」「白鳥」については北海道新幹線になることにより乗り継ぎ割引がほぼなくなることから料金は2,810円値上がりする。この値上がり幅は東京~函館間利用時の料金値上げ幅と等しい。つまり東京~札幌間では運賃が下がる影響もあって合計額は2,480円の値上げで済むことになるものと思われる。

4. 青函急行「はまなす」の代替は列車としては特急「すずらん」だが、函館本線にも一部配慮
今回のダイヤ改正で廃止になる列車がある。それは特急「スーパー白鳥」「白鳥」と寝台特急「カシオペア」、そして青函急行「はまなす」である。「スーパー白鳥」「白鳥」については北海道新幹線が代替となるが、青函急行「はまなす」の道内区間は新幹線で代替できない。そのため、在来線列車で補完する必要があったが、札幌行き下り列車については時刻を1時間以上繰り上げる形で特急「すずらん」が代替し、上り列車についても札幌駅発時刻を合わせる形で特急「すずらん」が代替する。ただし電車特急のため客車の「はまなす」と比べて運転時間が短くなっている。
だがここで問題がある。特急「すずらん」の運行区間は札幌~東室蘭~室蘭間であり、東室蘭~函館間の代替がなされていない。つまり、その区間では代替列車は確保されなかったことになる。しかし今回、補完とまではいかないがある程度配慮がなされている。その配慮は、特急「スーパー北斗」の運転時間の拡大に表れている。
それでは特急「スーパー北斗」の初電繰り上げから見ていく。函館発札幌行きの「スーパー北斗1号」は6時22分発9時58分着だったものが6時10分発9時48分着となり、函館発で12分、札幌着で10分繰り上がる。札幌発函館行き「スーパー北斗2号」では6時36分発10時14分着が6時00分発9時27分着となり札幌発で36分、函館着で47分繰り上がる。終電も大幅に繰り下げられており、函館発札幌行きは19時14分発22時57分着から19時55分発23時40分着となり、函館発で41分、札幌着で43分繰り下げられ、札幌到着は23時台まで確保される。札幌発函館行きは19時29分発23時01分発から20時00分発23時31分着となり、札幌発で31分、函館着で30分繰り下がる。確かに青函急行「はまなす」の廃止は大きいが、特急「スーパー北斗」の運行時間帯が上下とも1時間ずつ拡大していることから、配慮はなされていると言えるだろう。もしどうしても札幌~函館間を夜行で利用したいのであれば、北海道中央バスや道南バス、北都交通などが運行する「高速はこだて号」の夜行便がある。このバスは北海道新幹線に開業により昼行便を含めて新函館北斗駅に乗り入れるようになるから( http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0218010-s.html )、こちらも利便性を上げる模様である。ただ現在急行「はまなす」が通常期でも7両あることを考えると、閑散期はバスでも事足りるかと思われるが繁忙期はバスだけでは追いつかない可能性がある。1月の第4金曜日である2016年1月22日に春の臨時列車についてJR各社から公表がある予定なので、札幌発21前後の特急「すずらん」の臨時列車も引き続き運行されるかも含めてそこで様子を見たいと思う。

5. まとめ
今回のダイヤ改正で北海道新幹線に追従する形で道南アクセスが改善されているものの、今回のダイヤ改正で夜行定期列車は「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」のみとなってしまい、ブルートレインは全滅となった。夜行列車の削減はこれでひと段落つくものと思われるが、夜行列車が経費が昼行列車よりかかることを考えると致し方ないとも思われるし、今回代替列車だけでなく他列車でもある程度配慮を行っていることから、かなり手厚い配慮が行われたと思われる。北海道から夜行列車がなくなるのは残念だが、札幌から仙台や東京への日帰り旅行を可能にしたことは北海道にとって効果は大きいと思われる。航空機にに勝つにはかなり難しいと思われるが、所要時間が短縮されれば鉄道利用者も増えることだろう。今後のダイヤ改正と臨時列車に期待したい。

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2015年12月30日

大晦日元旦終夜運転情報まとめ2015~2016

各鉄道会社では大晦日から元旦にかけて終夜運転およひ終電の繰り下げや初電の繰り上げを行う。また多くの鉄道会社は12月30日~1月3日の年末年始期間は土休日ダイヤで運行するので、利用する際には注意が必要である。以下に記載する情報はあくまで個人でまとめたものですので、詳細は各リンク先をご確認ください。この情報の誤記により損害が生じて場合でも当サイトでは補償いたしかねます。

関東地方の大晦日終夜運転および終電繰り下げ、初電繰り上げはこちら
実施鉄道会社(予定):JR東日本、京急電鉄、東急電鉄、小田急電鉄、京王電鉄、西武鉄道、東武鉄道、京成電鉄、相模鉄道、東京メトロ、東京都交通局、横浜市交通局、埼玉高速鉄道、横浜高速鉄道、つくばエクスプレス、伊豆箱根鉄道、ゆりかもめ、東京臨海高速鉄道、東京モノレール、多摩都市モノレール、横浜シーサイドライン、銚子電気鉄道

近畿地方の大晦日終夜運転および終電繰り下げ、初電繰り上げはこちら
実施鉄道会社(予定):JR西日本、阪神電鉄、山陽電鉄、阪急電鉄、能勢電鉄、京阪電鉄、近畿日本鉄道、南海電鉄、泉北高速鉄道、神戸電鉄、水間鉄道、大阪モノレール、近江鉄道、大阪市交通局、北大阪急行電鉄、京都市交通局

その他の地域の大晦日終夜運転および終電繰り下げ、初電繰り上げは以下の通り。

名古屋都市圏
近畿日本鉄道:http://www.kintetsu.co.jp/railway/Dia/newyear2016/hatumoude.html
名古屋線と山田線で普通、急行がそれぞれ約60分間隔で運行、その他特急も運行

名古屋市交通局:http://kotsuk.city.nagoya.jp/newyear/subway.cgi
東山線高畑~藤が丘間約30分間隔
名城線内回り・外回り各約30分間隔
名港線金山~名古屋港間約30分間隔
鶴舞線上小田井~赤池間約30分間隔
桜通線中村区役所~徳重間約30分間隔

名古屋市交通局はダイヤモンドクロスを実施

北海道地方
札幌市交通局:https://www.city.sapporo.jp/st/subway/route_time/27nenmatunensi.html
南北線、東西線、東豊線それぞれ終電を約2時間20分繰り下げ

函館市交通局:https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014120100074/
約15分間隔で実施

東北地方
JR東日本:http://www.jreast.co.jp/hatsumode/tohoku/index.html
東北本線で臨時列車を運行

中部地方(名古屋都市圏を除く)
JR東日本:http://www.jreast.co.jp/hatsumode/shinetsu/index.html
信越本線、弥彦線などで臨時列車を運行

長野電鉄:http://www.nagaden-net.co.jp/news/2015/12/2016.php
初詣列車を1往復運行

上田電鉄:http://www.uedadentetsu.com/2015-2016%E6%B7%B1%E5%A4%9C%E5%BB%B6%E9%95%B7%E6%99%82%E5%88%BB%E8%A1%A8.pdf
約2時間27分~3時間12分程度の終電繰り下げを実施

富山地方鉄道:http://www.chitetsu.co.jp/?p=23057
市内電車、郊外線ともに実施

富山ライトレール:http://www.t-lr.co.jp/news/news0269.html
2時間25分~2時間30分程度終電繰り下げ

北陸鉄道:http://www.hokutetsu.co.jp/archives/11133
石川線で約28~47分間隔で運行

中国地方
JR西日本岡山支社:https://www.westjr.co.jp/press/article/items/151023_04_okayama.pdf
吉備線岡山~備中高松間で約60分間隔

JR西日本広島支社:https://www.westjr.co.jp/press/article/items/151023_00_hiroshima.pdf
山陽本線広島~岩国間で約60分間隔。その他に山陽本線広島~西条間と呉線広島~呉間で1往復運行。

広島電鉄:http://www.hiroden.co.jp/topics/2015/151130_2015e.html
元旦に1往復運行

一畑電車:http://www.ichibata.co.jp/railway/topics/img-Z08105115%20%281%29.pdf
終電後に出雲大社発着の電車を3往復運行

四国地方
JR四国:http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2015102302.pdf
琴平を中心に4本運行

高松琴平電気鉄道:http://www.kotoden.co.jp/publichtm/kotoden/new/2015/konpira_reitaisai2015/index.html
琴電琴平発高松築港行きを1本運行

九州地方
JR九州:http://www.jrkyushu.co.jp/top_info/pdf/674/hatsumoude.pdf
初詣号を鹿児島本線で7往復運行

西日本鉄道:http://www.nishitetsu.co.jp/release/2015/Information/15_i_133.pdf
天神大牟田線と大宰府線で初詣号を運行。西鉄福岡(天神)~太宰府間で約30分間隔で運行。一部急行運転も実施。

福岡市交通局、JR筑肥線:http://subway.city.fukuoka.lg.jp/topics/detail.php?id=191
地下鉄は約3時間終電繰り下げ、筑肥線も1往復運行

長崎電気軌道:http://www.naga-den.com/publics/index/398/
2系統で運行、約2時間終電繰り下げ

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2015年12月29日

N700系はすべてAへ 東海道新幹線ダイヤ改正(2016年3月26日)

JR東海は2016年3月26日にダイヤ改正を行う( http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000028822.pdf )。今回はJR東海の大黒柱である東海道新幹線について見ていく。

その他の2016年3月26日各社ダイヤ改正はこちら!

1. 全てのN700系が最高時速285km対応へ
今回のダイヤ改正の目玉は、N700系の全てが改造を受け、最高時速285km対応となることである。N700系は2007年から導入されている東海道新幹線の最新型車両で、2013年から改良型であるN700Aが運行を開始しており、既存のN700系もこれの一部を反映する改造を全編成に行っている。2016年からはさらに新たな改造を加えたさらに改良型が新製される予定であり、現在運用されている編成を含めてそれの一部を反映する改造を行う予定となっている。東海道新幹線の車両寿命は13年と言われているから、初期導入車も2020年までは使い続けるものと思われる。
東海道新幹線にはN700系固定運用が「のぞみ」で毎時4本、「ひかり」で毎時1本存在する。これらのうち「のぞみ」毎時1本については2015年3月12日のダイヤ改正で3分の時間短縮が図られたためすでに最高時速285kmでの運行になっているが、残る「のぞみ」毎時3本と「ひかり」毎時1本は今回時間短縮が図られてもおかしくないはずである。にも関わらず今回のダイヤ改正ではパターンダイヤ規格時間帯では臨時の5本を除いて時刻が変わらない。このことについて見ていく。

2. 東海道新幹線ではあと4年700系は走り続ける
先ほどN700系については述べたが、東海道新幹線にはもう1つ運行されている形式がある。それは1999年に登場した700系である。700系新幹線はカモノハシのようなノーズで山陽新幹線では最高時速285kmを達成したが、東海道新幹線ではバラスト軌道で騒音が吸収されにくいことから最高時速270kmでの運行となった。だが700系も当時としては画期的な技術を搭載していた。それは、新幹線のくせに起動加速度が2.0km/h/sもあることである。この起動加速度は停止状態からどれだけの勢いで加速していくかを表しており、高ければ高いほど早く最高速度に到達し、所要時間の短縮につなげることができる。近年の普通の電車であるならば2.5km/h/sはほぼどの車両でもあるし、地下鉄なら3.3km/h/sあるのが普通である。しかし最高速度が高ければ高くなるほどギア比の関係で起動加速度が下がる傾向にあり、当時の新幹線は全て起動加速度が1.6km/h/s以下であったし、JR東日本管内を走る新幹線は今でも起動加速度は1.6km/h/sである。しかし東海道新幹線のような過密ダイヤを組まざるをえない路線では、起動加速度を上げることで遅延が減り、定時性を保つことができ、運転間隔を縮めることができる(実は2012年までこれが東海道新幹線であまり活用されていなかったことについては後述する)。こうして起動加速度が高い700系が導入され、今日でも走り続けている。
しかし技術は進歩するもので、先述の通り2007年からN700系が導入された。こちらは起動加速度が在来線並みの2.6km/h/sあり、時速270kmに達するまでの時間が285秒から180秒に短縮された。これと車体傾斜装置も活用してN700系ではさらなる時間短縮がされた。2012年に300系新幹線が引退すると車両寿命がきた車両から廃車するようになった。この廃車が完了するのは2019年度、つまり2020年3月のダイヤ改正でN700系への統一が図られることになる( http://diagramstudygroup.seesaa.net/article/429585947.html )。この頃にはパターンダイヤ規格時間帯にもスピードアップがなされるはずである。

3. ではなぜパターンダイヤ規格帯の短縮は難しいのか
東海道新幹線のパターンダイヤ規格帯は臨時列車もあらかじめ考慮されている。1時間あたり「のぞみ」10本、「ひかり」2本、「こだま」2本を裁かなくてはならない。もしすべての車両が性能が同じであるならダイヤを組むのに楽ではあるが、残念ながら700系とN700系では性能に大きな差がある。700系が300系より性能がいいことからその恩恵も一部は受けているが、700系が臨時「のぞみ」毎時5本と「ひかり」毎時1本、「こだま」毎時2本に入り得るダイヤを組んでいる間は、「のぞみ」も所要時間の制限を受けるし「こだま」も所要時間の短縮ができない。その中でN700系限定運用を設けても、前後に700系「のぞみ」がいたらのぞみ2本で一気に抜くことも考慮しなくてはならないから、難しくなってしまうのである。
一番わかりやすい例は2012年の300系引退時のダイヤ改正である。300系は晩年まで臨時「のぞみ」についており、この運用で昼間の2時間36分の壁を破れなかった。しかし300系が引退しダイヤの制約が減ったことで、臨時「のぞみ」のうち毎時4本が2時間33分での運行となった。逆に言えば、それまで300系自体もかなり運用に入っており、この時間短縮ができなかったのである。古い形式が全滅するといかにパターンダイヤに反映できるかがわかると思う。逆に言えば、古い形式が引退するまでパターンダイヤ規格時間帯の大幅な改正はないということになるかと思われる。

4. 定期列車で今回のダイヤ改正で時間短縮されるのは、パターンダイヤ以外の時間帯
今回のダイヤ改正内容について見てみる。朝は東海道新幹線で完結する「のぞみ」が上下1本ずつ3分短縮される。また静岡発新大阪行き初電「こだま」の静岡発時間2分繰り下げ、浜松発東京行き初電「こだま」の浜松発時刻2分繰り下げ、あと静岡発東京行き「こだま」の1分短縮などが挙げられる。
晩は東海道新幹線内完結の下り「のぞみ」が1本3分短縮されるほか、上りも臨時列車が1本増発される。「こだま」については東京発浜松行き最終と静岡行き最終がそれぞれ時間短縮され、到着時刻で4分繰り上がる。この効果について見ていく。
今回の「こだま」時間短縮は5本中4本が初終電である。もちろんパターンダイヤ規格時間帯ではなかったからしやすかったのだと思われるが、その効果は列車だけにとどまらない。その駅の初電が繰り下がり、終電が繰り上がれば駅自体の営業時間を短くすることができる。この手法は2007年7月1日のN700系導入に伴うダイヤ改正で行われたもので、両方向とも最終の「のぞみ」を21時18分発23時48分着から21時20分発22時45分着にすることにより、東京と新大阪でそれぞれの行き先の終電を2分繰り下げ、東京、品川、新横浜、京都、新大阪の5駅で最終列車の到着時刻を3分繰り上げたのである。これにより駅の営業時間が短くなり、すべて規模の大きな駅であるからかなりの費用節減に今日でも働いている。今回の駅業務時間の短縮予測は、

新富士 終電2分繰り上げ
静岡 初電2分繰り下げ 終電3分繰り上げ(最終列車が下りから上りに変更)
掛川 初電1分繰り下げ 終電3分繰り上げ
浜松 初電2分繰り下げ 終電4分繰り上げ

となっており、最大で6分営業時間を短縮することが出来る。どの駅も「のぞみ」の停まるような大規模な駅ではないが、この分三島発静岡行き最終電車の2分繰り下げ、および沼津と富士でそれぞれ接続する最終の御殿場行きと西富士宮行きの繰り下げ分に使われているのだと思われる。

5. 今回パターンダイヤ規格時間帯で所要時間が短縮された臨時「のぞみ」
今回のダイヤ改正で1つ気になったのは、パターンダイヤ規格時間帯であっても臨時として「例外」を作り上げたことだ。最近東京毎時20分発の「のぞみ」にN700系が集まっているのは過去の記事( http://diagramstudygroup.seesaa.net/article/429585947.html )で触れた。この記事では東京毎時20分発の「のぞみ」がN700系限定運用にすることによって所要時間を短縮する可能性が他列車と比べて高いことを述べたが、今回その列車が新大阪の到着時刻ではなく東京の発車時刻をずらすことによって11時台~15時台の臨時列車のみ実現したと言える。この臨時「のぞみ」は年間600本程度運行される見込みであると記載されているが、逆手にとれば年間少なくとも120日は2014年3月から導入している「のぞみ10本ダイヤ」は必要ないことを述べている(さらに時間帯を限れば東京発11時台なんて「のぞみ」が8本で十分な日が年間300日を超えている)。今回は臨時に限っているが、定期便に関しても多少パターンをずらす形で時間短縮は出来ないものだろうかと思った。

6. まとめ
今回の東海道新幹線のダイヤ改正は小規模で、山陽新幹線や九州新幹線にほとんど影響を与えていない。700系が残り続ける間はごく小規模なダイヤ改正にとどまると思われ、パターンダイヤ規格帯時間以外での小規模なものとなるものと思われる。2020年3月のN700系に統一されて格段にスピードアップしたダイヤの実現に向けて、より安全で快適な新幹線を目指してほしいと思った。

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2015年12月28日

風は北へ吹く。 北海道新幹線・東北新幹線ダイヤ改正(2016年3月26日)

JR北海道とJR東日本は18日、北海道新幹線開業ダイヤと東北新幹線ダイヤ改正について公表した( http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151218-2.pdf )。今回は北海道・東北新幹線のダイヤについてみていく。

※特急「スーパー北斗」「北斗」「すずらん」については追って別記事にまとめます

その他の2016年3月26日各社ダイヤ改正はこちら!

1. 北海道新幹線は最速1時間1分、最遅1時間6分
18日公開のプレスによれば、北海道新幹線は新青森~新函館北斗間ノンストップ便が定期で5往復運行され所要時間は1時間1分、各駅停車便が定期で7往復運行され所要時間は最遅1時間6分となっている。普通新幹線の停車駅が1駅増えると所要時間は4分伸びるのだが、積雪を考慮してかノンストップ便はかなり余裕を持って時間設定されていると思う。道南なので道央ほどではないが、どのように雪を凌ぐかは見ものであろう。

2. 北海道新幹線は幹線扱い
JR北海道とJR東日本は北海道新幹線の運賃・料金については10月13日にすでにプレスを出しており( https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151013-2.pdf )、仙台市内~新函館北斗間で運賃を計算したところ、現状の在来線である津軽線や海峡線、江差線は全て地方交通線であるし、山陽新幹線新岩国~徳山間の一部で地方交通線に準ずる運賃計算方法を採用しているものの、北海道新幹線の運賃は幹線扱いとなることがわかった(ちなみに東京都区内~新函館北斗間で計算すると、当該区間が幹線でも地方交通線でも運賃は変わらない)。ここで東京駅~函館駅間の北海道新幹線開業前と開業後の運賃料金比較を見てみる。

東京~函館間運賃料金(「はやぶさ」利用時普通車指定席通常期料金)合計
現行11,880円8,320円20,200円
2016年3月26日以降11,880円11,130円23,010円


つまり今回のダイヤ改正で東京駅~函館駅の移動が2,810円高くなることを意味している。幹線運賃とはいえここまで高額になるのは北海道新幹線には地方交通線による加算額以上の割増な特急料金を取っているし、JR北海道の幹線運賃自体が200kmまではJR東日本の地方交通線と同じ賃率であるため、東海道新幹線と比べると確実に運賃・料金が高いことは言うまでもない。ただJR北海道は既に北海道新幹線を割安に利用できるきっぷを導入検討しているし、JR東日本の「トクだ値」も設定されると思われる。今後の運賃展開にも期待したい。

3. 青函トンネルの供用は、列車遅延を影響させる日本最大のネットワークの誕生か?
青函トンネルはJR貨物の貨物列車とJR北海道の北海道新幹線が線路を供用する。これまでもミニ新幹線が在来線と線路を供用することはあったが、大部分で標準軌へ改軌されており貨物列車が走行することはない。しかし青函トンネルは貨物列車からしても大動脈で、道路で結ばれていない北海道と本州を陸路で結ぶ唯一の手段である。ここを通る列車は長いものでは札幌貨物ターミナル~福岡貨物ターミナルを結ぶロングラン列車もあり、この列車1本が遅れると周辺の在来線にかなり影響が出る。また東京の隅田川貨物駅への便も多数運行されていることから、首都圏への影響も出てくる。ここまでは現状もそうと言えばそうであるが、今回北海道新幹線が絡むことによりなおさら遅延が増大しかねないものと思われる。
例を挙げると、湘南新宿ラインが大幅遅延したとする。すると東北貨物線を共有しているため貨物列車にも影響が出る。すると青函トンネルで北海道新幹線にも影響が出る。新幹線は在来線との接続が取れてほしいし北海道・東北地方ではそもそも普通列車の本数が少ない。そのため函館本線や東北本線など多数の区間で接続待ちによる遅れが発生する。そして東北新幹線が遅延するとダイヤが過密な東京駅20~23番線ホームに到着する上越・北陸・山形・秋田の各新幹線に遅れが波及しまた接続する普通列車のみならず特急列車でも遅延が発生する。すると金沢で接続する「サンダーバード」や「しらさぎ」が遅れ、名古屋地区の東海道線や新快速を中心にJR京都・JR神戸線にも遅延が出かねない(そういう意味では新快速の緩急接続取りやめはJR西日本の英断だったともとれる)。つまり青函トンネルを新幹線と貨物列車が共有することで日本全国に遅延が波及しかねなくなるのである。今回の北海道新幹線開業でどこまで影響を抑えられるかは注目すべき点だと思われる。

4. 開業ダイヤは札幌重視
それでは実際の時刻について見ていく。新函館北斗行き下りで東京発基準で運行がないのは11、16、18時台、東京行き上りで新函館北斗基準で運行がないのは8、11、15時台である。11時台は東海道新幹線の臨時「のぞみ」が上り下りとも東京発、新大阪発基準で一番運行されない時間帯で、この時間の北海道新幹線の運行がないのはよくわかる。そして15時以降の東京発は定期列車が2時間毎となっており、新函館北斗発8時台も新幹線の運行がない。これは接続列車から見るに、札幌への接続がないからではないだろうか?もし新函館北斗主体であればすべて1時間毎の運行で良いが、飛行機需要が圧倒的に多いとしても190万都市の札幌相手の旅客が見込めないと難しいということなのだろう。新函館北斗で特急「スーパー北斗」「北斗」と接続することに越したことはないが、札幌~仙台間でも6時間以上かかっているとなると、需要が伸びるかと言われるとそう言い切れない点がやはり残る。ただ北海道新幹線と聞いただけで札幌まで行くと錯覚させるある一定の効果はあるかもしれない。

5. 区間運転の「はやぶさ」「はやて」も全席指定席へ
今回のダイヤ改正から、これまで自由席の設定があった仙台発着の「はやぶさ」、全席自由席の盛岡発着の「はやて」、今回新設される新青森発着の「はやて」の全てが全席指定席となる。JR東日本は2010年12月から続く仙台以北での全席指定席列車を増やす取り組みで増収を引き続き図るようだ。東北新幹線内はこれまで通り立席特急券での取扱いが残ると思われるが、北海道新幹線ではどうなるか注目な点だと思われる。

6. 今年も「はやて」の一部が「はやぶさ」格上げ
今年も2011年から続いてきたE5系・H5系の導入により、盛岡発東京行き「はやて」2本が「はやぶさ」に置き換わる。また東京6時40分発やまびこ203号、仙台9時24分発やまびこ130号の「やまびこ」1往復にも追加投入される( http://www.jr-sendai.com/wp-content/uploads/2015/12/201603daiyakaisei.pdf )。北海道・東北新幹線はE5系・H5系に統一される予定だから、今後も引き続き投入されるものと思われる。

7. まとめ
今回の北海道新幹線新函館北斗開業はまだまだ序盤で、ダイヤも今後数年間で変わる可能性もある。また整備新幹線の返済が終わる関係で2032年以降盛岡以北でもスピードアップが図れる可能性がある。札幌延伸時にどのようなダイヤになるのか、そして東京駅にその容量があるのか、今後注目すべきところだと思った。

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2015年12月27日

ふてくされた新快速 JR京都線・JR神戸線ダイヤ改正(2016年3月26日)

JR西日本は18日、2016年3月26日にダイヤ改正すると公表した。今回のダイヤ改正ではJR京都線、JR神戸線において新駅設置や路線設備改良により行う。そしてこのダイヤ改正の美点と欠点について見ていく。

その他の2016年3月26日各社ダイヤ改正はこちら!

1. JR京都線・JR神戸線で大規模改良

1.1. JR神戸線に新駅が開業
今回のダイヤ改正においてJR神戸線には2つの新駅ができる。1つは六甲道~灘間の摩耶駅、もう1つは御着~姫路間の東姫路駅である。摩耶は普通電車のみの停車、東姫路は快速電車の停車となっている。これにより摩耶駅では沿線私鉄から乗客を吸い取る狙いがあると思われる(詳しくはこちらの過去の記事を参照)。

1.2. JR京都線高槻駅の4面6線化工事の完了
そしてJR京都線高槻駅では、外側線にホームを設置し4面6線化となる。これによりホーム混雑が緩和し、ダイヤ乱れ時の早期回復にも努めることができる。また外側線にホームが設けられたことから特急「はるか」の一部が高槻駅に停車するようになった(詳しくはこちらの過去の記事を参照)。

2. 「JR京都線・JR神戸線のダイヤをリニューアル」とは
JR西日本近畿統括本部のプレス( https://www.westjr.co.jp/press/article/items/151218_02_keihanshin.pdf )によると、大阪駅基準で新快速と快速の運行間隔が昼間時間帯で均等になるらしい。また普通電車に関してもJR西日本総合のプレス( https://www.westjr.co.jp/press/article/items/151218_00_jrwest.pdf )によると6分間隔と9分間隔の交互から7分間隔と8分間隔の交互となり、こちらも均等化する。このプレスによると毎時8本三ノ宮方面がある記載をしているが、このうち半分はJR宝塚線直通で尼崎でJR東西線から来た普通電車に対面乗り換えになるのは変わらないものと思われる。
そして問題となる記載がこれである。「これまで新快速と普通が同一ホームに並び、相互にお乗換えいただけていた芦屋駅、三ノ宮駅では、改正後の新快速と普通のお乗換えは、ホームでお待ちいただくことになります。」つまり、新快速通過駅の利便性が低下するダイヤ改悪が既に指摘されていることになる。これについて次項で見ていく。

2.1. 摩耶駅開業により所要時間が長くなる見込みの普通電車
JR神戸線には摩耶駅が開業し、普通電車が停まるようになる。これにより所要時間が1分程度伸びるものと思われる。現状芦屋と三ノ宮で新快速と緩急接続を行っているが、この区間で所要時間が1分延びるとなると新快速を遅くするか緩急接続を解除するしかない(詳しくはこちらの過去の記事を参照)。しかしもしそれだけで済むなら現状のダイヤ通りにして、摩耶以西の区間だけ普通電車や快速列車の時間をずらせばよく、緩急接続の解除も三ノ宮だけで十分なはずである。だが天下の新快速は摩耶駅の工事足場に直撃されたのにふてくされたのか、芦屋での緩急接続も解除されてしまった。次項で緩急接続の時間を計算してみる。

2.2. 芦屋、三ノ宮での接続時間は?
まず始めに、快速と普通は内側線を供用しているため芦屋での緩急接続は残る。そのため新快速と普通電車の緩急接続について見ていく。
まずは芦屋。新快速の時間は変わらないであろうから、普通電車の変化のみ見る。JR西日本総合にプレスによると、現行芦屋で緩急接続するのは大阪基準で新快速の発車8分前の電車で、これが7分前に繰り下がっている。ここでは所要時間の変更はないから芦屋で新快速を降りると普通電車まで1分待つことになる。逆に三ノ宮方面行では普通電車から新快速に乗り換えられなくなる。
次に三ノ宮。こちらも新快速の時間は変わらないであろうから、普通電車の変化のみ見る。またJR西日本総合にプレスによると、現行三ノ宮で緩急接続するのは大阪基準で新快速の発車17分前の電車で、これが15分前に繰り下がっている。また摩耶駅の開業で普通電車の所要時間が延びることを考えると三ノ宮で新快速を降りると普通電車まで3分待つことになると思われる。1分程度ならまだしも3分も待つとなると元町への所要時間も伸び、私鉄に客をとられかねないと言えると思われる。

2.3. 大阪の発車時間はほぼ均等化されたが、三ノ宮は高槻は?
おさらいしよう。JR西日本近畿統括本部のプレスによると、大阪駅基準でJR京都線快速は日中の発車時刻が2分繰り上がり、JR神戸線快速は日中の発車時刻が2分繰り下がる。もし快速がJR京都線とJR宝塚線を直通するようになりJR神戸線快速は大阪発着になるということが起きれば話は別だが、JR京都線・JR神戸線に221系が運用されJR宝塚線の快速に321系がいることを考えれば不可能である。つまりこの快速電車の発車時刻のずれはJR京都線・JR神戸線双方に波及する。以下にJR京都線高槻とJR神戸線三ノ宮の大阪方面昼間時間帯発車時分の現状と予測を掲載する。

JR京都線高槻駅 大阪方面時刻表(新快速・快速)
【現行】
0113162831434658
快速新快速快速新快速快速新快速快速新快速

【2016年3月26日以降予測】
0313182833434858
快速新快速快速新快速快速新快速快速新快速

JR神戸線三ノ宮駅 大阪方面時刻表(新快速・快速)
【現行】
0811232638415356
新快速快速新快速快速新快速快速新快速快速

【2016年3月26日以降予測】
0809232438395354
新快速快速新快速快速新快速快速新快速快速


つまり、高槻から大阪に行くにはこれまで最大12分空いていた新快速および快速の間隔が10分に縮まるものと思われ、阪急京都線の10分間隔の特急とも互角以上になるものと思われるが、三ノ宮で考えるとこれまで最大12分空いていた新快速および快速の間隔が14分に広がり、実質毎時4本の利便性と変わらないものになってしまっている。これではせっかく摩耶駅を造ったのに、昼間特割きっぷの値上げも相俟って本丸の三ノ宮や神戸で阪神電車や阪急神戸線に逃げられてしまう。これでは三ノ宮や神戸からすれば明らかにダイヤ改悪であろう。この事態は何を意味するのだろうか?

2.4. 神戸・三ノ宮→大阪が実質毎時4本の利便性しかないのは悔しい。でも神戸で新快接続してくれたら嬉しいよね?
神戸での退避と言えば朝ラッシュ時の大阪方面を思い浮かべる方も多いだろう。快速が1番線に入り、新快速が2番線に入る。双方を乗り換えようとすれば階段を上り下りしなくてはいけない。これは新快速も快速もこの時間は外側線を走行しているからだ。しかし昼間時間帯は違う。新快速は外側線を使用するが、快速は内側線を使用しているため2・3番線、4・5番線での対面乗り換えが可能となる。これにより需要の多い垂水や舞子への大阪からの所要時間が7分短縮されるものと見込まれる。ただこれは神戸で新快速と快速が接続した時の話で、なかった場合には本当にダイヤ改悪でしかなくなる。かつての東急武蔵小杉駅の東横特急と目黒線急行の非公表対面接続のようなことがあれば良いのだが…

2.5. JR京都線は停車駅をリニューアルするのではなかったのか
今回のダイヤ改正で、現状高槻駅で同じホームから発車する快速と新快速が、新快速が別ホームになることにより対面乗り換えで普通電車に乗り換えられていたものができなくなる。確かに現在緩急接続しているわけでもなく、時間帯によっては高槻~京都間で各駅に停まる列車は快速しかなく、そもそも乗り換え需要がない時間帯もある。だが高槻~京都間で各駅に停まる列車が毎時8本になる時間帯を見ていくと、現在京都方面行きでの新快速から普通電車での乗り換え時間は3分である。しかし京都方面行き快速が2分繰り上がることはプレスに明記されており、内側線を共有している普通電車も時刻を変えてくるだろう。となればこの区間で京都行き普通電車も2分繰り上げる可能性がある。となると、新快速から普通電車への乗り換え時間は1分しかなくなることになる。もし対面乗り換えであれば十分可能であるが、階段の上り下りがあると難しい。今回のダイヤ改悪の内容となるだろう。
そしてこうなることを防ぐために新快速を茨木に停車させるのではなかったのだろうか。茨木は2面4線であるから普通電車との対面乗り換えができるし、阪急との競争力を増すことができる。また近隣にはサッカー場や大型商業施設もでき、需要が増えることは間違いない。にも関わらず新快速の茨木停車がなされなかったのは、すでに混雑している新快速にこれ以上乗客を集めたくなかったのではないだろうか?今回快速の運転時刻の見直しにより阪急京都線への競争力増強にはなっているから、ここで収めることにしたのではないだろうか。

3. 昼間時間帯の新快速は播州赤穂乗り入れ中止
今回のダイヤ改正で2005年から続いてきた新快速の播州赤穂の昼間時間帯の乗り入れが幕を閉じることになる(詳しくは過去のJR西日本のプレスを参照)。赤穂線では朝晩は新快速に頼りきりであるが、今回朝夕ラッシュ時については触れられていないことからこの時間帯は引き続き運用があると思われる。これまで223系や225系のような新車だったのが115系の体質改善車ならまだしも湘南色のかぼちゃになると考えるとおぞましいが、十数年後までに227系などの新型車両に置き換わると考えればそこまで辛抱するしかないのかもしれない。これにより大阪から岡山に在来線で行くのにこれまでだと昼間は新快速播州赤穂行きに乗って相生で乗り換えれば良かったが、今度から姫路と相生双方で乗り換えが必要となり、対面乗り換えとはいえ利便性が損なわれることは避けられそうになさそうだ。

4. まとめ
今回のダイヤ改正では新快速と快速相互の運転間隔が変わることにより大々的にダイヤが変わる。今回の変化は一長一短で、琵琶湖線が利用しやすくなったり大阪から高槻への移動がよくなるものの、三ノ宮から神戸から大阪に行くには不便となる。また新快速と快速が神戸で接続する保証もない。緩急接続も一部解消となったり、昼間時間帯の播州赤穂乗り入れが中止となり西側は姫路発着になるなど欠点も目立つ。今後どうなっていくのか非常に興味深いものとなった。




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2015年12月26日

Fライナー登場! 東京メトロ副都心線・東武東上線ダイヤ改正(2016年3月26日)

東京メトロは18日、日比谷線、東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、副都心線で2016年3月26日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.tokyometro.jp/news/2015/article_pdf/metroNews20151218_102.pdf )。今回は副都心線のダイヤ改正およびその直通先ついてみていく。

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1. Fライナー登場!
今回副都心線で大きく変わる点は、東急東横線とみなとみらい線、東京メトロ副都心線、西武池袋線、東武東上線でそれぞれ種別名称が異なっていた列車を「Fライナー」に統一することである( http://www.tokyometro.jp/news/2015/article_pdf/metroNews20151218_g41.pdf )。これにより「特急」「急行」「快速急行」「普通」というバラバラの種別名称を用い、「東横線内は特急」「東上線内は普通」などの表示やアナウンスを行う煩わしさや分かりにくさを解消することができる。車両側の対応はすべての10両編成電車がLEDになっているため労力はあまり必要とはしなかったものと思われるが、これを実現するために各社ともかなりの労力があったとみられる。今回はこれについてもみていく。

1.1 「東横特急」の愛称に幕を閉じる東横線
東急東横線は2001年の特急運行開始以来、「東横特急」の名称を使用してきた。運行開始当初は渋谷~桜木町間の運行で、渋谷~横浜間を27分で結んでいた。2006年には元住吉駅付近改良工事が終わり、同区間は25分に短縮される。しかしその後2013年に渋谷駅が地下に移設されたことに伴い速度制限がかかり、現在では26分に延び、サザエさんによる最速25分をアピールする広告からのるるんの湘南新宿ラインより運行本数が多くて寄り道するところが多いことを謳うアピールへと変わった。2013年の渋谷駅地下化および副都心線との直通運転開始により「東横特急」を大々的に推す広告はあまり見受けられなくなったが、今でも渋谷駅と横浜駅発車時点で「本日も東横特急をご利用いただき、ありがとうございます」というアナウンスは流れる。これもFライナー登場により分かりずらいことからこの表現も消滅することになると思われる。

1.2 臨時快速西武球場前行きはFライナーか快速か
西武鉄道では日中に副都心線直通の快速急行を運行している。この列車は2013年の東急東横線との直通運転開始によって設定されたもので、池袋発着の快速急行では停車しない練馬に停車している。このことから西武線内だけ見ても練馬に停まる停まらないで注意喚起が必要であるから、これがFライナーとなれば池袋発着の快速急行とも容易に区別が出来る。
しかしここで問題になるのが、快速急行小手指行きが西武ドームでの野球開催日に快速西武球場前行きになることである。西武線内で快速急行だからこそFライナーの呼称が用いられているのであって、快速になったらプレスの定義から外れてしまう。ただ、この臨時の行き先と種別変更のためだけにわざわざ東急東横線と東京メトロ副都心線でその日に限ってFライナーの呼称をやめ「副都心線内は急行」などの案内をするのか、疑問に残るところである。

1.3 Fライナーのために副都心線との直通を普通から急行に切り替える東上線
今回のFライナーのプレスから、東武東上線から副都心線に直通する急行が日中毎時2本運行することになった。これはFライナーが速達系統の愛称として使用するにあたり、東武東上線が各駅に止まるのではまずいという判断が下ったのだろうか?いずれにせよFライナーは東武東上線では急行運転することから、新宿や渋谷、横浜へのアクセスは時間短縮が見込まれる。ただ現状でも和光市で対面乗り換えできることから、果たしてそれほどの効果があるかと言われると疑問に残る。
ただここで1つ問題点がある。それは、東上線にはすでにTJライナーがあるということだ。TJライナーは着席料金が必要な列車で、今回のダイヤ改正で夜間の増発や朝にも運行されることが決まっている。TJライナーは東上線の集客戦略であるが、今回同じライナーを名乗るFライナーはあくまで急行のため、料金は不要である。これは時間帯がずれているのが不幸中の幸いだと思うが、しっかり周知させる必要があるのではないだろうか?

2. 副都心線の急行は平日も明治神宮前<原宿>に停車化
今回のダイヤ改正から副都心線の急行は平日も含め明治神宮前<原宿>に停車することになる。現状日中の急行はだいたい座れるし多少空席もあるから問題ないと思われる。ただこれに伴い新宿三丁目発着の各停がさらに空気輸送が増すことは否めない。この急行の明治神宮前停車化によって通勤時間帯の急行は西武池袋線直通も含めて全て通勤急行になり、通勤急行が明治神宮前に停まることはない。

3. まとめ
今回副都心線については、ダイヤ改正そのものは小幅なものとなったものの統一名称「Fライナー」の呼称の使用は画期的だと思われる。日本特有の話であるが、私鉄で儲けが出る国は世界で日本くらいしかなく、直通運転により場所により路線が変わる、運賃も会社ごとに別計算である(諸外国では地下鉄と国鉄しかないためせいぜい2つの運賃であるし、ソウルでは国鉄、地下鉄、第三セクター関わらずKTXを除く全ての路線が通しの運賃制度である)、路線図も各社ごとに書くので首都圏全体の路線図をどこの会社も配ってくれないなどの問題がある。運賃の問題の解決は不可能かと思われるか、統一路線愛称の設定や統一路線図の配布など、できるものもある。今回のFライナーの設定に際し、このような外国人を含めた利用者にとってわかりやすい鉄道を目指して欲しいと思った。

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2015年12月25日

さらば國鐵廣島! JRシティネットワーク広島ダイヤ改正(2016年3月26日)

JR西日本広島支社では2016年3月26日にダイヤ改正を行う( https://www.westjr.co.jp/press/article/items/151218_06_hiroshima.pdf )。今回は土休日ダイヤで抜本的なダイヤ改正が行われることとなり、平日昼間時間帯は227系で統一されるなど「脱國鐵廣島」を図っている。今回はその詳細と効果について見ていく。

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1. 土休日ダイヤが平日ダイヤから独立
今回のダイヤ改正では山陽本線と呉線が、これまでは平日ダイヤから数本間引く程度だったが、今回のダイヤ改正で土休日ダイヤがほぼ平日ダイヤと独立したものになる。これは100万都市を走るJRでは珍しいことで、札仙広福の中でも今回の広島が初になるものと思われる。札仙広福の私鉄、地下鉄などではとっくに行われていることから、JRが遅れをとっていたものと思われるが、今回で脱國鐵廣島が一層図られ、真に民営化したとも取れると思う。

2. 快速「シティライナー」の名称は復活するものの、これまでとは全く異なる停車駅
今回のダイヤ改正で山陽本線快速「シティライナー」が復活を果たす。しかし、以前走行していた「シティライナー」とは全く異なる列車であることに留意していただきたい。これについて詳しく見ていく。

2.1 山陽本線の利用実態は?
読者の皆さんにお尋ねしたい。広島市の中心部はどこであるかと。広島駅は新幹線が停車するため遠距離輸送の中心駅であり、周辺では開発が進んでいるものの依然広島駅自体は広島市の町はずれに位置している。では中心部はどこかというと紙屋町や八丁堀、市役所のあたりで、広島バスセンターは紙屋町のすぐそばに位置し、県庁まで200mという大都会に立地している。また広島市中心部が紙屋町や八丁堀、市役所のあたりであることの証拠にアストラムラインの起点が広島駅ではなく本通であること、広島港から発車する路面電車が広島駅行き5系統は単行運行に対し紙屋町を通る1系統は連接車であり本数もこちらが多いこと、可部線や芸備線が紙屋町を起点としていないがゆえに沿線需要を広島交通(バス)に根こそぎ取られているなど、数えればキリがない。
ただJRも手をこまねいているわけではない。赤い山陽本線は広電2系統と競合関係であり、線路環境としては圧倒的にJRが有利ではあるが紙屋町を通らないという理由で広電にもかなりの利用がある。これを少しでも解決しようとしたのが新白島駅の設置で、紙屋町を通るアストラムラインと乗り換えを可能にすることにより広島市中心部からのスピードアクセスを可能とした。新白島駅開業前から昼間では土休日の一部列車に限り8両での運行も行っていたが、これにより広島市民の利用が増えたものとみられ、今回の土休日増発につながったものと思われるが、果たして本当に広島市民の理に適っているかは次項で確認する。

2.2 広島中心部にほど近い西広島、横川、新白島をすべて通過
広島市中心部からJRを利用するには次の方法がメインである
A. 広島駅まで1系統、2系統、6系統で向かう
B. 新白島駅までアストラムラインで向かう
C. 横川駅まで7系統で向かう
D. 西広島駅(己斐)まで2系統、3系統で向かう
新幹線や呉線を利用するにはA.しかないが、緑の山陽本線はA.B.のいずれでも構わないし、赤い山陽本線であればB.C.D.がメインとなり、遠回りとなるA.の広島駅まで向かうルートはあまり使われていない。これは、現状すべての該当駅を通るJR線列車が広島、新白島、横川、西広島に停車するためできることだと考えられる。
しかし今回設定される快速「シティライナー」はこれらの各駅をすべて通過する。普通列車はその分補完されるものの増便がなされるのであれば広島市民にも利用しやすい列車設定にしてほしかったと思う。
ともなれば今回の快速「シティライナー」の再設定は広島市民のためではなく宮島への観光客向けではなかろうか?遠方からの利用客であれば新幹線や空港リムジンバスで広島駅まで向かえばよいから、新白島や横川、西広島に停車する必要がない(といっても新幹線の時刻とあまり合っていないような気がするがさておき)。実はこの列車、山陽本線を通しで運行する普通列車が広島駅で概ね5分程度停車し、その間に快速列車を発車させているため、青春18きっぷ利用者にとっては朗報になるかもしれない。またこれら広島市中心部の駅を通過する列車を増発することにより、相対的に普通列車の混雑を緩和することができる。また快速「シティライナー」は227系限定運用であり、広島市中心部にアクセスする各駅に停まらないことからほぼ全列車が3両編成での運行になるものと思われる。3両の227系といえば呉線の快速「安芸路ライナー」もあり、こちらはワンマン運転を行っている。今回赤い山陽本線区間では大幅な運用増となることから、快速「シティライナー」はワンマン運転も視野に入れているのではないだろうか?

3. 呉線快速「通勤ライナー」の格下げ
呉線でも今回大幅なダイヤ改正が見て取れる。土休日は朝8時台までに広を発車するの広島方面行き4本の快速「通勤ライナー」を除きすべての快速が「安芸路ライナー」へと格下げされる。また16時代以降平日ダイヤに沿って普通列車が多く運行されていたが、こちらも土休日に限り快速「安芸路ライナー」への変更がなされており、土休日夕ラッシュ時のパターンダイヤ化も組まれている。呉線には広島電鉄、中国JRバスなどが運行する、広島市中心部のバスセンターを発着とするクレアラインに引けを取っており、町はずれの広島駅からしか運行できない呉線はかなり抜本的なダイヤ改正を迫られたのだと思われる。

4. 227系増備による平日昼間時間帯のオール227系化
227系が増備され、ついに平日昼間時間帯のJR電車は赤一色に染まることとなった。ただ平日の運用については山陽本線は現状5両編成や6両編成が多いことを考えるとこれを少なくして3両や4両にする可能性もある。また227系自体の運行区間も東は福山まで、西は徳山まで足を延ばすことになり、JRシティネットワーク広島の全電車が227系に統一された暁には、昼間時間帯だけでも岡山や下関まで足を延ばすようになるかもしれない。
227系新型電車に統一されれば、国鉄型電車と比べて起動加速度が上がる(2.0km/h/s→2.5km/h/s)ことから昼間時間帯の所要時分が短縮される可能性もあり、乗客としても喜ばしいことではあるが、ここまで焦ってやるべきことであろうか?大阪の225系の場合、223系と共通運用を組んでいるため運用による走行距離差はほとんど生じない。しかし今回の広島のように227系で平日昼間時間帯を統一してしまうと、国鉄型車両はこの時間帯に運行が出来なくなってしまい、運用がラッシュ時に限られてしまう。つまりよく使う227系とそれ以外のあまり使わない国鉄型電車で1日平均当たりの走行距離に差が出てくる。ここまでするにはある理由があるからだと思う。
新型車両を導入するとき、これまでの車両と共通運用にするか別運用にするか迫られる。連結しない場合や両数が固定されている場合には共通運用にしてもほとんど支障は出ないが、既存の車両と連結できない場合、新型車両だけが出せるメリットを使う場合には固定運用にせざるを得なくなる。ただ、都市鉄道の場合車両寿命を均等化し、将来的に置き換える車両数をあらかじめ把握できるように共通運用にすることが多い。
ではなぜ今回は平日昼間時間帯に限ってオール227系にするという偏った固定運用を組むことになったのか。1つは前述のとおり既存の車両と連結ができないから。これは固定運用にするにはもっともな理論であるが、時間帯で分ける必要はない。当サイトで導き出した真の理由は次の2つであると思われる。
A. 227系は回生ブレーキがついているので、全列車227系とすることによりより一層の使用電力削減が図られる。
B. これまで使用してきた国鉄型車両の寿命が近く、これまで通り運用していたら227系の置き換えが完了するまで車両が持たない。
A.については一言で言えば目先の金に食らいついた形となる。運用距離を伸ばしてしまうとどうしても台車が痛み、車両寿命が短くなってしまう。とはいえ乗客としても故障が増える国鉄型車両に乗るより新型車両に乗りたいというニーズは高いであろうから、これについては双方の利益がある。B.についてはシティ電車として1970年代から導入されてきた115系などの電車の寿命がかなり来ていることを指しており、走行距離を早急に短くしなければ台車が持たないことを意味していると思う。事実今回のダイヤ改正で全ての普通電車がこれまで2ドア~4ドアまで存在したものが3ドアに統一されることになる。これは105系のうち103系から改造を受けた製造から40年以上たっている車両と115系3000番台や117系からの改造車も姿を消すことになると思われる。105系4ドア車については廃車が濃厚と思われるが、115系については岡山・山口地区での転用が考えられる。今後の車両動向に注目したいと思う。

5. まとめ
今回のJRシティネットワーク広島の脱國鐵廣島政策はかなり抜本的に行われており、1度広島地区で大幅減便があったものの土休日に限って言えばそれに匹敵する恩恵が得られていると思う。つい1年前まで國鐵廣島と言われていたものがここまで民営化されるなんて誰が想像しただろうか?今後の発展に期待できるエリアだと思った。

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2015年12月24日

快速急行大増発! 小田急電鉄ダイヤ改正(2016年3月26日)

小田急電鉄は18日、2016年3月26日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8360_8351253_.pdf )。今回は小田急電鉄のダイヤ改正について、混雑緩和や競合路線との兼ね合い、その他今回のダイヤ改正の背景について見ていく(ロマンスカーについては別記事にまとめる)。

その他の2016年3月26日各社ダイヤ改正はこちら!

1. 今回のダイヤ改正は白紙ダイヤ改正!
今回のダイヤ改正は日中時間帯では大幅に、平日夕ラッシュ時においてもダイヤ改正を行うとしている。それらについて1つずつ見ていく。

2. 日中時間帯
日中時間帯についてはこれまで30分サイクルがベースだったダイヤが、ロマンスカーも含めて20分サイクルに変化している。これらについてみていく。

2.1. 快速急行の毎時6本化
今回のダイヤ改正の日中の大きな目玉は何と言っても快速急行の毎時6本化であろう。これまでは快速急行は毎時3本で、1時間でパターンダイヤを組んでいたものの運転間隔が最大30分開くという使いづらさがあったが、今回それが一気に解消されることとなる。快速急行の内訳は小田原線系統毎時3本、江ノ島線藤沢発着毎時3本が交互に運行され、小田原線系統では毎時2本、江ノ島線系統では毎時1本増発される。小田原線系統の行き先、および混雑予想については後述する。

2.2 日中の多摩急行廃止と急行の運行形態変更
現状、小田原線系統の急行(相模大野発着含む)が新宿発着で毎時4本、千代田線直通の多摩急行が毎時2本が運行されている。これが大幅に整理され、小田原線系統の急行は毎時3本化、千代田線系統の多摩急行が急行に格下げされ毎時3本化することにより、向ケ丘遊園の利便性上昇と千代田線直通強化が図られている。これまで多摩急行は代々木上原で区間準急と接続していたが今回から快速急行への接続となる。今回のダイヤ改正で日中の多摩急行は急行に格下げされるが、平日夕ラッシュ時の多摩急行が急行に変更されてはならない理由は4.5の考察で後述する。

2.3 小田原線系統の快速急行、急行のほぼ全列車新宿乗り入れ
現状小田原線では相模大野始発の赤⚫︎急行と呼ばれる列車が毎時2本運行されており、江ノ島線系統の快速急行と接続している。これが2016年のダイヤ改正から日中では廃止され、新松田~小田原間の各駅に停まる列車は各駅停車のみとなる。赤●急行は新松田~小田原間の各駅のホーム長の関係で6両編成の運行となっているがこれが新宿乗り入れ化により10両編成化されるものと思われ、その分輸送力が増強されることとなる。小田原線系統の行き先については後述する。

2.4 江ノ島線急行の日中運行取りやめ
2016年の改正で江ノ島線系統の快速急行が日中毎時2本から毎時3本となる関係で、現在日中に毎時1本運行されている江ノ島線内で完結する急行(平日は10両編成で新宿発着、土休日は6両編成で相模大野発着)のうち江ノ島線内区間廃止される。土休日の藤沢以南については各駅停車による補完があるものと思われるが、南林間および長後の利用者は日中は各駅停車しか利用できなくなる。ただ現在の平日夕ラッシュ時のダイヤからすると江ノ島線の急行列車の設定自体はラッシュ時には残るものと思われる。

2.5 区間準急の廃止
多摩急行の運行開始とともに新宿への接続列車兼地域輸送を兼ね、名目上世田谷区から新宿へのスピードアクセスを謳っていた区間準急が今回のダイヤ改正ですべて廃止される。理由は簡単で昼間/平日夕ラッシュ比が区間準急と各駅停車を合わせると100%(適正値約60%~75%)となっており、各停とあわせて毎時8本という大盤振る舞いをしていたわけで、今回日中が毎時6本になるくらいでは地域輸送は失われないだろうし、座れなくなることもほぼありえない。快速急行の増発による運用調整だと思われるが然るべき当然の策だと思われる。この区間準急の廃止代替として多摩線内では各駅停車が補完する。

3. 平日夕ラッシュ時間帯
3.1 千代田線からの直通列車の増発
現状千代田線からの直通は平日夕ラッシュ時においても多摩急行毎時2本となっていたが、こちらが増強され準急が毎時1本増発される。これにともなう新宿発着列車の削減はないものと思われ、平日夕ラッシュ時にも増発がなされている。今回この増発が多摩急行でも急行でもなく準急である理由は4.5の考察で後述する。

4. 考察
4.1 快速急行の増発と混雑緩和効果
快速急行の増発により、混雑緩和が期待できる。しかし、その恩恵は快速急行ではなく他の種別であることをご理解いただきたい。ここでは、現状と新しいダイヤパターンでの比較により、どれだけ混雑が解消されるか検討する。

4.1.1 快速急行の混雑緩和は?
快速急行はどのような目的地の人が乗るのだろうか。退避パターンから見ていく。

4.1.1.1 下り快速急行
まずは現状から見ていく。現状下りは藤沢行きが日中毎時2本、小田原行きが毎時1本である。
藤沢行き快速急行は新百合ケ丘で多摩線各停に乗り継ぐことができ、相模大野で小田原行き赤⚫︎急行に乗り換えることができる。その他新百合ケ丘で各停本厚木行き、大和と藤沢でそれぞれで各停片瀬江ノ島行きに接続できる。現状では新百合ケ丘以西の各駅にいち早く行くことができる。しかし現状のダイヤでは欠点がある。それは、快速急行藤沢行きの発車8分前に区間準急がいることである。この区間準急は代々木上原で多摩急行に接続するため、快速急行通過駅の需要には必要である。しかし、もしあなたが新宿から新百合ケ丘に行きたいとして、12時45分に新宿に着いたとする。12時51分の区間準急を使うと代々木上原で多摩急行に乗り換えて13時17分に着く。一方12時59分発の快速急行を使うと乗り換えなしで13時20分に着く。発車14分前であれば快速急行であっても座れる可能性が高い。あまり到着時間が変わらないとすると、どちらを利用するだろうか?この迷える需要が今回の区間準急廃止と快速急行藤沢行きの8分前の列車が小田原線方面の急行となることにより解消され、その分快速急行自体の混雑が緩和されるものと思われる。また藤沢行き快速急行が日中毎時2本から毎時3本に増発されることにより、中央林間や大和では新宿からの直通列車が増え、湘南台と藤沢ではそれに加え先着も増えることから江ノ島線内での需要は下北沢発の時点でも分散するものと思われ、さらなる混雑緩和につながると思われる。ただし需要が増える要因もある。それは、ダイヤ改正後は藤沢行き快速急行が代々木上原で千代田線から来た急行唐木田行きに接続することである。小田急の東京方利用客のうち、新宿まで行くのは7割程で、残りの3割は下北沢で京王井の頭線に乗り換えたり、代々木上原から千代田線を利用している。そのため急行の利用客全てが新宿から利用するために快速急行を利用するわけではないが、新宿発の時点では現状より混雑が増す可能性がある。ただ、この急行唐木田行きへの乗り換え需要は代々木上原で対面乗り換えするはずなので代々木上原以西では現状より混雑が緩和することに変わりないものと思われる。
次いで小田原行き快速急行。こちらは新百合ケ丘で多摩線各停、小田原線各停に接続、海老名でも本厚木行き各停に接続する。相模大野でも各停片瀬江ノ島行きに接続するが、大和で後続の快速急行藤沢行きに抜かれてしまう。となると快速急行小田原行きは多摩線と小田原線の新百合ケ丘以西、および江ノ島線の相模大野~大和間の各駅で先着ということになり、藤沢行き快速急行と比べるとやや利用者が少ないのではないだろうかと思われる。ダイヤ改正後もこの接続は変わらないものと思われるから、こちらの混雑はあまり変わらないであろう。

4.1.1.2 上り快速急行
次に特に混雑が激しい上り(新宿行き)快速急行を見てみる。こちらも現状では藤沢発が日中毎時2本、小田原発が毎時1本である。
藤沢発の快速急行は現状では藤沢発車時点で7人掛けの長椅子に4人しか座っていない。ただ湘南台で座席が埋まり、大和発車時では立ち客が現れる。これは急行や各停が一応あるものの町田や相模大野で乗り換えがあること、接続に時間がかかり接続先も急行であることから、新宿、代々木上原、下北沢などに向かう際には現状毎時2本しかない快速急行に頼らざるをえない状況となっているためだと思われる。今回の改正で日中毎時3本に増発され、先述の通り乗り換えなしで行ける列車が増えることから、大和から乗車しても座れるチャンスが広がるものと思われる。大和で各停に接続し、相模大野では小田原線から来た赤●急行からも接続を受ける。そして新百合ヶ丘で多摩線各停からの接続も一応受け、下北沢までノンストップで運行する。今回のダイヤ改正後はここまででの変更はないが、代々木上原で千代田線に行く急行と接続するため、急行利用者のうち新宿へ向かう利用者が快速急行に乗り換える。そのため上りにおいても代々木上原までは現状より混雑は緩和されるが、代々木上原~新宿間だけ現状より混雑が増すのではないかと思われる。
小田原発の快速急行は現状では海老名、新百合ヶ丘で小田原線各停と接続し、多摩線各停からも接続を受ける。相模大野で江ノ島線各停からの接続も受けるが、この列車は大和で藤沢始発の快速急行に抜かれた列車である。小田原線系統の快速急行ではダイヤ改正後大幅に変わり、日中毎時3本に増えるのはもちろんのこと、小田原線各停との接続が町田のみとなる。もちろん新百合ヶ丘で待ち時間はあるものの各停から快速急行に乗り換えることができる。そして今回の大きな着目点が、新百合ヶ丘で新たに多摩線急行からの接続を受けることである。これにより先述の江ノ島線系統の快速急行が代々木上原~新宿間での混雑が多少は和らぐ一方で、これまで新百合ヶ丘で快速急行に乗り換えられなかったことから多摩線急行停車駅からの速達性が向上する。ただしその分小田原線系統の快速急行に混雑が集中するため、全体的に混雑が増すものと思われる。

4.1.2 急行は大幅に混雑緩和が期待
次に急行についてみていく。急行も混雑が激しいのは上り(新宿方面)で、小田原線や江ノ島線からきた利用者に加え、登戸や成城学園前、経堂でも客を拾うため、下北沢到着時点で快速急行を上回る大混雑になっている列車が日中に存在する。今回のダイヤ改正で日中に運行される上りの急行はすべて相模大野または新百合ヶ丘で快速急行に接続するため、下北沢以東に急ぎたい利用者は乗り換える。すると両駅発車時点で10両の急行はたち客が消えることはおろか空席までできるため、向ケ丘遊園や登戸からの急行利用で座席に座れる可能性が飛躍的に向上する。成城学園前や経堂から利用する方でも座席に座れることは出来ない可能性はまだまだあるが、相模大野以西の利用者の多くは快速急行に流れるであろうから、吊革にすら掴まれない事態はほぼ確実に避けられる見通しである。今回のダイヤ改正で急行の増発は(多摩急行の格下げを除けば)あまりないものの、快速急行の増発により相対的に大幅な混雑が解消されるものと見込まれる。

4.2 日中の新宿駅のホーム割り振り
現状ロマンスカーの新宿折り返し時分は19~21分が主で、現状ロマンスカー用線路は1本(2番線)はロマンスカー専用、もう1線(3番線、4番線共用)は快速急行や急行とうまく割り振っている。ダイヤ改正後の折り返し時間を快速急行の運行時刻から予測すると新宿着毎時11分、31分、51分着で、新宿発が毎時10分、30分、50分であることを考慮するとやはり折り返し時間は19分とってあるものと思われる。1線しか使用しないとすると入換時間が1分しかなくなるためかなりダイヤが乱れやすくなると思われる。そこで2線使用となるとパターンダイヤ維持の観点から地上ホーム3線のうち終日2線をロマンスカーが使用することになる。すると地上ホームは1線しか残らず、ここで快速急行や急行の折り返しを行うことになる。
しかしダイヤパターンを考えてみるとそれもおそらく不可能である。日中の急行は下り(町田方面)は快速急行の続行発車、上り(新宿行き)急行はすぐ後ろに快速急行がいることを考えると、どう考えても2線必要になる。そこで出てくるのが各停用の地下ホームである。新宿駅地下ホームは現状では日中は各停毎時6本と区間準急毎時2本の合計毎時8本、平日夕ラッシュ時は各停だけの毎時8本が折り返している。普通列車であれば車内清掃などがロマンスカーより簡素であり、ドアの数も多いことから折り返し時間が短縮される。ダイヤ改正後は区間準急が廃止されるから各停の毎時6本のみとなり、京王線新宿駅同様に考えると10分間隔であれば1線で足りる。つまり、地下ホーム2線のうち1線が余るのである。現状急行の発車は原則地上ホームであるが、この1線が日中の急行の発車ホームになってしまうのではないだろうか?

4.3 小田原線系統の快速急行、急行の行先は?
プレスを見てみると以下のような記述がみられる。
「小田原(新松田)発の快速急行・急行はすべて新宿行きとなります(一部を除く)。」
そして上のダイヤパターンには小田原(新松田)との記載がある。つまり、日中時間帯に新松田行きの快速急行や急行が多数運転されるということではなかろうか?
現状の新松田~小田原間の運行本数を見てみる。日中ではこの区間を通過運転する快速急行及び急行が合計毎時4本、各駅に停まる赤●急行および各停が合計毎時4本である。各駅に停まる列車については「開成~足柄は各駅停車のみの運転となります」という記述があることから、赤●急行は日中は廃止になりすべて各駅停車に置き換わるものと思われる。だがここで1つ疑問が生じる。果たしてこの区間には通過列車として毎時6本もの快速急行や急行が必要なのであるのかと。
これを解決するために昼間/平日夕ラッシュ比を見てみよう。新松田~小田原間ノンストップの快速急行及び急行は日中毎時4本、平日夕ラッシュ時毎時5本であるから80%(適正値約60%~75%)、新松田~小田原間で各駅に停まる赤●急行及び各停は日中毎時4本、平日夕ラッシュ時毎時5本であるから80%(適正値約60%~75%)となる。もしこれを計算のみで解決しようとすると新松田~小田原間ノンストップの快速急行及び急行や各駅停車はそれぞれ毎時3本ずつあれば足りてしまうこととなる。ただこれでは問題点があり、1つは近隣に伊豆箱根鉄道大雄山線がありラッシュ時含め終日毎時5本で運行しており、ラッシュ時はともかく日中毎時3本にして客離れが起きたり地域輸送性が大きく失ウェアれる可能性があるという問題。もう1つはこのプレスの表記が小田原(新松田)となっていることである。もし快速急行と急行がこの区間で合わせて毎時3本で済むのであれば、快速急行を小田原行発着とし急行は新松田発着にして新松田で全便各停小田原行きと接続させればよい。しかしこのような表記となっていることから新松田~小田原間は現状の運行本数を維持し、日中の快速急行と急行はそれぞれ毎時1本ずつが新松田発着となるのではないだろうか。

4.4 快速急行の増発による各競合路線への対抗
今回日中に快速急行が増発されたこと、平日夕ラッシュ時も準急が毎時1本増発されており、これらが周辺の強豪各線にとってどのような影響を及ぼすのか考察していく。

4.4.1 京王相模原線
小田急多摩線と京王相模原線は競合路線にあり、両社とも新宿を起点としていることからかなり熾烈な競争をしている。近年では2013年2月に京王線特急が相模原線を運行するようになり京王線新宿~京王多摩センター間を28分で結ぶようになった。その後本線特急と比べて利用者が少ないことから2015年9月より日中に関しては笹塚と千歳烏山にも停車する準特急として30分で結んでいる。これに対し小田急は対策が後手後手に回り、2001年まで多摩線を日中も運行する速達列車は存在せず、新宿相手では京王にかなわないこともあってか千代田線直通の多摩急行として需要を開拓しようとした。しかし需要の掘り起こし効果は小さいものであり、先述の通り京王の輸送改善によって小田急の客足が遠のくばかりであった。しかし今回のダイヤ改正で多摩線急行は新百合ヶ丘で快速急行新宿行きに接続が出来るようになり、新宿まで33分で行ける見通しとなる。新宿相手では勝てないが渋谷相手でも運賃は増すものの所要時分では勝てるし、千代田線への利便性は小田急の方が高い。今後どうなるか注目すべき点ではあると思われる。

4.4.2 東急田園都市線
東急田園都市線の終点中央林間は小田急江ノ島線でも行くことが出来る。東急田園都市線は沿線の需要増加が目覚ましく、2008年から土休日に限り大井町線直通急行を日中毎時2本長津田まで乗り入れを実施し、2014年から準急を日中に毎時2本追加した。いづれも長津田発着であるため中央林間への乗り入れは行わないが、既存の急行自体の混雑が緩和されたこと、大井町線直通急行や準急は長津田で各停と接続するため先着列車として機能することが挙げられる。今回の江ノ島線系統の快速急行が毎時3本になることは、ターミナル駅が新宿と渋谷で異なるとはいえ需要をある程度奪えるのではないだろうか?

4.4.3 相鉄JR直通線
相鉄JR直通線はまだ未開業であるが、今回のダイヤ改正ではその対策も見て取れるものと思われる。現在相鉄の通る海老名、大和、湘南台から新宿に向けて直通列車が走るとすれば後述の湘南新宿ラインと並ぶ新たな脅威となるものと思われ、相鉄特急が2014年から走り出したことを考えると速達列車で対抗してくることも十分考えられる。今回のダイヤ改正では日中は海老名では快速急行が日中毎時3本になり、急行もすべて相模大野で快速急行に接続するようになることからかなり平均所要時間が短くなったものと思われる。またグリーン車対策も視野に入れているのかもしれないがロマンスカーを日中毎時1本停車させることによりかなりテコ入れをしていることがうかがえる。大和、湘南台に対しても、大和はすでにロマンスカー停車駅になっていたものの今回快速急行が増強されることにより新宿へのアクセスがより速くより身近になったものだと考えられる。今回のダイヤ改正で相鉄JR直通線への対策に先手を打ったのではなかろうか?

4.4.4 湘南新宿ライン
湘南新宿ラインは2001年に開業した。当初小田急は湘南急行で対抗しようとしたが、小田原線内が急行運転であるがゆえに速達性がなく、2004年に快速急行を登場させたという経緯がある。湘南新宿ラインは新宿~藤沢間は日中毎時2本、新宿~小田原間は特別快速が日中毎時1本であり、小田急の快速急行も同様の本数で運行している。しかし今回のダイヤ改正で藤沢発着の快速急行は日中毎時3本、小田原発着の快速急行は4.3の考察を踏まえても日中毎時2本となり、速達性と利便性がこれまでより向上するものと思われる。両者とも日中なら藤沢、小田原で快速急行に確実に座れるので、それもアピールポイントにしてもらいたいと思った。

4.5 平日夕ラッシュ時の多摩急行が急行にならない訳と、千代田線直通列車の増発が急行ではなく準急な理由
今回のダイヤ改正で日中の千代田線直通の多摩急行は向ケ丘遊園に停車する急行に格下げする。しかし平日夕ラッシュ時に多摩急行を急行に変更せず、増発したのが準急であるところは着目すべき点ではなかろうか。2015年3月の小田急電鉄のダイヤ改正プレス( http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8200_8003103_.pdf )を見ていくと、平日夕ラッシュ時に快速急行が1本増発されているとともに、準急3本が急行に格上げされている。実はここに日中しか見ていないと絶対に見えない盲点が潜んでいる。平日夕ラッシュ時間帯の急行と準急の停車駅を書き並べてみると…

急行:新宿、代々木上原、下北沢、成城学園前、登戸…
準急:新宿、代々木上原、下北沢、経堂、成城学園前、登戸…(登戸から先各駅に停車)

上に書き示した通り、実は平日夕ラッシュ時において準急は急行の登戸以西をただ各駅にしただけではなく、この時間帯の急行通過駅である経堂に停車していたのである。多摩急行も終日経堂に停まるが、新宿から急行に一度乗り、代々木上原か下北沢で乗り換えなくてはならない。つまりこの2015年3月ダイヤ改正で平日夕ラッシュ時の準急が消滅したことにより、新宿から乗り換えなしで経堂に行くには各停を使わざるを得なくなったのである。
しかし今回のダイヤ改正ではある一定の改善が図られている。それが平日夕ラッシュ時の多摩急行の据え置きと千代田線からの準急増発、および急行が経堂に停車する時間帯の拡大である。この時間帯の多摩急行を急行に置き換えられては経堂にとってはいい迷惑だし、準急の増発によって千代田線から経堂へ直通する列車も増えている。さらに新宿発着の急行もさらに上下2本ずつ経堂に停車するようになることから、経堂に対してかなりの改善が図られたのではなかろうか。

5. まとめ
今回のダイヤ改正は快速急行の大増発による速達性および利便性の向上、および快速急行でも多少は図られるが特に急行において大幅な混雑緩和が見込まれる。また日中においては現在および将来の競合各線においての対策が練られており、利用客の流出防止はおろか増加も見込めるものと思われる。しかし現状の設備では限界があり、平日夕ラッシュ時の列車によっては混雑率160%以上という異例の高値を抜本的に対策するには複々線化の完了とJR常磐線との3社相互直通運転開始による千代田線への直通運転増強しかないものと思われる。その複々線化完了は2017年度(おそらく2018年春)に行われることから、それに向けてラッシュ時の大幅な利便性の向上を図ってほしいと思った。

6. 雑談
実は私は数カ月前に「鉄道ダイヤ改正ニュース」のコメント欄にて小田急のダイヤ改正予想をしており、
・快速急行が増発すること
・代々木上原~新百合ヶ丘間の日中の快速急行と急行の和は毎時12本になること
・千代田線直通優等列車の代々木上原での接続は快速急行になること
・区間準急が廃止されること
を述べており、江ノ島線での急行増発も述べていたり、今回のダイヤ改正プレスで多摩線の急行が増発されることは驚きではありましたが、過去に私が立てた予想と小田原線については大筋で一致していました。2014年6月の東急田園都市線の準急増発も、それ以前に急行が増発してほしいが23区内では各駅停車も混んでいると主張していましたし、2015年9月の京王線ダイヤ改正も、準特急の笹塚、千歳烏山停車については予想外だったものの区間急行の仙川停車についてはそれ以前に私が仙川の利便性を向上させることが主目的で日中の区間急行を快速に格下げすべきだと述べており(このままでは八幡山の退避の関係で無理ではあったのですが)、それが一部実現した形となっております。最近の車両は重さで乗客数を測れるようなので大都市交通センサスと含めてダイヤを作っているのだとは思いますが、もしかしたら当時の「鉄道ダイヤ改正ニュース」のコメント欄を見て輸送実態とダイヤの参考にしていたのかもしれませんね。

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2015年12月22日

2016年3月26日ダイヤ改正から見えてきたもの

JRグループを含む一部の鉄道各社は、18日に2016年3月26日のダイヤ改正について相次いで公表した( http://diagramstudygroup.seesaa.net/article/431281897.html )。今回は今年の公表で見えてきたものを見ていく。

1. 2016年のダイヤ改正は例年より遅い3月26日
従来であれば毎年3月のダイヤ改正は3月12日~18日の間の土曜日に行われることが通例である。これは会計年度である3月に近いことと、このダイヤ改正で新車を入れるとこれまで運用していた車両を廃車にできる十分な期間が設けられるのである。例えば2015年3月14日のダイヤ改正でJR西日本は広島地区で227系の導入をして、103系3両編成は即日廃車となり下関に運ばれ、解体された。もし4月1日を挟んでしまうと1年分の固定資産税がかかってしまうが、3月中に廃車解体を行うことにより節税を行うことができるのである。しかし今年は北海道、東北地方での廃駅やJR北海道管内での高校生の利用実態に合わせた減便などが行われたこと、および北海道新幹線が青函トンネルを在来線と共用することによりJR貨物も同日にダイヤ改正せざるをえなくなったこと、そしてそのJR貨物の影響が全国に及び、結果JRグループのみならず私鉄までダイヤ改正を3月26日となった。こちらでは固定資産税の節税はできないが利用客の年度の切り替えに近いこともあり、2017年以降ダイヤ改正日が3月の最終土曜日に切り替わる可能性もある。この点については来年以降も引き続き研究していきたいと思う。

2. ダイヤ改正掲載号は4月号に変更
これまでJRグループ3月ダイヤ改正を掲載した時刻表は、JTB、JR各時刻表ともに概ね2月25日発売の3月号であった。しかし、JR各社のプレスによると今回のダイヤ改正を掲載する時刻表は3月19日発売予定の4月号である。もちろん例年同様指定席連結列車は1か月前から指定席を取れるため特集として前月号から黄色のページに掲載されるが、それも2月号から3月号に変更となる。今回はここにも注意が必要である。

今後、各ダイヤ改正について個別記事を掲載していきますので、引き続き当鉄道ダイヤ研究会を宜しくお願い致します。

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2015年12月19日

2016年3月26日ダイヤ改正 TOPIC5

昨日18日、JR各社と一部の私鉄で2016年3月26日ダイヤ改正のプレスを一斉に公開した。本日はその各ダイヤ改正の中からよりすぐりのものを当サイトで独自に抽出・ランキング化し、少し内容を掘り下げてみる。以下の記事は今後個別に記事化いたします。

公表日当日(12月18日)のダイヤ改正内容および下記に記載のない各プレスへのリンクはこちらから

1位 快速急行昼間10分ヘッド化 小田急電鉄ダイヤ改正
プレス:http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8360_8351253_.pdf
記事:http://diagramstudygroup.seesaa.net/article/431492779.html
小田急電鉄は非常に利用者が多く、2010年現在線路1本あたりの1日利用者数が小田原線下北沢~世田谷代田間で私鉄1位を誇っている(JRを含めると山手線に次ぐ2位)。このような路線であることから昼間時間帯から快速急行を中心に非常に激しい混雑が目立ち、平日夕ラッシュ時の快速急行と一部の急行では乗車率200%超という他線における朝ラッシュ時並みの混雑ぶりを見せていた。2015年3月14日ダイヤ改正では平日夕ラッシュ時の準急が急行に格上げされたが、今回は複々線化工事完了を見据えたダイヤ改正であるためかそれをも上回る大規模な改正が行われている。
今回の目玉はなんといっても昼間時間帯の「快速急行毎時6本化」であろう。快速急行はすでに混雑しているからこれ以上増やしても混雑はあまり変わらないかもしれない。しかし無駄というわけではない。小田原線急行の利用客の多くは快速急行に流れると思われ、快速急行停車駅では増発または新宿へのアクセス向上、急行停車駅では着席チャンスが上がるものと思われる。
ただ日中しか見ないのは「木を見て森を見ず」で、よくある当たらないダイヤができる要因の1つである。平日夕ラッシュ時のダイヤも十分見る必要がある。先の東急田園都市線の「ひる準」増発時には平日夕ラッシュ時の増発がなされず、今でも乗車率150%の痛勤ラッシュが夕方以降に繰り広げられているが、今回の小田急のダイヤ改正は平日夕ラッシュ時にも増発が行われる模様である。まず1つは千代田線からの準急で、兼ねてから利用者の多かった千代田線からの直通運転を増やしている(小田急新宿駅にもう余地がないのかもしれないがそれはさておき)。またメトロホームウェイも毎時1本確保されるから、かなりテコ入れしているものと思われる。今回は昼間時間帯の快速急行大増発だけではなく平日夕ラッシュ時にも目を向けた小田急のダイヤ改正が1番よい改正であると判断した。

2位 ついに民営化 JRシティネットワーク広島ダイヤ改正
プレス:https://www.westjr.co.jp/press/article/items/151218_06_hiroshima.pdf
記事:http://diagramstudygroup.seesaa.net/article/431600160.html
人口100万人以上を擁する政令指定都市広島で、1980年代の「シティ電車」大量増発により製造された国鉄型車両を使い続け、その一方で近畿地方で余った国鉄型車両を寄せ集めていたことから、日本全国から恐れられていたあの「國鐵廣島」が、227系の短期間における大量増備による平日昼間時間帯の全列車227系化と、土休日の快速「シティライナー」復活により「民営化」を果たす。今年まで103系が運用されていたあの國鐵廣島が、たった1年でここまで様変わりするなんて誰が想像したことでしょう?しかも今回の山陽本線土休日ダイヤについてはほぼ白紙改正に近いものとなっており、ただ平日から間引くだけの土休日ダイヤからの脱皮が図られている。今回は國鐵廣島のイメージを大きく覆したJRシティネットワーク広島のダイヤ改正が2位であると判断した。

3位 Fライナー登場! 副都心線・東武東上線ダイヤ改正
プレス:http://www.tokyometro.jp/news/2015/article_pdf/metroNews20151218_g41.pdf
記事:http://diagramstudygroup.seesaa.net/article/431653500.html
3位は直通列車が多い関係で種別がややこしくなり分かりづらいことで有名な副都心線をランクイン。東急東横線では特急、副都心線では急行、西武線では快速急行となるとやはりややこしくなりがち。今回の「Fライナー」という統一愛称は、東横特急という呼称が下火になる一方でわかりやすさには優れているだろう。また「Fライナー」は登場早々から早速東上線内で急行運転されることが内定している。東武鉄道のダイヤ改正リリースが出れば2位にしたのだが、東武線内で何が起こるかまだわからないため3位とした。

4位 風は北へ吹く。 北海道新幹線開業
プレス:http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151218-2.pdf
記事:http://diagramstudygroup.seesaa.net/article/431668829.html
4位は待望の北海道新幹線をランクイン。北海道新幹線自体が特急「スーパー北斗」「北斗」や「はこだてライナー」がどうなるか注目されましたが、東北新幹線がほとんど時刻を変更しなかったことをふまえると意外と小規模で収まった感じがします。

5位 N700系はすべてAへ 東海道新幹線ダイヤ改正
プレス:http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000028822.pdf
記事:http://diagramstudygroup.seesaa.net/article/431661313.html
5位は3年ぶりの低インパクトとなった東海道新幹線をランクイン。2014年は3年間かけて行われた東京毎時33分発「ひかり」の全N700系化と所要時分短縮に伴いのぞみ10本ダイヤができ、翌2015年にはN700Aによる最高時速285km運転の「のぞみ」が運行開始となり、所要時間の短縮につなげた。今回はどうなるかと思いきや、まさかの臨時列車5本の所要時分短縮(しかも運転日による条件付きである)となった。東海道新幹線のダイヤで重要なのは臨時列車まで考えることであるが、少しずつ所要時分を短縮して2020年の全列車N700系化に向けて進んでいるのだと思い、5位にランクインした。

当サイトで決めた上位5位は以上のようになりますが、それ以外にも多くのダイヤ改正が行われる予定です。それらも含めて今後個別記事化していきますので、よろしくお願いいたします。

2016年3月のダイヤ改正プレスが未公表でもは年内に公表される可能性があります!
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posted by 快速++ at 03:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ダイヤ改正情報 | 更新情報をチェックする