2017年04月28日

昼間はどこでも毎時10本に! 東京メトロ副都心線・有楽町線ダイヤ改正(2017年3月25日)

東京メトロは、2月9日、プレスリリースにて2017年3月25日に有楽町線・副都心線にてダイヤ改正を行うと公表した( http://www.tokyometro.jp/news/images_h/c2991319d057114726eaf10aaf1f5fce_1.pdf )。今回はこれについて見ていく。

座席指定制ライナー「S-TRAIN」ついてはこちら!

1. 副都心線新宿三丁目~池袋間で増便

今回のダイヤ改正では、新宿三丁目発着の各駅停車のうち昼間運行されている列車について池袋発着に延長した。これにより東新宿・西早稲田・雑司ヶ谷の各駅からの昼間の乗車チャンスが毎時8本から毎時10本へと増え、渋谷・新宿三丁目~新線池袋間の昼間の有効本数も毎時8本(うち急行毎時4本、各停毎時4本)から毎時10本(うち急行毎時4本、各停毎時6本)へと増え、湘南新宿ラインも止まる武蔵小杉~池袋間の有効本数も昼間は毎時4本(東横特急・Fライナーのみ)から毎時6本(東横特急・Fライナー毎時4本、各停毎時2本)となり、利便性の向上が図られた。これにより東京メトロの枝線を除くすべての駅で昼間毎時10本の乗車チャンスを確保することができるようになった。今回は池袋までの延長となったが、副都心線専用ホームの設けられている要町・千川の両駅の場合は有楽町線も利用できること、有楽町線池袋駅が副都心線より便利なことから昼間毎時8本に据え置くということになったのだろう。

2. 昼間の増発は空気輸送の増大か


今回2017年3月25日ダイヤ改正で昼間は新宿三丁目~池袋間で毎時2本の増発を行ったものの、朝ラッシュ時や夕ラッシュ時は据え置きとなっている。これは車両運用数が平日朝ラッシュ≧平日夕ラッシュ>昼間となっており、昼間に増発する分にはラッシュ時にしか運用しない列車を1運用昼間にも運行するようにすれば比較的簡単にできる。しかしラッシュ時に増発しようとすると車両を新規製造しなければならない。地下鉄車両の場合1両当たり1億円では済まないので、10両編成の場合編成単位で15億円程度かかるとみていい。ラッシュ時の増発にはそれだけ費用がかかるのだ。また今回のダイヤ改正で設定された西武鉄道40000系を用いたS-TRAINの運行距離調整もふまえているとすると、今回の昼間だけ増発はあながち納得はいく。
とはいえ、今回の増発は必要な増発だったのであろうか?そこで当サイトで使用している指標である昼夕輸送力比(適正値60〜78%)で確認していく。
昼間は渋谷〜池袋間で毎時14本(うち10両編成は急行毎時4本)、平日夕ラッシュは渋谷〜新宿三丁目間が毎時16本(うち10両編成は通勤急行毎時4本と各停毎時2本)、新宿三丁目〜池袋間が毎時13本(うち10両編成は通勤急行毎時4本と各停毎時2本)であり、10両編成以外の列車は8両編成で運行される。そのため渋谷〜新宿三丁目間は昼夕輸送力比が120/140=85.7%、新宿三丁目〜池袋間は120/116=103.4%となり、ともに適切とは言えない。乗車判断した限り、昼間は急行でも空席があり、各停は東新宿で退避する東横急行が新宿三丁目以北で空気輸送となっている。ダイヤ改正前の東新宿で退避しない東横各停はちょうど席が埋まる程度だ。つまり、昼間の空気輸送が増えたということになる。これはもはや昼間の池袋発着の各停を渋谷発着にし東横線内完結列車として運行しても差し支えない程度であり(特に2016年3月26日ダイヤ改正により急行が明治神宮前に停車するようになってからは尚更)、地下鉄に入ると乗客が減ることがうかがい知れる。JR湘南新宿ラインとの競合を考えたとしても、今回の昼間を中心とした運転区間の延長は、ただ電気を浪費しているだけではなかろうか?

3. 結び


今回2017年3月25日ダイヤ改正では、西武鉄道S-TRAIN運行開始により土休日に副都心線でも運行を開始したが、副都心線自体も各駅毎時10本を確保することになった。しかしその実態は空気輸送の増大であり、銀座線01系を省エネの1000系に全て置き換えたり、千代田線6000系を環境によい16000系に置き換えたりしたところでその節約分をパーにしてしまいかねない。15分サイクルを基にした毎時10本と毎時8本ではあまり利便性が変わらないので、自己満足を満たすために環境を犠牲にするのはやめてほしいと思う。今後どのようなダイヤ改正を行うのか期待したい。

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2017年04月25日

恐れていた!東武快速の浅草復活宣言! 東武日光線臨時快速運行(2017年4月29日からのGW期間)

東武鉄道は、4月29日からゴールデンウィーク中に浅草発着の東武日光行き臨時列車を運行すると市販の時刻表で公表した。今回はこれについて見ていく。

2017年4月21日東武鉄道のダイヤ改正についてはこちら!

追加情報:掲載当日午後に公式プレスも出ました( http://www.tobu.co.jp/file/pdf/48dcbc7d0f7beb83b9a34dab51cb5362/newsletter_170425_2.pdf?date=20170425175908 )

1. 東武快速、廃止僅か9日後の復活

今回2017年4月~5月の臨時列車の運行では、浅草~東武日光間に臨時列車を2往復運行する。停車駅は浅草、とうきょうスカイツリー、北千住、春日部、東武動物公園、南栗橋、栗橋、板倉東洋大前、新大平下、栃木、新栃木、新鹿沼、下今市、東武日光であり、2017年4月21日のダイヤ改正以前に運行していた快速から南栗橋と栗橋に増停車しており、4月21日のダイヤ改正で設定された東武日光線急行・区間急行同様JR宇都宮線との接続を図ろうとしているのであろうか。運転時刻は下り列車浅草発が8時09分と9時08分で、上り列車東武日光発が15時13分と17時27分である。
これまでの臨時快速は朝の春日部→東武日光と東武日光→浅草間を1本ずつGWや秋の行楽期間に1800系6両編成を使用して運行されていたが、今回は2往復設定されており、同日運行される東武鬼怒川線臨時列車(鬼怒川線内各駅停車)も含めると最低3運用が必要となり、1編成しかない1800系では足りない。1800系の改造種別である300系はさよなら運転をしてしまったし、4両の350系は土休日は昼間に東武日光発着特急「きりふり」として運行されており、特急含め臨時列車運用に就けなくなった。また東武鬼怒川線臨時列車の上り列車が2本とも新栃木行きであることを考えると、南栗橋所属ではなく新栃木所属車になるのではなかろうか。となれば、運用されるのは6050系になるのではなかろうか。
追記(4月25日19時37分):公式プレスにて、浅草~東武日光間の臨時列車については6両編成1往復と4両編成1往復となりました。代走が発生しない限り、6両編成には1800系、4両編成には6050系が運用されることが濃厚です。

2. 分割併合無しでスピードアップ

今回運行される臨時列車は、浅草~東武日光間で運行され、鬼怒川線へは別列車で臨時に運行される。つまり下今市で10分程度かけて行われる分割併合を行うことなく東武日光に到着するのだ。そのため2017年4月20日まで運行されていた快速と比べて所要時間が短縮され、5分~8分短縮された。浅草行き上りは区間快速との比較になるのでさらに所要時分が短縮されることとなる。そして下りは11分と12分、上りは7分と6分で東武鬼怒川線列車と接続をとるため、鬼怒川温泉方面にも下今市で乗り換えればたやすく向かうことができる。特に下り1本目はこの臨時列車運行日のみに運行される臨時列車で、そのためだけに鬼怒川公園発着で運行される列車である。もし夏以降も臨時列車が継続運行されれば東武ワールドスクウェアにも向かいやすくなるのであろう。これだけの便利列車をホームページに掲載してしまうと、料金不要のこの臨時列車にある一定の旅客が流れることが必須で(いっそのこと6050系で運行しておいてかつての快速急行「だいや」のように座席指定料金600円とってもよかったのではないかとも思うがそれはさておき)、せっかく新型車両まで入れた特急需要を逃したくないのであろう。

3. 結び


先日の2017年4月21日ダイヤ改正をもって定期運行としての東武本線系統の快速・区間快速は廃止された。しかし多客期臨時列車として運行してきた快速(またはそれに準ずる列車)は1往復から2往復に増発され、しかも上り下りともに浅草発着となり利便性が向上した。多客期臨時列車は300系などを用いて特急でも2017年4月16日まで行われていたが、ダイヤ改正により土休日運転に格上げされた。東武本線快速も廃止されてしまったが、多客期臨時としての運行を増便し運行し続けるということは、利用者数次第で快速も土休日に限り復活することを示唆しているのではなかろうか?次期多客期でこの臨時列車2往復は生き残るのか、次回の東武鉄道のダイヤ改正でどうなるのか、非常に楽しみにしたい。

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2017年04月23日

接続改善&輸送力増強するも値上げの嵐 嵐電(京福電気鉄道)ダイヤ改正(2017年3月25日)

京福電気鉄道では、2月24日、プレスリリースにて2017年3月25日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.keifuku.co.jp/release/pdf/20170224_randen_dia.pdf )。今回はこれについて見ていく。

2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 西院駅の乗り継ぎ改善

今回2017年3月25日ダイヤ改正では、西院駅での乗り継ぎが改善される。これは、嵐電西院(さい)駅が阪急西院(さいいん)駅近傍に移設し、阪急西院駅の改札口・出口を新設し乗り換え時間を5分から2分程度に短縮した。これにより嵐電では阪急との接続時間見直しにより時刻を変更した。これにより昼間は四条大宮・嵐山それぞれ発でせっかく毎時0分から10分毎となったにもかかわらず、今回のダイヤ改正で4分ずれることとなった。
乗り換えが改善されたとはいえ、まだまだ便利とは言い切れない事情がある。それは、阪急西院駅には、昼間の速達種別である特急が停車しないのだ。通勤時間帯に運行される通勤特急は停車するためラッシュ時は全停車であるのだが、昼間は京都府内各駅に停まる準急しかない。阪急としては、太秦などは嵐電を利用しても構わないが、嵐山に行くなら(特に梅田からの場合)桂で乗り換えて阪急嵐山線を使ってほしいということなのだろう。

2. 嵐山本線は輸送力増強

今回のダイヤ改正では阪急との接続を改善したこともあり、嵐電では輸送力増強も今回のダイヤ改正で図った。嵐山本線では平日朝は9時台まで2両編成で運行することにより輸送力増強を図っている。また朝6時台は2本増発し、輸送力をさらに向上させる。7時台は1本減便しているものの、西大路三条始発の3本を西院始発に1駅延ばすことにより、西院駅基準では2本増発し阪急京都線との接続を改善する。
夜間についても四条大宮22時台発列車を2本増発し10分間隔とすることで、阪急と運転間隔を合わせることでこちらでも接続改善を図る。これに合わせて北野線も朝夕に増発し、帷子ノ辻での接続も改善する。

3. 強気の嵐電10円値上げ

そんな中、嵐電は2017年4月1日より普通運賃を210円から220円に値上げした( http://www.keifuku.co.jp/release/pdf/2017unkaininka.pdf )。これに伴い定期券も通勤・通学とも対キロ制から均一制に移行し、通勤定期券では割引率43%、通学定期券では69%となった。これまでは対キロ制であったが、通勤定期券割引率が15%~60%とバラつきがあり、四条大宮~嵐山間を定期利用すると1カ月に25往復しないと元が取れない状況が起こっていた。普通運賃は2001年に均一運賃化したものの、定期券が対キロ制であったために遠距離に行くほど村である状態が続いていたが、今回の運賃改定で解消されることになる。とはいえ、定期券は遠距離では30%安くなるものの、距離が短い1キロ以内で47%値上げとなる区間もあり、競合相手の少なく、均一料金のバスしかいない近距離では値上げを図り、JRなどの郊外路線と競合する遠距離では値下げを図ったものと見込まれる。また今回の運賃改定で定期券は全線定期券のみになる見込みだ。定期券利用率が落ちているのは遠距離での割高感が災いしているものと思われ、今回の運賃改定で定期券利用率を引き上げて固定客を増やそうとしているのではなかろうか。
京都は市営バスが均一230円のためまだまだバスよりは安いのであるが(らんでんカードを使用すればなおさら)、ここ数年で輸送人員が増えているにもかかわらず値上げというのはやや疑問が残る。京都市地下鉄東西線延伸による嵐電天神川駅設置やJR嵯峨野線との接続改善のための撮影所前駅設置、今回の西院駅移設などで設備投資費がかかっているのは間違いないが、朝ラッシュピーク後の増結は電気代が多少は増えるが人件費は上がらないのでランコストはさほど上がっていないはずであり、22時以降の増便(人件費25%増し)についても値上げに踏み切りほど化と言われると疑問が残る。最近バリアフリー対応車両を増備するため路面電車では値上げが相次いでいるが、嵐電はほとんどが専用軌道でホームにもかさがあるため割高な超低床電車を導入する必要はない。しかも路面電車が210円の時点で路面電車初乗り運賃が阪堺電車と函館市交通局にならび1位タイであり、220円に値上げしたことにより単独トップに躍り出てしまった。とはいえ通勤・通学定期については初乗り運賃の10円安い阪堺電車や函館市交通局より割安となっており、嵐電の観光客からの巻き上げと定期利用客保護を狙っている様子が伺える。京都は日本の一大観光地であり、京都から嵐山を結ぶ嵐電を利用する観光客も多いはずだ。今後どのようになるか注目したいところだ。

4. 結び

今回の2017年3月25日ダイヤ改正では阪急との乗り継ぎを改善し、平日朝夕に増便を図るなどの輸送改善を行った。しかし接続改善・増便・増結を図った代償として普通運賃を引き上げるなど、観光客を中心に費用負担が増えることとなった。利便性の向上にはさらなる費用が必要ということを利用者として痛感しなければならないものだと感じた。1998年以降運賃値上げが実質厳しくなった中、今後路面電車含め利用者の減った交通機関がどのような形で運行していくのか見守ってゆきたいと思う。

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2017年04月20日

朝の急行増強と初電繰り上げへ 東急田園都市線・大井町線・世田谷線・東京メトロ半蔵門線ダイヤ改正(2017年4月21日)

東急電鉄では、3月22日、プレスにて2017年4月21日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.tokyu.co.jp/file/170322-2.pdf )。今回はこれについて見ていく。

同日実施予定の東武鉄道のダイヤ改正についてはこちら!

2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 朝5時台渋谷着の急行増発


今回2017年4月21日の東急電鉄ダイヤ改正では、田園都市線に朝5時台に渋谷に到着する列車が誕生する。朝5時台に東京都区内主要駅に到着する列車としては、運行系統上必然的に快速列車や通過列車を運行しているJR東日本5方面路線を除くと小田急の海老名発急行、京王の京王八王子発特急、相鉄の海老名発急行など昼間も運行していて比較的長距離を運行している朝5時台着優等列車がある一方で、京急は神奈川新町発特急(横浜基準だと三浦海岸発特急)、東急東横線は武蔵小杉発急行、西武新宿線は本川越発準急、西武池袋線は飯能発快速、東武東上線は森林公園発準急、東武伊勢崎線は南栗橋発準急で、昼間の優等種別より遅い列車が多いがそれぞれ概ね2本ずつ朝5時台主要駅着優等列車を用意している。特に京王に関しては朝5時台新宿着が特急2本と区間急行2本であり、他大手私鉄と比べて運賃が低廉なのに2倍の本数を用意する超太っ腹ダイヤを成している。関西ではJR京都線の野洲発快速(京都~明石間内側線快速)、JR阪和線の和歌山発B快速、京阪の樟葉発準急、近鉄奈良線の近鉄奈良発区間準急、近鉄大阪線の大和八木発区間準急、近鉄南大阪線の富田林発準急、南海高野線の橋本発急行などがあるものの、南海高野線を除いて再速達よりは抑えているのはもちろんのことだが、近鉄については2012年に導入されたほとんど通過駅がない区間準急で、どちらかというと普通列車にまで格下げしたいところだが残さざるを得ない事情があるのだろう。となるとやはり関西より関東の方が朝5時台の優等列車が集まっていると言えるだろう。
そんな中、関東私鉄で朝5時台に興味が薄いのが東急と京成。京成は輸送量が小さいため押上線のみに特急が運行されているが、東急は武蔵小杉発急行のしかも1本しか運行されておらず、東横線より輸送量の多い田園都市線には運行されていなかった。それが今回やっと運行されるようになったのである。ただし今回運行されるのは長津田発渋谷行きの急行で、半蔵門線には直通しない。半蔵門線へは鷺沼で連絡する長津田始発の各駅停車(初電)に乗り換えるほかなく、あくまで渋谷までの輸送しか考えていないらしい。東急電鉄としてはオフピーク通勤の促進もあるのだろうが、朝5時台の急行をこれまで運行していなかったのはやはりブラック鉄道だったと言わざるを得ないだろう。
東急電鉄自体大手私鉄の中で1,2を争う超優良企業なのだが、利用客にとってはこと違う。東急田園都市線は関東私鉄でTOP3に入る混雑路線にもかかわらず大井町線の溝の口延伸という小手先作戦を行った結果失敗し、結局三軒茶屋から東急バスに振り替えさせることによって混雑を緩和しようとしたり、昼間こそ2014年からひる準を運行させるようにはなったものの平日夕ラッシュ時は他私鉄の朝ラッシュ時並みの混雑で乗客を無理強いさせるなど(しかも乗客がその混雑度に「朝よりマシ」と言っている時点で感覚がマヒしている悲劇も起きているらしい)、もはや乗客なおざりで収益を得ているブラック鉄道なのである。確かに多摩田園都市があそこまで大ヒットするとはだれも思っていなかったのは疑いようのない事実だが、大当たりだったのであれば、しかも加算運賃まで設けていたのであるから乗客から得た収益を複々線化などの田園都市線の抜本的混雑緩和に充てるべきなのである。東横線だって2013年に副都心線と直通するようになってから平日朝ラッシュの通勤特急・急行は25%輸送力アップの10両編成に統一されたからまだしも、それまでは東横線も田園都市線ほどではないものの大混雑をしていた。2010年代から徐々に緩和されては来ているものの、そのきっかけが主に東京メトロとの直通運転の増加など外から影響されていることが極めて多く、小田急のような大規模な複々線化や京王の積極的増発のような自発的行動とは程遠いものを感じる。2020年までに田園都市線をオフピークに急行を増発するようだが、それだけではラッシュ時対策は不十分であり、今後の対策に希望を感じたい。

2. 大井町線は微調整ながらも来年には7両化


今回のダイヤ改正では東急大井町線はわずかながらの時刻調整にとどまった。これには2017年度下期より大井町線急行を7両化するため( http://www.tokyu.co.jp/file/170322-1.pdf )、これにより朝の急行列車の輸送力が16%増加し混雑緩和が見込まれるためである。田園都市線から乗客を移す小手先作戦は不十分に終わったが、大井町線に急行が走ること自体に価値が生まれつつあるのだろう。また土休日昼間は田園都市線長津田まで直通運転し、各停ふくめ10両がほとんどの田園都市線内では混雑を極めていた。今回のダイヤ改正で大井町線内だけではなく土休日の田園都市線の混雑も解消されるということは次回2018年3月頃の1つの目玉となりそうだ。また、将来的に東急目黒線の相鉄直通化に伴う急行8両化にも期待が持てそうだ。

3. 田園都市線・世田谷線で初電繰り上げ


今回のダイヤ改正では東急田園都市線と東急世田谷線の初電時刻の繰り上げが行われる。田園都市線は先述の朝5時台着急行の運行開始により鷺沼で待避を受ける長津田発初電が5分繰り上げになるものの、その5分後には急行が運行されるから影響は小さそうだ。その他渋谷方面行きでは数分単位で初電が繰り上がり、それに追従する形で東急世田谷線の初電も繰り上げる。

4. 結び


今回のダイヤ改正では、東武鉄道では6050系の浅草乗り入れ中止や300系の廃止などダイヤ大改正となっているが、東急田園都市線では早朝に急行を増発する程度で他は小規模にとどまった。2018年より新型車両2020系( http://www.tokyu.co.jp/file/170317.pdf )を投入し既存の8500系を順次廃止していくものとおもわれるが、地下鉄直通車両ということもあり拡張車体を導入できないことから抜本的な混雑率緩和対策にはなりにくい。今後のダイヤ改正に注目したい。

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2017年04月14日

プレミアムカー新設とライナー導入へ 京阪電鉄ダイヤ改正(2017年8月20日)

京阪電鉄では、3月30日、プレスにて2017年8月20日にプレミアムカー増結とライナー運行開始に伴うダイヤ改正を行うと公表した( https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2017-03-30_%E2%91%A0premiumcar.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. プレミアムカーに料金設定
今回2017年8月20日のダイヤ改正では京阪初の座席指定車両「プレミアムカー」を8000系京阪特急に連結することとなった。現在京阪特急は7両に短縮されているが、6号車に「プレミアムカー」を連結し各種車内サービスを行う。料金は淀屋橋~京橋と中書島~出町柳の各駅間を利用するいわゆる京阪通し利用の場合には500円、それ以外の中間利用の場合は400円となる。中書島は京都からやや離れている気もするが、乗り換えて宇治に行けることから通し利用扱いにしたのだろう。これは例えるならJR北海道の快速「エアポート」のuシートような1両だけ座席指定サービスを札幌~新千歳空港間の37分を520円で味わえる。これは京阪京橋~三条間の45分500円ともほぼ似合う。このように1両だけというのは非常に効率的で、南海特急「サザン」のように指定席4両・自由席4両としてしまうと自由席だけが混雑し指定席が空気輸送になるのは自明である。特に京阪は関西三大都市のうち2都市を結んでいることから、輸送量が多いことも1両のみの導入に結び付けたのであろう。訪日外国人が増えてもジャパンレールパスによって率先してJRを使われているようでは京阪の増収にはならない(もっというとジャパンレールパスが格安すぎるのでJRにもあまり利益になっていない不幸な事実もあるようだ)。そのため運賃とほぼ同額のプレミアムカー料金を設定することで、高級志向の阪急や、スピード志向のJRの新快速から客を取りたいのであろう。

2. 平日朝は「ライナー」で着席通勤
今回のダイヤ改正では、「プレミアムカー」を連結した8000系を用いて平日朝に「ライナー」を運行することとなった( https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2017-03-30_%E2%91%A1liner.pdf )。近年関東大手私鉄では京急「ウイング号」、西武「S-TRAIN」、東武「TJライナー」などが相次いで朝時間帯に着席保証列車を運行しており、2018年3月から小田急でも行われようとしている。このように2010年代は朝の着席保証列車の設定が私鉄で盛んな年であり、関西では南海・泉北高速の「泉北ライナー」も2015年から運行を開始している。阪急はすでに高貴な印象を与えることにより優位性を持ってきたようであるが、今回京阪は新規で「ライナー」を導入することになった。今回使用される車両は原則昼間は料金不要列車として運行されており、クロスシートでの運行となるから京急モーニング・ウイング号の2100系に近いような運用となるのだろうか。
今回導入される京阪「ライナー」は、かつての朝の座席指定制ライナーにはない特徴を持つ。それは、乗車駅が原則1駅しかないこと。京急「ウイング号」、西武「S-TRAIN」、東武「TJライナー」、どれも複数設定された乗車駅ごとに車両を区切ってドアカットしたり、発売座席数を制限したりしている。西武・東武は特急列車を別途運行しているからシステム導入は苦ではないが、京急のように整理券のみで対処していたところから座席指定制にするとそれなりのコストがかかる。そのため京阪では乗車駅を1駅に設定することにより、低導入費用で着席を確実にしトラブルを防ごうと考えたのではなかろうか。
京阪「ライナー」の始発駅は1本目は枚方市、2本目は樟葉で、京橋までノンストップである。大阪エリア内は料金不要で乗降できる。とはいえこのエリア、競合する鉄道路線はほぼないと言っていい地域。せいぜいかつての「おりひめ」「ひこぼし」のように京阪交野線と直通すればJR学研都市線との競合かともとれるが、そうとも言い難い(ちなみにJR学研都市線は付近に競合私鉄路線が少ないためかJR西日本内で混雑率最高の121%を記録している)。特に2本目の樟葉始発がなおさら謎で、京都府内沿線エリアからの需要がそこまで大きいのか気になるところでもある。ホームライナーの場合は間合い運用により列車そのものの着席率に高い目標を設定しないことも多いが、今回この京阪「ライナー」がどのような利用実態となるのか注目である。

3. 結び
今回2017年8月20日の京阪電鉄ダイヤ改正では、時刻変更は小規模ながらも京阪特急へのプレミアムカー新設と朝の「ライナー」導入をもたらした。今後京阪間の輸送がどうなるのか、京阪沿線のみを対象とした「ライナー」が生き残れるのか、注目したいところである。

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