2017年04月25日

恐れていた!東武快速の浅草復活宣言! 東武日光線臨時快速運行(2017年4月29日からのGW期間)

東武鉄道は、4月29日からゴールデンウィーク中に浅草発着の東武日光行き臨時列車を運行すると市販の時刻表で公表した。今回はこれについて見ていく。

2017年4月21日東武鉄道のダイヤ改正についてはこちら!

追加情報:掲載当日午後に公式プレスも出ました( http://www.tobu.co.jp/file/pdf/48dcbc7d0f7beb83b9a34dab51cb5362/newsletter_170425_2.pdf?date=20170425175908 )

1. 東武快速、廃止僅か9日後の復活

今回2017年4月~5月の臨時列車の運行では、浅草~東武日光間に臨時列車を2往復運行する。停車駅は浅草、とうきょうスカイツリー、北千住、春日部、東武動物公園、南栗橋、栗橋、板倉東洋大前、新大平下、栃木、新栃木、新鹿沼、下今市、東武日光であり、2017年4月21日のダイヤ改正以前に運行していた快速から南栗橋と栗橋に増停車しており、4月21日のダイヤ改正で設定された東武日光線急行・区間急行同様JR宇都宮線との接続を図ろうとしているのであろうか。運転時刻は下り列車浅草発が8時09分と9時08分で、上り列車東武日光発が15時13分と17時27分である。
これまでの臨時快速は朝の春日部→東武日光と東武日光→浅草間を1本ずつGWや秋の行楽期間に1800系6両編成を使用して運行されていたが、今回は2往復設定されており、同日運行される東武鬼怒川線臨時列車(鬼怒川線内各駅停車)も含めると最低3運用が必要となり、1編成しかない1800系では足りない。1800系の改造種別である300系はさよなら運転をしてしまったし、4両の350系は土休日は昼間に東武日光発着特急「きりふり」として運行されており、特急含め臨時列車運用に就けなくなった。また東武鬼怒川線臨時列車の上り列車が2本とも新栃木行きであることを考えると、南栗橋所属ではなく新栃木所属車になるのではなかろうか。となれば、運用されるのは6050系になるのではなかろうか。
追記(4月25日19時37分):公式プレスにて、浅草~東武日光間の臨時列車については6両編成1往復と4両編成1往復となりました。代走が発生しない限り、6両編成には1800系、4両編成には6050系が運用されることが濃厚です。

2. 分割併合無しでスピードアップ

今回運行される臨時列車は、浅草~東武日光間で運行され、鬼怒川線へは別列車で臨時に運行される。つまり下今市で10分程度かけて行われる分割併合を行うことなく東武日光に到着するのだ。そのため2017年4月20日まで運行されていた快速と比べて所要時間が短縮され、5分~8分短縮された。浅草行き上りは区間快速との比較になるのでさらに所要時分が短縮されることとなる。そして下りは11分と12分、上りは7分と6分で東武鬼怒川線列車と接続をとるため、鬼怒川温泉方面にも下今市で乗り換えればたやすく向かうことができる。特に下り1本目はこの臨時列車運行日のみに運行される臨時列車で、そのためだけに鬼怒川公園発着で運行される列車である。もし夏以降も臨時列車が継続運行されれば東武ワールドスクウェアにも向かいやすくなるのであろう。これだけの便利列車をホームページに掲載してしまうと、料金不要のこの臨時列車にある一定の旅客が流れることが必須で(いっそのこと6050系で運行しておいてかつての快速急行「だいや」のように座席指定料金600円とってもよかったのではないかとも思うがそれはさておき)、せっかく新型車両まで入れた特急需要を逃したくないのであろう。

3. 結び


先日の2017年4月21日ダイヤ改正をもって定期運行としての東武本線系統の快速・区間快速は廃止された。しかし多客期臨時列車として運行してきた快速(またはそれに準ずる列車)は1往復から2往復に増発され、しかも上り下りともに浅草発着となり利便性が向上した。多客期臨時列車は300系などを用いて特急でも2017年4月16日まで行われていたが、ダイヤ改正により土休日運転に格上げされた。東武本線快速も廃止されてしまったが、多客期臨時としての運行を増便し運行し続けるということは、利用者数次第で快速も土休日に限り復活することを示唆しているのではなかろうか?次期多客期でこの臨時列車2往復は生き残るのか、次回の東武鉄道のダイヤ改正でどうなるのか、非常に楽しみにしたい。

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2017年04月23日

接続改善&輸送力増強するも値上げの嵐 嵐電(京福電気鉄道)ダイヤ改正(2017年3月25日)

京福電気鉄道では、2月24日、プレスリリースにて2017年3月25日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.keifuku.co.jp/release/pdf/20170224_randen_dia.pdf )。今回はこれについて見ていく。

2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 西院駅の乗り継ぎ改善

今回2017年3月25日ダイヤ改正では、西院駅での乗り継ぎが改善される。これは、嵐電西院(さい)駅が阪急西院(さいいん)駅近傍に移設し、阪急西院駅の改札口・出口を新設し乗り換え時間を5分から2分程度に短縮した。これにより嵐電では阪急との接続時間見直しにより時刻を変更した。これにより昼間は四条大宮・嵐山それぞれ発でせっかく毎時0分から10分毎となったにもかかわらず、今回のダイヤ改正で4分ずれることとなった。
乗り換えが改善されたとはいえ、まだまだ便利とは言い切れない事情がある。それは、阪急西院駅には、昼間の速達種別である特急が停車しないのだ。通勤時間帯に運行される通勤特急は停車するためラッシュ時は全停車であるのだが、昼間は京都府内各駅に停まる準急しかない。阪急としては、太秦などは嵐電を利用しても構わないが、嵐山に行くなら(特に梅田からの場合)桂で乗り換えて阪急嵐山線を使ってほしいということなのだろう。

2. 嵐山本線は輸送力増強

今回のダイヤ改正では阪急との接続を改善したこともあり、嵐電では輸送力増強も今回のダイヤ改正で図った。嵐山本線では平日朝は9時台まで2両編成で運行することにより輸送力増強を図っている。また朝6時台は2本増発し、輸送力をさらに向上させる。7時台は1本減便しているものの、西大路三条始発の3本を西院始発に1駅延ばすことにより、西院駅基準では2本増発し阪急京都線との接続を改善する。
夜間についても四条大宮22時台発列車を2本増発し10分間隔とすることで、阪急と運転間隔を合わせることでこちらでも接続改善を図る。これに合わせて北野線も朝夕に増発し、帷子ノ辻での接続も改善する。

3. 強気の嵐電10円値上げ

そんな中、嵐電は2017年4月1日より普通運賃を210円から220円に値上げした( http://www.keifuku.co.jp/release/pdf/2017unkaininka.pdf )。これに伴い定期券も通勤・通学とも対キロ制から均一制に移行し、通勤定期券では割引率43%、通学定期券では69%となった。これまでは対キロ制であったが、通勤定期券割引率が15%~60%とバラつきがあり、四条大宮~嵐山間を定期利用すると1カ月に25往復しないと元が取れない状況が起こっていた。普通運賃は2001年に均一運賃化したものの、定期券が対キロ制であったために遠距離に行くほど村である状態が続いていたが、今回の運賃改定で解消されることになる。とはいえ、定期券は遠距離では30%安くなるものの、距離が短い1キロ以内で47%値上げとなる区間もあり、競合相手の少なく、均一料金のバスしかいない近距離では値上げを図り、JRなどの郊外路線と競合する遠距離では値下げを図ったものと見込まれる。また今回の運賃改定で定期券は全線定期券のみになる見込みだ。定期券利用率が落ちているのは遠距離での割高感が災いしているものと思われ、今回の運賃改定で定期券利用率を引き上げて固定客を増やそうとしているのではなかろうか。
京都は市営バスが均一230円のためまだまだバスよりは安いのであるが(らんでんカードを使用すればなおさら)、ここ数年で輸送人員が増えているにもかかわらず値上げというのはやや疑問が残る。京都市地下鉄東西線延伸による嵐電天神川駅設置やJR嵯峨野線との接続改善のための撮影所前駅設置、今回の西院駅移設などで設備投資費がかかっているのは間違いないが、朝ラッシュピーク後の増結は電気代が多少は増えるが人件費は上がらないのでランコストはさほど上がっていないはずであり、22時以降の増便(人件費25%増し)についても値上げに踏み切りほど化と言われると疑問が残る。最近バリアフリー対応車両を増備するため路面電車では値上げが相次いでいるが、嵐電はほとんどが専用軌道でホームにもかさがあるため割高な超低床電車を導入する必要はない。しかも路面電車が210円の時点で路面電車初乗り運賃が阪堺電車と函館市交通局にならび1位タイであり、220円に値上げしたことにより単独トップに躍り出てしまった。とはいえ通勤・通学定期については初乗り運賃の10円安い阪堺電車や函館市交通局より割安となっており、嵐電の観光客からの巻き上げと定期利用客保護を狙っている様子が伺える。京都は日本の一大観光地であり、京都から嵐山を結ぶ嵐電を利用する観光客も多いはずだ。今後どのようになるか注目したいところだ。

4. 結び

今回の2017年3月25日ダイヤ改正では阪急との乗り継ぎを改善し、平日朝夕に増便を図るなどの輸送改善を行った。しかし接続改善・増便・増結を図った代償として普通運賃を引き上げるなど、観光客を中心に費用負担が増えることとなった。利便性の向上にはさらなる費用が必要ということを利用者として痛感しなければならないものだと感じた。1998年以降運賃値上げが実質厳しくなった中、今後路面電車含め利用者の減った交通機関がどのような形で運行していくのか見守ってゆきたいと思う。

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2017年04月20日

朝の急行増強と初電繰り上げへ 東急田園都市線・大井町線・世田谷線・東京メトロ半蔵門線ダイヤ改正(2017年4月21日)

東急電鉄では、3月22日、プレスにて2017年4月21日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.tokyu.co.jp/file/170322-2.pdf )。今回はこれについて見ていく。

同日実施予定の東武鉄道のダイヤ改正についてはこちら!

2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 朝5時台渋谷着の急行増発


今回2017年4月21日の東急電鉄ダイヤ改正では、田園都市線に朝5時台に渋谷に到着する列車が誕生する。朝5時台に東京都区内主要駅に到着する列車としては、運行系統上必然的に快速列車や通過列車を運行しているJR東日本5方面路線を除くと小田急の海老名発急行、京王の京王八王子発特急、相鉄の海老名発急行など昼間も運行していて比較的長距離を運行している朝5時台着優等列車がある一方で、京急は神奈川新町発特急(横浜基準だと三浦海岸発特急)、東急東横線は武蔵小杉発急行、西武新宿線は本川越発準急、西武池袋線は飯能発快速、東武東上線は森林公園発準急、東武伊勢崎線は南栗橋発準急で、昼間の優等種別より遅い列車が多いがそれぞれ概ね2本ずつ朝5時台主要駅着優等列車を用意している。特に京王に関しては朝5時台新宿着が特急2本と区間急行2本であり、他大手私鉄と比べて運賃が低廉なのに2倍の本数を用意する超太っ腹ダイヤを成している。関西ではJR京都線の野洲発快速(京都~明石間内側線快速)、JR阪和線の和歌山発B快速、京阪の樟葉発準急、近鉄奈良線の近鉄奈良発区間準急、近鉄大阪線の大和八木発区間準急、近鉄南大阪線の富田林発準急、南海高野線の橋本発急行などがあるものの、南海高野線を除いて再速達よりは抑えているのはもちろんのことだが、近鉄については2012年に導入されたほとんど通過駅がない区間準急で、どちらかというと普通列車にまで格下げしたいところだが残さざるを得ない事情があるのだろう。となるとやはり関西より関東の方が朝5時台の優等列車が集まっていると言えるだろう。
そんな中、関東私鉄で朝5時台に興味が薄いのが東急と京成。京成は輸送量が小さいため押上線のみに特急が運行されているが、東急は武蔵小杉発急行のしかも1本しか運行されておらず、東横線より輸送量の多い田園都市線には運行されていなかった。それが今回やっと運行されるようになったのである。ただし今回運行されるのは長津田発渋谷行きの急行で、半蔵門線には直通しない。半蔵門線へは鷺沼で連絡する長津田始発の各駅停車(初電)に乗り換えるほかなく、あくまで渋谷までの輸送しか考えていないらしい。東急電鉄としてはオフピーク通勤の促進もあるのだろうが、朝5時台の急行をこれまで運行していなかったのはやはりブラック鉄道だったと言わざるを得ないだろう。
東急電鉄自体大手私鉄の中で1,2を争う超優良企業なのだが、利用客にとってはこと違う。東急田園都市線は関東私鉄でTOP3に入る混雑路線にもかかわらず大井町線の溝の口延伸という小手先作戦を行った結果失敗し、結局三軒茶屋から東急バスに振り替えさせることによって混雑を緩和しようとしたり、昼間こそ2014年からひる準を運行させるようにはなったものの平日夕ラッシュ時は他私鉄の朝ラッシュ時並みの混雑で乗客を無理強いさせるなど(しかも乗客がその混雑度に「朝よりマシ」と言っている時点で感覚がマヒしている悲劇も起きているらしい)、もはや乗客なおざりで収益を得ているブラック鉄道なのである。確かに多摩田園都市があそこまで大ヒットするとはだれも思っていなかったのは疑いようのない事実だが、大当たりだったのであれば、しかも加算運賃まで設けていたのであるから乗客から得た収益を複々線化などの田園都市線の抜本的混雑緩和に充てるべきなのである。東横線だって2013年に副都心線と直通するようになってから平日朝ラッシュの通勤特急・急行は25%輸送力アップの10両編成に統一されたからまだしも、それまでは東横線も田園都市線ほどではないものの大混雑をしていた。2010年代から徐々に緩和されては来ているものの、そのきっかけが主に東京メトロとの直通運転の増加など外から影響されていることが極めて多く、小田急のような大規模な複々線化や京王の積極的増発のような自発的行動とは程遠いものを感じる。2020年までに田園都市線をオフピークに急行を増発するようだが、それだけではラッシュ時対策は不十分であり、今後の対策に希望を感じたい。

2. 大井町線は微調整ながらも来年には7両化


今回のダイヤ改正では東急大井町線はわずかながらの時刻調整にとどまった。これには2017年度下期より大井町線急行を7両化するため( http://www.tokyu.co.jp/file/170322-1.pdf )、これにより朝の急行列車の輸送力が16%増加し混雑緩和が見込まれるためである。田園都市線から乗客を移す小手先作戦は不十分に終わったが、大井町線に急行が走ること自体に価値が生まれつつあるのだろう。また土休日昼間は田園都市線長津田まで直通運転し、各停ふくめ10両がほとんどの田園都市線内では混雑を極めていた。今回のダイヤ改正で大井町線内だけではなく土休日の田園都市線の混雑も解消されるということは次回2018年3月頃の1つの目玉となりそうだ。また、将来的に東急目黒線の相鉄直通化に伴う急行8両化にも期待が持てそうだ。

3. 田園都市線・世田谷線で初電繰り上げ


今回のダイヤ改正では東急田園都市線と東急世田谷線の初電時刻の繰り上げが行われる。田園都市線は先述の朝5時台着急行の運行開始により鷺沼で待避を受ける長津田発初電が5分繰り上げになるものの、その5分後には急行が運行されるから影響は小さそうだ。その他渋谷方面行きでは数分単位で初電が繰り上がり、それに追従する形で東急世田谷線の初電も繰り上げる。

4. 結び


今回のダイヤ改正では、東武鉄道では6050系の浅草乗り入れ中止や300系の廃止などダイヤ大改正となっているが、東急田園都市線では早朝に急行を増発する程度で他は小規模にとどまった。2018年より新型車両2020系( http://www.tokyu.co.jp/file/170317.pdf )を投入し既存の8500系を順次廃止していくものとおもわれるが、地下鉄直通車両ということもあり拡張車体を導入できないことから抜本的な混雑率緩和対策にはなりにくい。今後のダイヤ改正に注目したい。

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2017年04月14日

プレミアムカー新設とライナー導入へ 京阪電鉄ダイヤ改正(2017年8月20日)

京阪電鉄では、3月30日、プレスにて2017年8月20日にプレミアムカー増結とライナー運行開始に伴うダイヤ改正を行うと公表した( https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2017-03-30_%E2%91%A0premiumcar.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. プレミアムカーに料金設定
今回2017年8月20日のダイヤ改正では京阪初の座席指定車両「プレミアムカー」を8000系京阪特急に連結することとなった。現在京阪特急は7両に短縮されているが、6号車に「プレミアムカー」を連結し各種車内サービスを行う。料金は淀屋橋~京橋と中書島~出町柳の各駅間を利用するいわゆる京阪通し利用の場合には500円、それ以外の中間利用の場合は400円となる。中書島は京都からやや離れている気もするが、乗り換えて宇治に行けることから通し利用扱いにしたのだろう。これは例えるならJR北海道の快速「エアポート」のuシートような1両だけ座席指定サービスを札幌~新千歳空港間の37分を520円で味わえる。これは京阪京橋~三条間の45分500円ともほぼ似合う。このように1両だけというのは非常に効率的で、南海特急「サザン」のように指定席4両・自由席4両としてしまうと自由席だけが混雑し指定席が空気輸送になるのは自明である。特に京阪は関西三大都市のうち2都市を結んでいることから、輸送量が多いことも1両のみの導入に結び付けたのであろう。訪日外国人が増えてもジャパンレールパスによって率先してJRを使われているようでは京阪の増収にはならない(もっというとジャパンレールパスが格安すぎるのでJRにもあまり利益になっていない不幸な事実もあるようだ)。そのため運賃とほぼ同額のプレミアムカー料金を設定することで、高級志向の阪急や、スピード志向のJRの新快速から客を取りたいのであろう。

2. 平日朝は「ライナー」で着席通勤
今回のダイヤ改正では、「プレミアムカー」を連結した8000系を用いて平日朝に「ライナー」を運行することとなった( https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/2017-03-30_%E2%91%A1liner.pdf )。近年関東大手私鉄では京急「ウイング号」、西武「S-TRAIN」、東武「TJライナー」などが相次いで朝時間帯に着席保証列車を運行しており、2018年3月から小田急でも行われようとしている。このように2010年代は朝の着席保証列車の設定が私鉄で盛んな年であり、関西では南海・泉北高速の「泉北ライナー」も2015年から運行を開始している。阪急はすでに高貴な印象を与えることにより優位性を持ってきたようであるが、今回京阪は新規で「ライナー」を導入することになった。今回使用される車両は原則昼間は料金不要列車として運行されており、クロスシートでの運行となるから京急モーニング・ウイング号の2100系に近いような運用となるのだろうか。
今回導入される京阪「ライナー」は、かつての朝の座席指定制ライナーにはない特徴を持つ。それは、乗車駅が原則1駅しかないこと。京急「ウイング号」、西武「S-TRAIN」、東武「TJライナー」、どれも複数設定された乗車駅ごとに車両を区切ってドアカットしたり、発売座席数を制限したりしている。西武・東武は特急列車を別途運行しているからシステム導入は苦ではないが、京急のように整理券のみで対処していたところから座席指定制にするとそれなりのコストがかかる。そのため京阪では乗車駅を1駅に設定することにより、低導入費用で着席を確実にしトラブルを防ごうと考えたのではなかろうか。
京阪「ライナー」の始発駅は1本目は枚方市、2本目は樟葉で、京橋までノンストップである。大阪エリア内は料金不要で乗降できる。とはいえこのエリア、競合する鉄道路線はほぼないと言っていい地域。せいぜいかつての「おりひめ」「ひこぼし」のように京阪交野線と直通すればJR学研都市線との競合かともとれるが、そうとも言い難い(ちなみにJR学研都市線は付近に競合私鉄路線が少ないためかJR西日本内で混雑率最高の121%を記録している)。特に2本目の樟葉始発がなおさら謎で、京都府内沿線エリアからの需要がそこまで大きいのか気になるところでもある。ホームライナーの場合は間合い運用により列車そのものの着席率に高い目標を設定しないことも多いが、今回この京阪「ライナー」がどのような利用実態となるのか注目である。

3. 結び
今回2017年8月20日の京阪電鉄ダイヤ改正では、時刻変更は小規模ながらも京阪特急へのプレミアムカー新設と朝の「ライナー」導入をもたらした。今後京阪間の輸送がどうなるのか、京阪沿線のみを対象とした「ライナー」が生き残れるのか、注目したいところである。

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2017年04月12日

N700系に統一でスピードアップ 東海道新幹線ダイヤ改正予測(2020年3月予定)

JR東海は、東京オリンピック開催直前の2019年度に、N700系の投入を完了し全ての東海道新幹線を走行する列車をN700系(及び2020年度より投入されるN700S)に統一すると公表した( http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000028233.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. 東海道新幹線は昼間もスピードアップ


現在、東海道新幹線ではN700系と700系の2車種が運行されている。700系は東海道新幹線では起動加速度2.0km/h/sの最高速度270km/hであるものの、N700系は起動加速度2.6km/hの最高速度285km/hであることから、1停車につき短距離の東京〜品川間や熱海〜三島間を除いて1分程度短縮されるものと見込まれる。この駅間所要時間の短縮により東京〜新大阪間の「こだま」は理論上14分の短縮が見込まれ、「こだま」が速達化することにより待避に関係する「のぞみ」「ひかり」もスピードアップできる。とはいえ、東海道新幹線の「のぞみ」は現在最速2時間22分。平均的な昼間の「のぞみ」は東京〜新大阪間で2時間33分であることから、そこから14分短縮することは不可能である。
となれば昼間も2時間22分での運行をするのだろうか。そうとも言い難いので、N700系が現在の性能で運行をし続けるという前提で以下に根拠をまとめる。

1.1. 東京・新大阪発着時刻「0・3・6(7)」の法則

JR東海では2003年10月1日の300系以降の系列に統一された「のぞみ大増発」を行った際、東京駅および新大阪駅の発着時刻を上り・下りともに分の下1桁を早朝・深夜を除き「0・3・6(7)」に統一した。また定期・多頻度「のぞみ」は2008年3月15日のダイヤ改正より原則東京発が分の下1桁が0、東京着は3に統一されている。このことから白紙改正が行われない限りはこれが踏襲され続けるものだと考えられる。
現在、昼間の「のぞみ」は毎時10本(定期・多頻度・臨時の合計)中毎時8本が2時間33分~2時間34分で運行されている。また毎時1本はN700系専用ダイヤ化しており2時間30分で運行されているが、この時刻もA化改造前は2時間33分で運行しており、スジとしては同一時間で運行可能になる。ただ1番最後に増発された東京毎時53分発・毎時50分着の僅少「のぞみ」のみ2時間37分運行と他の「のぞみ」と比べて4分程度長くなっている。このことから、「のぞみ」から「こだま」まですべての営業列車がN700系に統一された2020年3月のダイヤ改正では昼間の「のぞみ」の多くは2時間23分または2時間26分での運行になるものと思われる。

1.2. 名古屋・京都の1分停車は昼間では危険

現在最速運行となっている「のぞみ」は東京~新大阪間で2時間22分での運行となっている。しかしこの「のぞみ」は利用の少ない初電と終電が中心で、名古屋・京都の停車時間は1分しか設けられていない。これは東北新幹線「はやぶさ」にも類似点があり、最速達列車のみスピード勝負のため仙台駅での停車時間を通常の2分から1分に縮めている。このため、あくまで名古屋・京都での停車時間は昼間のパターンダイヤ時間帯は2分設ける必要があり、必然と2時間24分以上かかることとなる。そうなると2時間23分での運行は難しく、多くの「のぞみ」は2時間26分での運行になるのではないだろうか。

1.3. 営業列車のN700化後も残る幸せな列車の存在

JR東海は2020年3月を以て全営業列車をN700系にするとしている。しかし、2020年以降もしばらくは幸せな列車は走るものと思われる。その幸せな列車は923形「ドクターイエロー」であり、700系新幹線をベースに製造されている。0系タイプの922形は約25年程度用いられていることから、2000年と2005年に導入された「ドクターイエロー」も2020年代までは使用できるものと考えられる。そのため「ドクターイエロー」ののぞみ検測を行えるスジを残しておく必要がある。「ドクターイエロー」は停車時間が名古屋・京都などでは必要ないとはいえ、700系が最速2時間30分であったことを考えると、他列車に影響を与えやすい時間帯にこれ以上速い運転はリスクが高い。そのため昼間でも2時間30分で運行する臨時「のぞみ」の設定が必要となってしまう。
そのため、2時間30分で運行するスジを作るためには、先述の東京毎時53分発・毎時50分着の僅少「のぞみ」を使用するほかない。この「のぞみ」は待避の関係上他の「のぞみ」より3~4分長く設定する必要がある「のぞみ」のためこれをうまく利用し、他の「のぞみ」臨時含め毎時9本を2時間26分で運行させるのがもっとも効率的になるのではなかろうか。
ちなみに山陽新幹線では主要駅の岡山・広島での停車時間が1分になっている。これは航空機対策による供給過多になっているものだと思われ、1列車・1ドア当たりの乗降人数が東海道新幹線や東北新幹線より少なくなり、分散されやすくなるためだと思われる。

1.4. N700Sの性能向上を昼間に謳うには


JR東海では2019年度にN700系の投入を完了し、東海道新幹線を運行する全ての列車をN700系に統一するとしている。だがJR東海の東海道新幹線への挑戦はこれでは終わらない。JR東海では早速新型車両N700Sの設計に着手し、2018年度に試作車が、2020年度には量産車の製造が決定している。そのためN700系も2020年から少なからず淘汰が始まってしまうのである。この新型車両N700Sの性能はいまだ不明な点が多いが、ブレーキの改良によりもし東海道新幹線でも300km/h運行ができる列車になるとすればさらなる時間短縮が可能となる。とはいえ、N700A化した際には最高速度が15km/h引き上げられ、車体傾斜区間を増やしてやっと3分短縮できた。単純計算では時間は速度と反比例するからさらに15km/h上げても3分も短縮できるか微妙である。車体傾斜角度を増やせない以上カーブ区間ではこれ以上のスピードアップは難しく、さらに壁となる。そのため、東海道新幹線内で300km/h運転を行っても2時間20分運転が限界ではなかろうか。
そうなると待避列車が多い昼間での同時間での運行は難しく、先述の名古屋・京都の停車時間問題も踏まえると2時間23分での運行が理想となりそうだ。もしN700系に統一された瞬間昼間も2時間23分運行となろうものならN700Sを投入するメリットが激減してしまう。またJR東海は新型車両投入の翌年には翌年に毎時1本の東京~博多間の「のぞみ」を運行できるほど新型車両を投入するのが恒例となっており(大概東京毎時10分発・毎時33分着)、そのためのスジ作りも欠かせない。また所要時分を切り詰めすぎると遅延が増大し、高速鉄道なのに平均遅延が1分程度の東海道新幹線のイメージを壊しかねない。そのため余裕をもって2020年には昼間の「のぞみ」は2時間26分運転となるのではないだろうか。

2. 東京発19時台からは定期「のぞみ」が交換?


2020年のダイヤ改正では前述のとおり東海道新幹線の昼間の「のぞみ」が少なくとも7分短縮されるのは間違いなさそうだ。そこで次に問題になってくるのは初電・終電問題である。東海道新幹線では2012年3月12日のダイヤ改正で定期・臨時・多頻度「のぞみ」を毎時9本中3本3分短縮させたついでに航空機対策も兼ねて朝の知王経9時03分から11時03分着の「のぞみ」について、原則パターンダイヤと定期と多頻度列車を入れ替え、山陽新幹線直通可能列車も10分ずらし入れ替えている。この時間帯は山陽新幹線の始発駅6時台発なので臨時の山陽新幹線からの臨時「のぞみ」設定はないが、これにより岡山からの東京着時刻を10分繰り上げることに成功した。
2020年3月のダイヤ改正でも同様のことが見込まれる。初電については博多発東京行き「のぞみ2号」が博多発時刻を少し繰り上げ(3分程度繰り上げて6時05分発と想定)、東京着時刻を11時13分から11時03分着に10分繰り上げられるものと思われる。終電についてはさらに大規模に繰り下げることができ、山陽新幹線直通列車を10分ずらすことにより博多行き、広島行き、岡山行き、姫路行き「のぞみ」の東京発最終を10分繰り下げ、それぞれ19時ちょうど、20時ちょうど、20時40分発、21時ちょうど発にすることができ、非常にわかりやすい時間となる(終着駅で2~3分程度繰り下げ含む)。これによりかつての東京21時ちょうど発「シンデレラエクスプレス」は新大阪行きの終電であったが、2020年から当分の間は姫路行き終電となりそうである。

3. 結び


2020年のダイヤ改正では700系の営業列車からの引退によって、大幅に昼間の所要時分が短縮されることが見込まれており、第2次A化改造によるブレーキ力強化によりN700系自体の東海道新幹線内最高速度引き上げも見込めるのかもしれない。また新型車両のN700Sについてもさらなる機能改善とJR東海史上初の短編成化できる車両として導入され、将来的なリニアリレー列車としての機能も想定しているのであろう。今後の東海道新幹線のダイヤにも期待したい。

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2017年04月10日

3月報告と4月の活動予定 4月以降新企画を開始します!

毎度「鉄道ダイヤ研究会」をご利用いただき、誠にありがとうございます。本日はこの場をお借りして、3月の活動報告と4月の活動予定をご報告させていただきます。

1. 3月活動報告
当ブログ「鉄道ダイヤ研究会」は2015年11月14日より活動を開始しました。2017年3月は活動期間である31日間にに10の記事を書き上げました(前年比10記事増)。また引き続き記事を見やすくするために章の見出しを大きくしたり、可能な限り表を挿入するなどしてわかりやすい記事にするよう努めております。
またSNSである「twitter」や「鉄道コム」「にほんブログ村」「鉄道人気ブログランキング」「blogram」のブログランキングに引き続き参加することはもとより、3月に行われたダイヤ改正について振り返る記事を掲載することによりさらに「ダイヤ改正」について深く考察することで、さらに多くの方に「ダイヤ改正」を知っていただけるよう活動しております。先月に引き続き鉄道コムさん経由で当ブログに入られる方が大多数を占めており、鉄道コムさんの記事ランキングでは毎回お世話になるばかりでございます。
3月中の当ブログのページ別アクセスランキング上位10記事(トップページ含む)は以下の通りです(以下の記事名は投稿時の記事名ですので、予測記事の場合事実と異なる表現をしていることがあります。予めご了承ください)。

3月内順位記事タイトル投稿年月日3月内のアクセスベースの割合鉄道コムさんの「最近よく見られたブログ記事(人気順)」の当サイト確認範囲での最高順位
1位トップページ2015年11月14日13.0%-
2位公表直前! 2017年3月ダイヤ改正予測まとめ2016年12月14日7.6%1位
3位朝時間帯の増発へ 東急田園都市線ダイヤ改正予測(2017年3月25日予定)2016年11月28日3.8%1位
4位速報&随時更新! 2017年3月各社一斉ダイヤ改正2016年12月16日3.7%2位
5位快速用6050系大幅削減か 東武鉄道・野岩鉄道・会津鉄道ダイヤ改正(2017年4月21日)2017年01月30日3.5%1位
6位S-TRAIN始動! 西武鉄道・東京メトロ・東急電鉄・みなとみらい線ダイヤ改正(2017年3月25日)2017年01月22日2.9%2位
7位さらば東武快速 東武本線ダイヤ改正(2017年4月21日)2017年03月20日2.7%-
8位群馬でも普通列車見直しへ JR東日本高崎支社ダイヤ改正(2017年3月4日)2017年01月18日2.3%1位
9位「のぞみ」「みずほ」から「こだま」までスピードアップ 山陽新幹線ダイヤ改正(2017年3月4日)2017年03月29日2.3%4位
10位南武線快速も速達化へ! JR東日本八王子支社ダイヤ改正(2017年3月4日)2016年12月28日1.9%3位


3月の当サイト内記事アクセスランキングは以上になります。3月は4日に全国のJR線でダイヤ改正が行われ、その後はアクセス数が落ち着いている印象があります。逆に1月に掲載しランキング圏外東急・東京メトロ直通の西武鉄道S-TRAINがランキング入りしているなど、過去の記事が公式プレス公開とともにアクセス数を上げる傾向が目立ちました。逆に3月に掲載した記事でランキング入りできたのは10記事中わずか2記事。これは、スマホ版Twitterが17歳以上になり、Twitter経由での閲覧が減っているのが理由の一つかもしれません(その分バカッターが大幅に減ったのでTwitter自体の環境は大幅に改善しましたが)。
また、鉄道コムさんのブログランキング(IN順)は20位前後で安定し、OUT順は独自集計で20位以内をキープしているようです。もっとも、JRグループダイヤ改正一斉公表のあった12月よりは減っているものの、他ブログがほぼ毎日更新(ものによっては1日最大3回更新のものも)に対して当ブログは2日に1回の更新ですから、健闘しているものだと思います。
先月は鉄道コムさんの「きのう・きょう話題のキーワード」にて「ダイヤ改正」が5位以内をキープし続けていました(4月に入ってからかなり下がっていますが)。先月31日間で総計9万アクセスを突破(前年比38%増)し、3万4千人以上の方(前年比44%増)に訪問していただきました。先月の訪問者数最多日はJRグループダイヤ改正実施日の4日(土)で、3,190人の方にご覧いただき、5,915アクセスでした。やはりJRグループのように一斉になると閲覧は多くなるようで、東急電鉄のようにJRと同日にプレスしないだけではなく、これまでダイヤ改正実施日の30日前の木曜日に出していたプレスリリースを1週間後に出したり1日前に出したり変則的にするなどしていましたが、ダイヤ改正のイベント性を失わせているだけだと思います。今後どのようにダイヤ改正プレスを出すのか見届けたいところです。

2. 4月の当サイトの展開
4月に入ると、鉄道各社のプレスリリースは減ります。例年であれば3月から細々としたもののみになるのですが、今年は関東大手私鉄が軒並みダイヤ改正日をJRグループの3月4日とずらし3月25日としたり、4月21日としたために3月までプレスリリース自体は出ていました。しかし例年通りであれば9月~11月ごろの京王・京急・京成のダイヤ改正までは定期的なダイヤ改正は見込めず、今年2017年に限り京阪・西鉄が8月にダイヤ改正を行うと公表していますがそれ以上は望めず、南海を除く関西私鉄各社のダイヤ改正があるかないかという位にまで落ち込みます。つまり4月~8月はダイヤ改正的には閑散期ということになります。しかしそれでは記事が尽きてしまいます。
そこで「ダイヤ改正情報サイト 鉄道ダイヤ研究会」では、現在新幹線固定日となっている水曜日の投稿を、過去に実施された新幹線のダイヤ改正についての記事の連載を4月以降(場合によっては5月より)開始いたします。その名も【週刊新幹線ダイヤ改正】。新幹線開業の1964年からのダイヤ改正を振り返ってまいります。その他の記事についても掲載いたしますので、日本だけでなく海外からも幅広く情報収集をしたいと思います。4月から新企画を実施する鉄道ダイヤ研究会をどうぞよろしくおねがいいたします。

3. 最後に
現在、「鉄道ダイヤ研究会」は開設してからおよそ1年半であり、未だ試行錯誤中でございます。しかし古巣「鉄道ダイヤ改正ニュース」も下積み3年があっての集客数であったので、楽して集客できるわけではありません。今後とも鋭意改善をしてまいりますので、今後とも「鉄道ダイヤ研究会」をよろしくお願いいたします。

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2017年04月07日

朝ラッシュ時のスピードアップ 東急東横線ダイヤ改正(2017年3月25日)

東急電鉄では、3月2日、プレスにて2017年3月25日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.tokyu.co.jp/file/170302.pdf )。今回はこれについて見ていく。

座席指定制ライナー「S-TRAIN」ついてはこちら!

2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 祐天寺駅待避線の使用開始
今回の2017年3月25日ダイヤ改正では、東急東横線祐天寺駅上り線の待避線を使用開始した。これにより東急電鉄のプラスによれば通勤特急が3分短縮されるとしている。
中目黒7時50分~8時50分着、渋谷7時55分~8時55分着の各駅停車は祐天寺駅での待避を行っていない。これは、東急電鉄も公認している最も混雑する時間帯(中目黒7時50分~8時30分着)が含まれており、この時間帯に祐天寺待避をしてしまうと中目黒・渋谷先着列車が減り、通勤特急・急行がさらに混雑し、遅延が増大しかねない。そのため、朝ラッシュのうち最も混雑する時間帯は避けてオフピークに急行も含めて祐天寺駅で各駅停車を待避し、オフピークのみ時間を短縮することとなった。これは東急田園都市線も同じで、オフピークの所要時分を短縮することにより混雑緩和を図ろうとしているらしい。
ちなみに同日運行開始の座席指定制ライナー「S-TRAIN」は、渋谷・西武秩父方面行き3本とも祐天寺で各駅停車を待避する。

2. S-TRAINの待避は
今回2017年3月25日ダイヤ改正では、S-TRAINの運行も開始された。東急東横線内では、上り(渋谷・西武秩父方面)は菊名・元住吉・祐天寺の3駅で行い、渋谷駅での接続はない模様だ。下り(横浜・元町中華街方面)は夕方の1本は祐天寺でも待避を行うが、朝の列車は元住吉・菊名の2駅でしか行われない。今回のダイヤ改正では祐天寺駅の通過線が使用開始になったものの、S-TRAINに限り徐行のかかる下り列車でも待避を行うことにしたようだ。これにより、菊名駅では2本抜きが発生している列車もある。

3. 結び
今回2017年3月25日のダイヤ改正ではS-TRAINの運行開始が目立ったが、朝オフピークの速達化で利便性が増したことは間違いない。祐天寺駅の待避線設置は開業は先延ばしになってしまったものの2022年度下期開業となった相鉄・東急直通線の直通が東横線にも向かえるように準備をしているのかもしれない。今後の展開に注目したい。

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2017年04月05日

上越新幹線にE7系導入への足掛かり 東北・上越・北陸新幹線ダイヤ改正(2017年3月4日)

JR東日本は昨年12月16日、プレスで2017年3月4日に東北・上越・北陸の各新幹線のダイヤ改正を行うと公表した( http://www.jreast.co.jp/press/2016/20161219.pdf )。今回はこれについて見ていく。

2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 今回の東日本系新幹線のダイヤ改正はごく小規模
今回のダイヤ改正では東日本系新幹線(東北・上越・北陸の各新幹線)は非常に小規模なダイヤ改正にとどまった。
まずは上越新幹線。JR東日本新潟支社のプレス( http://www.jrniigata.co.jp/Scripts/press/20161216daiyakaisei-1.pdf )によると、越後湯沢発東京行き「Maxたにがわ」のうち1本が4時間30分程度繰り上がり、高崎から東京へのアクセス増強につなげる。
次に北陸新幹線。JR東日本長野支社のプレス( http://www.jreast.co.jp/nagano/pdf/161216-4.pdf )によると、金沢発東京行き「かがやき」のうち1本が3時間50分程度繰り上がる。
最後に東北新幹線。臨時「はやぶさ」のうち1本のうち東京~仙台間を定期化する。
以上。という、非常に要素の少ないダイヤ改正となった。ダイヤ改正の基本は「シフト」、つまり本数をかえずに運行時間帯をかえることであり、今回JR東日本では東海道線や中央線快速で行われた。これ自体は経営戦略上でも重要なダイヤ改正の仕方であるが、ここまで味気ないのはそれはそれで気になる。2016年3月26日の山陽新幹線もそうであるが、国鉄時代に製造された車両が新幹線から淘汰された現在、高速鉄道の技術革新はある一定水準まで引きあがり、全ての車両が高速対応になったことが原因なのだろう。
特に2017年3月4日の東北新幹線については、もはや臨時列車の一部区間の定期化であり、時刻については変更がない。ダイヤ改正がかつて時刻改正と言われていた歴史があることからも、もはやダイヤ改正とは言えないものとなってしまっている。これは、北海道新幹線が開業して1年になるので、1年間で想定以上の輸送があったことを示したかったのだろう(事実、JRグループ総合のダイヤ改正プレスでは「東北・北海道新幹線」としてこの「はやぶさ」定期化が示されていた)。今後北陸新幹線が延伸しようが、北海道新幹線が全通しようが目に見えているのは現行列車の運転区間延長であり、東海道新幹線のN700Sなどの新型車両の公表もないことから、数年間は東日本系新幹線のダイヤに大幅な変化は見込めないものと思われる。

2. 2018年度より上越新幹線にE7系投入
そんな中、昨日4月4日、JR東日本は上越新幹線に新車を導入するプレスを公表した( http://www.jreast.co.jp/press/2017/20170402.pdf )。それは上越新幹線にE7系11編成を投入するというもの。E7系はW7系とともに現在北陸新幹線を運行する唯一の車種となっており、2017年3月25日のE2系J編成(8両編成)の引退を以て全ての北陸新幹線の列車がE7系またはW7系に統一された。今回は2階建て新幹線E4系を淘汰する目的で上越新幹線にE7系を導入することとなった。上越新幹線導入予定のE7系は輸送量と互換性の観点から12両で製造されるものと思われる。おそらくE4系2編成(計16両)をE7系1編成(12両)で置き換えるのが基本になるものと思われる。そのため上越新幹線E7系導入後は北陸新幹線との共通運用が見込まれ、北陸新幹線として東京駅に到着した編成が12分後には上越新幹線として発車することになるものと考えられる。そのためW7系の「とき」「たにがわ」も運行されるようになるかもしれない。
ここで疑問点が1つ。東北新幹線(山形・秋田の両新幹線を除く)をE5系で統一して、余ったE2系を上越新幹線に回すのではなかったのか。2009年の資料では2015年度までにE5系を59編成投入し、すべて置き換えるとしていた。2011年、E5系が営業運転を開始するもたった6日後に震災が起こったため多少遅れることは致し方ないものだと思われる。そこで2017年現在の編成数を見ていくと、E5系については31編成、E6系については26編成導入されており、E6系については臨時列車含めて東京~秋田間を2往復、E5系についてはH5系と合わせて臨時を含めて東京~新函館北斗、東京~新青森、東京~盛岡の「はやぶさ」各1往復、東京基準で合計3往復を賄えるほどの編成を保有しているものの、当初の59編成のおよそ半分にしか及ばない。2012年度には臨時含め毎時2本の「はやぶさ」を運行するために13編成が導入されているものの、2014年以降は毎年1編成しか導入していない。当初は2016年3月26日開業の北海道新幹線用H5系の製造のためJR東日本が製造数を減らしていたという意見もあったが、2017年も1編成であったことからどうやらそれだけが理由ではないらしい。
それは、JR東日本が2020年代半ばから新素材・マグネシウム合金製の車両を製造するというもの。1964年の東海道新幹線開業時に導入された0系は鋼鉄製であったが、いかんせん重いことがネックで晩年に220km/hを出すのが精一杯だった。しかし1982年の東北・上越新幹線開業時に導入された200系は軽量のアルミニウム合金で製造され、240km/h運転を達成した。1981年にフランスTGVが鋼鉄製の車両で270km/hを達成しており、その後数年間は鋼鉄車を導入し続けていたが、1990年代になりアルミニウム合金の優位性が勝るようになり、今では320km/hの営業運転にまでなった。そして2020年代に計画されているのがアルミニウム合金より軽量な新素材・マグネシウム合金車両である。その他台車などにも騒音対策などを施し、2030年代には400km/hでの営業運転を目指すという。もし導入されれば東京~盛岡間は最速で2時間を切り、東京~新青森間ではほぼすべての定期列車が3時間を切って運行されるようになるものと思われる。
とはいえマグネシウム合金はアルミニウム合金より高価である。いつも新素材は高値でつくのが当たり前であるのだが、その資金は早めに確保したいところ。またE5系に一度統一されてしまうと置き換えに老朽化を待たなければならない。これでは技術が確立されても早期に効果を発揮することができないのである。そうとなればE5系の導入は極力抑えたいという方針に変わったとみてもおかしくはない。
さて、話を上越新幹線にE7系が導入される話に戻す。なぜ東北新幹線のE5系導入に伴うE2系の転属から方針をかえたのか。それは1編成当たりの製造費にある。E5系は10両編成ながらも320km/hでの運行に対応するために起動加速度をE2系と比べて引き上げたり、全周幌を導入したり、空気ばね式の車体傾斜装置を導入している。そのため1両当たり4億円程もする高価な列車となっている。ところがE7系は高々E2系のマイナーチェンジ。ノーズ長も変わりないし、最高速度はE2系の275km/hから260km/hにむしろ引き下げられた。E2系が1両2億5000万円程度だったから20年の技術革新でそれより安価になっているのであろう。そうなると、E5系は1編成(10両)約40億円するが、E7系は1編成(12両)30億円で済むのである。つまりJR東日本としては営業キロの短く時間短縮効果の薄い上越新幹線への投資は維持できるほどにし、最大限東北新幹線を高速化させ、世界の高速鉄道市場に売り出そうとしているのである。そして世界の高速鉄道市場のライバルは、なんといってもフランス国鉄とJR東海である。フランス国鉄は新在直通による低コスト導入、JR東海はリニアによる最高速を目指している中、JR東日本は新素材での車両導入を目指すことにより、新規の高速鉄道だけではなく既存の高速鉄道の車両置き換えも狙っているのであろう。今後の高速鉄道市場にも注目したい。

3. 結び
今回2017年3月4日のJR東日本系新幹線のダイヤ改正は非常に小規模なものにとどまった。しかしJR東日本の新幹線にはまだまだ大きな伸びしろがあるのは間違いない。数年間ではあまり変化はないが、10年単位で大きな変革が出ると確信したい。

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2017年04月03日

増発と新幹線接続改善へ 横浜市営地下鉄ブルーラインダイヤ改正(2017年3月4日)

横浜市交通局は、1月30日、プレスにて2017年3月4日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.city.yokohama.lg.jp/koutuu/kigyo/newstopics/2016/news/n20170130-8221-01.html )。今回はこれについて見ていく。

2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 平日夕ラッシュ時の増発
前回2015年7月18日のダイヤ改正ではブルーラインにて日中のみ快速運転が行われ快速運行分増便となったが、今回は平日夕ラッシュ時に増便が行われた。これにより2015年ダイヤ改正前の昼夕輸送力比(適正値60~78%程度)は75%だったものが快速運転開始時には100%と昼間の空気輸送が目立つようになった。今回のダイヤ改正では19時台・20時台の列車が増発され、18時台と同等の運行本数とした。また上永谷止まりの列車湘南台まで延長するなど改善は進んでいる。近年では夕ラッシュ時間帯のパターンダイヤ化が進んでおり、2010年代にはJR阪和線や大和路線、小田急線などでも行われてきた。今回はこれが横浜市営地下鉄でも実施されることになったが、昼夕輸送力比については100%のまま。快速運転開始から1年半ではあるが、空気輸送が解消されるほどは需要は伸びていないようだ。

2. 土休日の初電繰り上げ
今回のダイヤ改正では土休日の初電が平日の初電の同等の時間となった。これにより最大14分繰り上げとなり、湘南台~中田の各駅からは新横浜接続で東海道新幹線「のぞみ1号」博多行きに土休日も接続できるようになった。横浜市はことに快速が運転開始してから新幹線との接続重視を掲げており、近年ではEX-IC利用で購入できる企画きっぷの発売もしている。今後の横浜市営地下鉄の新幹線対策にも期待したい。

3. 土休日快速運行時間帯の拡大
横浜市営地下鉄ブルーラインの快速運転は東武野田線の急行運転開始と同じ年の2015年から開始された。東武野田線では当初から土休日は20時台まで急行運転が実施されたが、横浜市交通局ではそれを渋り16時台までとした。今回は土休日に限り運行時間帯を長くすることにより増発する形となった。平日については東武野田線同様快速(急行)運行開始前から夕ラッシュ時に各駅停車が日中より多く運行されているため運用数制限もあり運行する見込みはないのであろう。横浜市営地下鉄ブルーラインについては小田急線新百合ヶ丘延伸もあり、今後が注目である。

4. 結び
今回のダイヤ改正では、横浜市営地下鉄では快速運行時間帯の増加や土休日の早朝を平日に合わせて営業時間を拡大するなど、様々な要素が盛り込まれている。横浜市ではこれからも相鉄・東急直通線による新横浜駅での接続強化やブルーラインの延伸、3000V系の導入などが見込まれる。今後のダイヤ改正に期待したい。

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