2017年06月13日

国際特急列車ユーロシティもスピードアップ! ゴッダルトベーストンネル開業に伴うスイス国内ダイヤ改正(2016年12月11日) / Gotthard Base Tunnel in Switzerland opening at 11, Dec. 2016.

スイス国鉄( Schweizerische Bundesbahnen )では、2016年12月11日にゴッタルドベーストンネルを開業したと公表した。今回はこれについて見ていく。

1. スイス・ドイツとイタリアがさらに近く

今回開業したゴッタルドベーストンネルは、スイス南部のアルプストンネルを貫いて建設された全長57kmのトンネルで、日本の北海道と青森県を結ぶ北海道新幹線の青函トンネルを抜き、世界で一番長いトンネルとなった。このゴッタルドベーストンネルの開通により、より長編成の貨物列車を運行することが可能となり、旧線にあった7回ものループ線を通らなくなることから大幅な時間短縮となった。トンネル自体は2016年6月1日に開通したが、2017年ヨーロッパ冬ダイヤ改正により旅客列車も本格的に新線乗り入れすることとなったのだ。

ヨーロッパ鉄道時刻表2017年冬号によれば、スイスのチューリッヒとイタリアのミラノ間の国際特急列車「ユーロシティ(EC)」が37分短縮の3時間36分での運行となる。この「ユーロシティ(EC)」はチューリッヒでドイツ高速鉄道ICEに乗り換えが可能で、フランクフルトやハノーバー、ベルリンへと向かうことができ、ドイツからイタリアへの最短ルートとして機能している。今回の新線開業で「ユーロシティ(EC)」(2時間に1本程度)やスイス国内振り子式特急列車の「インターシティ・ナイゲツーク(ICN)」(2時間に1本程度)、スイス国内特急列車の「インターシティ(IC)」(毎時1本)の合計概ね毎時2本は軒並み新線に切り替えたが、中距離列車の「インターレギオ(IR)」や快速列車の「レギオエクスプレス(RE)」の合計概ね毎時1本は旧線で残ることとなった。新線切り替えにより所要時間は短縮したが、運行本数は据え置かれているようだ。

2. 中距離列車の「インターレギオ(IR)」、エルストフェルトで系統分離へ

これまで旧線しかなかったために「ユーロシティ(EC)」から「インターレギオ(IR)」までスイスのイタリアとの国境沿いの町ロカルノまで直通で、「ユーロシティ(EC)」や「インターシティ(IC)」などの特急列車に抜かれることなく運行ていた。しかし今回2016年12月11日ヨーロッパ冬のダイヤ改正でゴッダルトベーストンネルが開通したことにより特急列車の「ユーロシティ(EC)」から「インターシティ(IC)」まで速達化したことにより、中距離列車の「インターレギオ(IR)」は先着列車ではなくなり、需要が落ちると見込まれた。そこでスイス国鉄はある程度需要の見込めるエルストフェルトまでは従来通り中距離列車「インターレギオ(IR)」を運行し、そこから先の旧線区間は鈍行列車の本数を維持したままほとんどの場合種別を格下げした快速列車「レギオエクスプレス(RE)」に乗り換えさせる系統分離を行った。これにより旧線の地域輸送は確保される見通しとなったが、スイス南部からはスイス最大の都市チューリッヒへ行くためには原則乗り換えが生じることとなり、そこそこの規模(といっても1万5千人程度の人口)の都市であるベリンツォナやロガルノからは「インターシティ(IC)」などの特急誘導となった。ただこれまでイタリア・ミラノ発着で運行されていた朝晩の区間運転的存在となっている快速列車「レギオエクスプレス(RE)」は旧線経由のまま存置され、国境を挟む需要は保たれているようだ。

3. 旧線の活用法は

今回の新線開業で毎時1本の中距離列車ないし快速列車しか走らなくなる旧線であるが、旧線と新線が並走しては採算が悪くなるのはやむ負えない。そこでスイス国鉄はゴッダルトベーストンネルの開業に合わせて旧線のゲシェネン~ルガノ間に展望車連結のゴッダルトパノラマエクスプレスを4月15日~10月22日まで(但し8月1日を除く)の夏期間に運行することとなった( http://www.myswitzerland.com/ja/gotthard-panorama-express.html )。一般旅客列車が運行されているとはいえ日本のJR西日本山陰本線(嵯峨野線)の旧線区間を活用した嵯峨野観光鉄道のような観光ニーズを生み出そうとしているようだ。

4. 結び

今回のヨーロッパ2017年冬ダイヤ改正では、ゴッダルトベーストンネルの旅客営業開始により各種特急列車の所要時間が短縮され、ドイツ・スイスとイタリアがより身近になった。現在は特急列車のみの運行でドイツへは乗り換えが必須だが、貨物共用トンネルではあるが日本の北海道新幹線の青函トンネル同様に今後ドイツ高速鉄道ICEが直通してさらに身近になるのか、見守ってゆきたいと思う。

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2017年06月09日

JR特急への接続改善へ 福井鉄道・えちぜん鉄道ダイヤ改正(2017年3月25日)

福井鉄道とえちぜん鉄道は共同で2月22日、プレスリリースにて2017年3月25日にダイヤ改正を行うと公表した( http://www.echizen-tetudo.co.jp/railway/image/timetable_170325.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. 初電繰り上げで特急「ダイナスター」に接続

今回の2017年3月25日ダイヤ改正では、福井鉄道を中心にダイヤ改正が行われる。まず初電から見ていくと、これまで越前武生6時04分発が初電で、普通(直行)田原町行きのため福井駅を経由しなかった。しかし今回のダイヤ改正で24分繰り上げ、越前武生発5時40分発の普通福井行きとし、市役所前駅でスイッチバックする列車とすることで、JR駅への利便性を図り、かつ福井6時50分発北陸本線特急「ダイナスター3号」への乗り継ぎ(接続時間21分)を可能とした。これまでもJR北陸本線の敦賀5時57分発・武生6時27分発の普通金沢行きが福井で特急「ダイナスター3号」へ乗り継ぎを可能としているが、JR北陸本線は街外れを走っているため需要が取り込みにくい。所要時間はかかるが街中を通る福井鉄道から接続が可能になったことは大きく、金沢で北陸新幹線「かがやき504号」に乗り換えることで東京駅に10時20分に到着できることとなり、北陸新幹線経由での東京着時刻が1時間繰り上げることに成功した。

ただ、初電を繰り上げた分その後の時間帯に減便が生じる。6時台には越前武生6時15分発平日・土曜運行の急行(直行)田原町行きが廃止され、市街地アクセスの利便性を図るため休日同様越前武生6時04分発普通福井駅行きが普通(直行)田原町行きへと変更となった。また越前武生7時49分発普通(直行)田原町行きは全日で廃止となった。同じ路面電車と鉄道を運営する広島電鉄や、えちぜん鉄道の元運営会社である京福電気鉄道(嵐電)は2017年のダイヤ改正でともに増便し、広電に関しては一部系統で初電を繰り上げ新幹線接続を改善したものの、ともに直後に運賃を値上げした。福井鉄道も経営は苦しいが、初電を繰り上げ多分減便することで、運賃を抑えようとしたのではないだろうか。

2. 福井駅経由便の大幅増加

福井鉄道は福井市街地の需要を細かく取り込むため、急行など多くの列車を福井駅を経由しない(直行)田原町行きとして運行しているが、今回のダイヤ改正では原則昼間と夕ラッシュ時の越前武生行きしか運行しない福井駅経由便を平日朝夕の福井市方面行きにも設定し(朝2本、夕方6本)、特急「サンダーバード」「しらさぎ」などの発着するJR福井駅アクセスの向上を図るようだ。これにより夕ラッシュ時は田原町着が17分遅くなり、1運用増える見込みだ。

3. えちぜん鉄道直通列車は微調整にとどめる

2016年3月27日から始まった「フェニックス田原町ライン」としての福井鉄道とえちぜん鉄道の直通運転であるが( http://www.echizen-tetudo.co.jp/railway/image/timetable_160327.pdf )、今回開業後初のダイヤ改正となった。今回のダイヤ改正では運行本数は変わらず、田原町より1駅のみ乗り入れの福大前西福井発着のみ若干の時刻変更がなされた。今回のダイヤ改正記事では「田原町フェニックスライン」の文字は見受けられなかったが、この直通運転自体福井市の行政支援がかなり大きく影響しているところなので大きく変わることはないのであろう。

その他、えちぜん鉄道では三国芦原線のうち坂井市内4駅について駅名変更を同日に行った。また福井鉄道・えちぜん鉄道ともに今回のダイヤ改正で駅ナンバリングを導入し、乗車整理券番号も同一のものにする。

4. 結び


今回のダイヤ改正では、JR駅との接続強化や地域密着型運行系統の増便、閑散とする時間帯の減便など地方民鉄らしいダイヤ改正となった。福井鉄道は日本では珍しい地方民鉄と第三セクターのLRT(低床型路面電車)による直通運転を行っている会社であるが、今後どのようなダイヤ改正となるのか注目したい。

Twitterにてダイヤ改正速報発報中!(南海高野線・泉北高速鉄道)
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2017年06月04日

線内運転増発は品川延伸への架け橋か 東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道ダイヤ改正(2017年3月25日)

東急メトロは2月9日、プレスにて2017年3月25日に南北線にてダイヤ改正を行うと公表した( http://www.tokyometro.jp/news/images_h/c2991319d057114726eaf10aaf1f5fce_1.pdf )。今回はこれについて見ていく。

同日実施の東急目黒線・都営三田線のダイヤ改正についてはこちら!

2017年3月4日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 南北線は大幅増便


今回のダイヤ改正では、東京メトロ南北線では大きな動きがあった。まずは平日朝。朝7時台の市ヶ谷発日吉行きを赤羽岩淵始発に延長し、1本増発に成功した。1本程度の増発ならよくあることだが、今回の増発は平日夕ラッシュ時に多く行われている。白金高輪方面行きでは飯田橋基準で19時台に1本、21時台に3本増発され、特にオフピークの混雑緩和に寄与している。赤羽岩淵方面行きでは飯田橋基準で19時台に1本、20時台に1本、21時台に1本増発され、こちらも混雑緩和に寄与している。平日夕ラッシュ時は最大毎時12本で昼夕輸送力比(適正値60〜78%/推奨値66%~75%)は83.3%でやや夕ラッシュ時が混雑気味であることには変わりないが、それが18時台だけではなく19時台にも広がった形となったようだ。

また土休日の夕方も大幅な増発が行われた。これまで南北線は土休日は19時台から10分間隔での運行となっており混雑に拍車がかかっていたが、今回の増発で土休日19時台は昼間と同じ6分間隔、20時台~22時台は7分30秒間隔に運転間隔が短縮された。また23時台には鳩ヶ谷行きを1本増発し、赤羽岩淵~鳩ヶ谷間で終電の8分繰り下げを果たした。これにより他線同様土休日の夕方の利便性も向上した。

2. 線内運転増加で接続できない列車が増加


とはいえ東京メトロ南北線は白金高輪~目黒間では都営三田線と線路を共有し、目黒からは東急目黒線、赤羽岩淵からは埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線と直通運転をしている。東急目黒線は多少の増発(4本程度)があり地下鉄の直通も多少は増やしたが、南北線と比べると極めて小規模であり今回の増発とはギャップを感じる。

つまり、先程の増発は、実は他線と直通しない赤羽岩淵~白金高輪間の線内運転列車の増発が中心で、直通先では埼玉高速鉄道含め(土休日は19時台に2本、終電に1本は足したが)ほとんど増発していないのだ。そのため今回の増発では初終電くらいにしかなかった赤羽岩淵発着が平日・土休日共に19時台以降に概ね毎時2本程度(平日は王子神谷行き含む)に増発し、埼玉高速鉄道線方面へ利用する際に15分程度間隔があく時間帯が増えた。また白金高輪方面もこれまで土休日の夕方以降はほとんどの列車が東急目黒線直通で組まれていたが、今回の増発で白金高輪行きが増発したことにより乗り換えが必要となった。白金高輪では対面乗り換えで都営三田線から来た列車に乗り継げば目黒・東急目黒線方面まで行けるので利便性は実質向上したのであるが、平日・土休日では22時以降では白金高輪で対面接続しない白金高輪止まりの列車も増加し、深夜ではやや接続が悪化したケースも見られる。今回の増発は他線への影響は最小限にし、2016年10月21日に行われた都営三田線単独のダイヤ改正のように線内重視でダイヤ改正を行ったものと思われる。

3. 南北線内運転増加は品川延伸へのアピールか


とはいえ、両側とも他線と直通している東京メトロ南北線が線内で増発しているということはどういうことを意味しているのだろうか。確かに輸送量が伸びたともとれるが(それ以前に土休日夕方は明らかに本数不足だったのだが)、今回の線内重視のダイヤ改正を行った背景には、国土交通省の答申案( https://www.mlit.go.jp/common/001126948.pdf )による南北線品川延伸を見込んでいるのかもしれない。

この国土交通省の答申案(諮問198号)では、東急・京急による蒲蒲線設置やJR東日本による羽田空港アクセス線の新設、東京メトロ有楽町線の住吉延伸、埼玉高速鉄道岩槻・蓮田延伸とともに白金高輪~品川間の地下鉄建設が初めて提起されたのだ。本文を読むと「検討熟度が低く構想段階であるため、関係地方公共団体等において、事業主体を含めた事業計画について十分な検討が行われることを期待」と記載されており、まだまだ計画構想段階であるものの、リニア中央新幹線の始発駅となる品川駅と国会議事堂近くの永田町、東京ドームに近い後楽園、国際的なサッカー試合が行われる埼玉スタジアム21を擁する浦和美園が直結されることは政治的にも庶民的にも非常に有用である。

そしてこの計画の最大のメリットは、非常に経済的なのである。現在JR東海はリニア中央新幹線の建設を進めているが、2027年に品川~名古屋間を開業させ2038年に新大阪延伸まで目論んでいる。リニア中央新幹線は東京駅まで延伸することは地理的に可能な構造とはなっているものの、大深度地下30m以下での建設は1メートル掘るのに1億円かかるとも言われており、東京~品川間の7km掘るだけでも莫大な建設費がかかるほか、その建設費を回収するすべもない。リニア中央新幹線はEX-IC同様運賃一体料金型で、東京都区内は設定されない見込みなので、JR東日本としても東京延伸されたらリニア中央新幹線に乗るまでの在来線きっぷの売り上げが東京~品川分落ちるし、JR東海も品川と東京で料金に差をつけても建設費を回収するにはほど遠い。乗客からしても渋谷・新宿・池袋・総武線千葉方面へは品川からでもほとんど変わらないし、2015年3月14日に上野東京ラインが開業したことにより宇都宮線や高崎線、それに常磐線特急「ひたち」「ときわ」の多くが品川乗り入れするようになり、北陸新幹線の新大阪延伸が決まった今リニア中央新幹線の東京延伸のメリットはせいぜい東京ディズニーリゾートと東北新幹線乗り継ぎくらいしかない。それをするほどなら東京メトロないし東京都交通局が白金高輪~品川間を高々深度15mで2km掘った方がはるかに安上がりで短期間で出来上がり、地下鉄事業者の増収につながる。

また東京メトロ・東京都交通局にも品川延伸によるリニア中央新幹線との接続には言い分がある。現在東京メトロ南北線と都営三田線が直通する東急目黒線は、相鉄東急直通線として日吉~新横浜~西谷間の延伸計画があり、現在鋭意建設中である。しかし相鉄JR直通線含め難工事となっており、当初2019年に開業予定だったにも関わらず2023年春頃に後ろ倒しとなったのだ。この相鉄東急直通線は、相鉄側には都心直結というメリットがあるが東急及び地下鉄側には新横浜で東海道新幹線に乗り換えられるというメリットがあるが、2023年開業ではリニア中央新幹線の開業まで4年程度しかなく、その後の新大阪開業まで考えると明らかにメリットが薄まっている。東急としてはまだまだ計画を進めたいところだが、直通している南北線と三田線からすれば品川に延ばせば東海道新幹線ともリニア中央新幹線とも乗り換えられ、しかも需要増に直結することができるのだ。また2km程度の地下鉄であれば7年程度で着工から完成まで可能であり、2017年現在構想段階であったとしても2020年から着工すれば2027年のリニア名古屋開業に間に合わせることはできるし、リニア名古屋開業後に着工を決定しても2038年のリニア新大阪開業に間に合わせることができる。予定通り相鉄東急直通線が2019年に開業できていれば効果を十分に発揮できる期間を長く持てたが、リニアの起点が2011年に決定されたことによりその意義の一部が薄れてしまい、東京側からの魅力が無くなってしまったのは致し方なかろう。

とはいえ、地下鉄側にも懸念材料がある。それはリニア中央新幹線が東京駅に延伸することである。もしリニア東京延伸してしまったら、地下鉄の白金高輪~品川間延伸の効果が薄れてしまい、経済的にも二重投資となり地下鉄建設の中止および無期延期が濃厚となる。地下鉄品川延伸線が南北線のみの乗り入れとなるのか、都営浅草線から直通で行けるにもかかわらず三田線も乗り入れするのか不透明ではあるが、この地下鉄路線の建設のカギを担っているのは他でもないJR東海である。今後どのような展開になるのか注目したい。

4. 結び


東京メトロ南北線は1日平均輸送人員が51.9万人であり東京メトロ・都営地下鉄の中で一番輸送人員が少ない路線であるが、直通の増強によりこれまで需要拡大を図ってきた。しかし今回のダイヤ改正では直通ではなく南北線内で大きくテコ入れが行われ、利便性を向上させることに成功した。今後の延伸とダイヤ改正に期待したい。

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2017年06月02日

サッカー効果で土休日に増発! 大阪モノレールダイヤ改正(2017年6月3日)

大阪モノレールは5月1日、プレスリリースにて明日6月3日にダイヤ改正を行うと公表した( https://www.osaka-monorail.co.jp/monorailwp/wp-content/uploads/2017/04/f70051a9cf0e5421c50aa28b28c1b82a.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. 平日朝ラッシュ時は大幅な見直し

今回のダイヤ改正では平日朝ラッシュ時を中心に大幅な見直しが行われる。本線・彩都線ともに朝の運行間隔が7分30秒間隔から8分間隔程度に拡大し、その補完として彩都線列車のうち1本が千里中央~大阪空港間を延長して運行することとなり、彩都線初の大阪空港直通列車が誕生する運びとなった。

本線に関しては平日朝は若干の変更程度で済んでいるが、彩都線にとってはかなりの変更となる。平日朝に行っている千里中央乗り入れのうち、半分を万博記念公園止めに短縮するのだ。これまで平日朝は彩都線どれに乗っても大阪市街地に直結できる山田・千里中央まで1本で行けたが、今回の改正で運行間隔が本線同様7分30秒間隔から8分間隔に延長し、千里中央乗り入れも7分30秒間隔から16分間隔に増大し、のこり半数は昼間同様万博記念公園で本線に対面ながらも乗り換える必要が生じることとなった。

大阪モノレールでは2017年4月より行政の補助により神戸新交通(ポートライナー・六甲ライナー)や金沢シーサイドラインとともに通学定期券の値下げを行った。行政補助なので企業側の負担増にはならないはずなのだが、通学需要の引き留めには至らなかったのであろう。一連の減便で2運用が削減され、1989年に製造された1000系の走行距離減少に伴う延命対策になるものと思われる。

その他終電対策としては、門真市発大阪空港行きを1本増発し8分終電を繰り下げた代わりに彩都線方面の接続最終列車を2分繰り上げたり、大阪空港発万博記念公園行き終前列車を南茨木行きに延長して混雑緩和を狙っているようだ。

2. 土休日夕ラッシュは増発


今回の2017年6月3日ダイヤ改正では、土休日の16時台~18時台を中心に本線千里中央~門真市間で8本(おおよそ20分間隔)が増発される。これは2016年よりJ1のサッカークラブチームガンバ大阪が万博記念競技場から収容能力の高い市立吹田サッカースタジアムにホームグラウンドを移したことにより、大幅な需要拡大につながったためだと思われる。大阪モノレールでは5月まで臨時列車として適宜混雑が予想される時間帯に千里中央~門真市間で5分間隔運行を行ってきたが、今回はその一部が定期化された形となった。これによりサッカー帰りでの大阪モノレール利用がはかどり、北大阪急行(地下鉄御堂筋線に直通)、阪急千里線(地下鉄堺筋線に直通)、阪急京都本線、地下鉄谷町線、京阪本線への乗り継ぎが便利となり、万博記念競技場時代に公式アクセスルートとして用いられたJR茨木駅から阪急バス・近鉄バスで向かうルートを牽制する形となった。

3. 彩都線は昼間の10分間隔時間帯が増加


また今回のダイヤ改正では彩都線も平日・土休日共に15時台が20分間隔から概ね10分間隔となり、3本増発された。彩都線は周辺の競合が激化しており、2020年度には北大阪急行の新箕面延伸により彩都線沿線から新箕面方面(現状では千里中央方面)の阪急バスが増強され、需要が吸い取られる可能性が高くなるものとみられる。平日朝は減便となり想定通りとはいかないようだが、昼間は多少増便したとはいえ今後さらに厳しさを増しそうだ。

4. 結び


今回の大阪モノレールのダイヤ改正では土休日の需要増加に伴い臨時列車の一部を定期化するに至ったが、一方平日朝は全面的に減便の様相となり通学定期券の値下げの甲斐もむなしく需要を取り込むことはできなかったようだ。今後2020年度の北大阪急行の延伸で彩都線を中心に需要が落ち込む可能性があるが、今後の展望に期待したい。

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2017年05月28日

新車導入でさらなる増発! 都営日暮里・舎人ライナーダイヤ改正(2017年5月29日)

東京都交通局は5月10日、プレスリリースにて明日2017年5月29日に日暮里・舎人ライナーにてダイヤ改正を行うと公表した( https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/pickup_information/news/pdf/2017/sub_i_20170427_h_01.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. 1年半ぶりのダイヤ改正

今回行われる2017年5月29日の日暮里・舎人ライナーのダイヤ改正では、朝に2本列車が増発され、朝ラッシュ時が毎時17本から毎時18本に増強された。2016年9月に都営三田線で行われたダイヤ改正同様では朝1本のみの増発であったが、これは新型車両520形の導入によるもので、この時期のダイヤ改正になったのは新車の製造を待って行うためだったと思われ、今回の増発で朝ラッシュ時の混雑率は183%から173%に低減する見通しであるが、最新の情報である2015年より大きく輸送量が伸びている可能性が高く、混雑率は180%前後で推移するのであろう。

日暮里・舎人ライナーは2008年3月30日の開業以来需要が急速に拡大し、同日開業の横浜市営地下鉄グリーンラインとは異なりほぼ毎年増発を重ねてきた。これまでのダイヤ改正は朝晩の列車の増発が多く、これまで昼間の増発も2度行われてきたが、今回のダイヤ改正は過去7回行われてきたものと比べると極めて小規模で、たった朝に1本しか増発しない。ということは、昼間と平日夕ラッシュ時の供給量が見合うものとなり、車両増備のかかる朝のみが気がかりということになったのだろう。都営三田線は約半年後に東急目黒線への直通増強を図ったことから、日暮里・舎人ライナーも今年2回ダイヤ改正を行うの可能性もあり、今後も注目である。

2. 日暮里舎人ライナーは新交通で十分なのか

しばしば日暮里・舎人ライナーの朝の混雑率(180%超)を見ると、本当に日暮里・舎人ライナーは新交通システム(AGT)の開業でよかったのだろうかという意見を聞く。確かに開業時の想定が甘かったのかもしれないが、通常行政が水増しして需要予測を書くとすると今回は公正に近い方法でやられていたと思われる(もし水増ししていたのであれば横浜市営地下鉄グリーンラインのように昼間1本に20人乗るか乗らないか状態になるわけで)。東京都全体も当時黒字であったとはいえ、交通局自体なかなか赤字から脱却できず18年間新卒採用をしなかった苦い過去があることから、相当慎重に計画を練ったのであろう。今の輸送量を見て見ると、ミニ地下鉄くらいならよかったかもしれないが普通鉄道にしては過大投資となるレベルであり、開業当初の混雑率からしても新交通システム(AGT)5両編成で十分であたっと思える。

ではどこに不覚があったかというと、設備に余裕を持たせなかったことではなかろうか。同日開業の横浜市営地下鉄グリーンラインは4両編成で運行されているが全駅6両での運行が将来的に可能な設計となっている。東京メトロ南北線や都営三田線、東急目黒線(地下化区間)は6両での運行であるが8両での運行に備えている。現在東京近郊ではJRを除き10両を超えての運行はないから10両を超えてあらかじめ設備が用意されていることはほぼ無いが、日暮里・舎人ライナーは先例として東京都が出資する1995年開業の東京臨海新交通ゆりかもめが1両多い6両で運行されているではないか。新交通システムでも六甲ライナーは4両編成であるが、将来的に6両運行できるように設計されている。これは、ポートライナーの輸送力不足による反省によるもので、6両編成で開業しその後ポートアイランドの急速な開発に供給が追い付かず、結果朝ラッシュ時毎時28本という驚異的な輸送量となってしまった。その反省をどうして生かせなかったか悔やまれるところだが、日本の新交通システムは最大6両なので、どう考慮しても6両での設計が限度であったのだろう。とはいえ5両までの設計で、しかもある程度定員を絞らないと輸送できないというのはさすがに縛りすぎたのではないだろうか。それゆえ開業から10年足らずで3形式という前代未聞の事態となっている。川の中州に取り残された足立小台にまさか開業後ケーズデンキが建つなんて誰も想像できなかった事態ではあるが、せめて6両にできなかったのが悔やまれるところだ。

3. 結び

今回のダイヤ改正では、朝の混雑率緩和が期待できるものの、まだまだ新交通システムとしては混雑率がトップであり、東京近郊の鉄道でもJR総武線緩行、東京メトロ東西線、JR横須賀線、小田急小田原線、JR南武線、JR中央線快速、東急田園都市線、JR埼京線に次いで指折りの混雑率を今も誇っていて予断を許さない状況である。今後の増発に期待したい。

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