2017年06月30日

651系普通運用化とE531系追加投入でE501系東北本線転属か JR東日本水戸支社・仙台支社ダイヤ改正予測(2018年3月予定)

JR東日本水戸支社は6月23日、プレスリリースにて7月22日よりかつて特急「スーパーひたち」に使用されていた651系を普通列車として運用すると公表した( http://www.jrmito.com/press/170623/press_01.pdf )。またJR東日本は2017年内に常磐線普通電車用E531系を40両増備しようとしている。今回はこれらについて見ていく。

1. 651系、普通列車として運用定期化へ

今回のJR東日本水戸支社のプレスリリースによれば、7月22日より常磐線いわき~竜田間で特急型車両651系4両による普通列車が2往復運行される。このうち1番列車となるいわき9時22分発竜田行きは、いわきにて特急「ひたち1号」から4分の接続で運行しており、朝の東京・上野からの利用にもってこいの運行時刻となっている。

特急型車両の間合い運用による普通列車運用はかつてしばしば見られたが、現在ではホームライナーでの運用を除きほとんど無くなってしまった。しかもこれまでの間合い運用はあくまで車庫から特急発着駅までの間の回送列車を普通列車として旅客営業するものであり、今回のように定期運用から退いていた編成をわざわざ引っ張り出して就かせるものではない。では一体なぜかつて特急「スーパーひたち」として運用されていたものの現在定期運用のない水戸支社の651系4両編成を使用することになったのか、考察してゆきたいと思う。

1.1. 651系投入は常磐線全線復旧後の特急運行のためか

JR東日本では2020年を目途にJR常磐線を全面復旧させる方針をとっている( https://www.jreast.co.jp/press/2015/20160307.pdf )。これまで常磐線が比較的長い区間で復旧した際には震災前と同水準の運行本数を確保しており、もし常磐線が全面復旧するのであれば、震災前までいわき~仙台間で運行していた特急列車を復活させる可能性が高い。

かつて運行されていた特急「スーパーひたち」は上野発着であったものの、いわき~原ノ町間は6往復、原ノ町~仙台間は4往復(ただし超繁忙期は5往復)の運行で、原ノ町発初電の14号と原ノ町行き最終の53号は7両編成だったものの他の列車はいわきで増解結を行うため4両編成であった。しかし震災直前の2010年12月には、現在の常磐線特急「ひたち」「ときわ」用車両E657系を導入するのと引き換えに、特急列車をいわきで系統分割する方針が記載されていた( http://www.jreast.co.jp/press/2010/20101206.pdf )。2011年に震災があり常磐線がいわき~仙台間で断続的に不通となったことで特急列車が運行できなくなったことから、いわきより南の区間のみ車両置き換え計画が進み2013年3月16日のダイヤ改正以降特急列車はE657系10両編成による運行でほぼ統一された。

しかし当初の計画でいわき~仙台間を運行する特急列車として運用するはずだった当時特急「フレッシュひたち」用だったE653系は全編成が特急「いなほ」「しらゆき」に転用改造され、常磐線から離れてしまった。また福島県・宮城県内での常磐線復旧工事では交換可能駅の有効長が8両までとなっており、震災前に行われていた上野までの直通運転による特急運行はE657系が10両編成であることから不可能となってしまう。かつての特急「スーパーひたち」用651系は高崎線特急「あかぎ」や伊豆方面観光列車「伊豆クレイル」などに転用され転属していくものの、水戸支社に7両編成3本と4両編成2本が配置され、ときより臨時列車を設定して運用していた。

つまり、水戸支社に残った特急型車両651系は来る常磐線の全面復旧時にいわき~仙台間を運行する特急としてあえて温存しているのではなかろうか。かつての特急「スーパーひたち」と同型車両であれば、正に震災前と同じ雰囲気にはなり、復興の象徴にもなりうると考えられる。またJR東日本としても特急型車両同士で事前にいわき乗り換えさせることにより、今後いわき~仙台間のみで運行される特急の運行をスムーズに行うつもりなのかもしれない。

1.2. 651系投入は富岡復旧時の1運用増加によるものか

次に考えられるのが、2017年10月ごろを予定に実施される予定の常磐線竜田~富岡間の復旧である。竜田~富岡間は営業キロにして6.9kmあり、もし復旧すれば車両運用が1運用増えることになりそうだ。復旧は10月頃だとしても事前に試運転が必要で、それより前から準備しなくてはならない。現在いわき~竜田間ではE531系5両編成による運用のみとなっているが、もともといわきより北の区間では701系などの交流専用車が使われていたこともあり、水戸支社の車両より仙台支社の車両を多く使用していた。現在は線路が寸断されているためいわきと仙台を常磐線経由で結ぶことは不可能であるが、もし常磐線全面復旧となれば再び701系などの交流専用車が再びいわきに乗り入れる可能性がある。交直両用車のE531系は5両編成と10両編成しかないが、交流専用車の701系やE721系は仙台エリアの場合2両編成または4両編成なので、小回りが効くし5両運用するより省エネなのでなおさらだ。

となると、常磐線全面復旧時にはいわき以北ではできるだけ交流専用車である701系やE721系を運用したいのは自然で、できるだけ製造コストのかかり長編成となってしまう交直両用車のE531系は製造したくないはずだ。となれば既存の車両で何とかやりくりしたい。復旧は10月頃だとしてもその前に試運転を行いたいから8月までには運用増加分の車両を導入したい。そこで長きにわたり眠りについていた651系車両に白羽の矢が立ったのではないだろうか。このような状況からすると、651系の普通列車運用は2020年頃に予定されている常磐線が全面復旧し特急運転が再開されるまで続けられるのではなかろうか。

2. E531系を年度内に増備へ

また今年度2017年度中にE531系をさらに40両投入するという。内訳は10両編成の基本編成が3本と、5両編成の付属編成が2本となる見込み。2016年3月26日のダイヤ改正では5両編成の付属編成を投入することにより415系ステンレス車4両編成を淘汰し、茨城県内の車両を全てJR型車両に置き換えた。これにより常磐線・水戸線とも大多数のE531系とE501系になった。

2.1. E531系増備は、E501系を水戸線乗り入れを除き撤退させるためか

常磐線では2007年より上野(後に品川も)発着の普通列車に対しグリーン車を設定し、軒並みE531系に置き換えたことにより、たった60両しかいないE501系が余剰となってしまった。5両編成は水戸線で活躍しているが、10両では常磐線の水戸以北でも輸送力として余り気味で、水戸線では運用されない。現在10両編成の基本編成は4編成4運用となっており、点検時はE531系5両+5両で運行されるが、4運用使うのは朝だけでそれ以外の時間帯は2運用がせいぜいである。また乗り入れの南限が土浦となってしまっており、回送による運行コストの浪費も抑えたいところだ。

E501系は平日の朝こそ土浦発2本といわき発・草野発各1本(及び土浦発の1本が高萩で折返し土浦行きとして戻る1本)の設定であり、土浦~高萩間はグリーン車自由席の連結しているE531系10両編成で置き換えることができるが、いわきやその北の草野発でE531系10両編成を運行しようとすると、グリーン車自由席を連結するため高萩~いわき間の各駅にSuicaグリーン券売機を設けなくてはならず、非効率だ。そのためE531系のうち10両編成2本(主に朝の茨城県内用)と5両編成2本(終日運用用)でもってE501系を置き換え、E501系を水戸線直通を除く常磐線から撤退させようとしているのではなかろうか。

2.2. E501系は黒磯駅が完全直流化する東北本線に転属か

ではなぜE501系を追い出そうという発想にそもそもなったのか。1つは先述のように土浦折返し時に佐貫まで回送しなくてはならないところを、E531系にしてしまえばそのまま直通できるようになるため。2つ目はJR東日本は地方線区で原則減車したいと考えており、拡張車体のE531系を導入すれば編成が短くなっても輸送できること。実際上述の置き換えを行えば10両削減することができる。3つ目は2017年度末に工事が完了しようとしている東北本線黒磯駅の構内全直流化と、北隣の高久駅寄りにデッドセクションを設けることにより交直セクションの設置が絡んでいるのではないだろうか。

現状、東北本線の普通列車は栃木県の黒磯で完全に系統分離がなされている。黒磯より南側の直流電化区間では宇都宮線の愛称が付けられ、グリーン車自由席を連結したE233系やE231系が10両や15両(宇都宮以南)で運用されるほか、最近ではかつて京葉線で用いられていた205系が4両編成に短縮され、主に宇都宮~黒磯間で運行している。対して北側の交流電化区間ではE721系や701系が2両編成単位で運用され、最大でも6両までの運用と南側より小ぶりとなっている。

通常直流電化と交流電化を跨ぐ区間では、521系(JR西日本北陸本線)やE531系(JR東日本常磐線)、TX2000系(つくばエクスプレス)、415系(JR九州山陽本線)などの交直両用車を用意したり、電力による制御をあきらめET122形(えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン)やキハ110系(JR東日本羽越本線)、亜種としてはHB-E210系(JR東日本仙石東北ライン)など気動車を用いることで代用しようとしている。これは駅構内で直流と交流を切り替えられるように設計されておらず、駅間で調整する必要があるためで、気動車が用いられている場合はもっぱら輸送量が小さい場合に限られる。これまで東北本線が黒磯を境に南側は直流専用車、北側は交流専用車で棲み分けできたのは黒磯駅構内で交直切り替えが可能だったためであり、駅構内での交直切り替えが非常に手間であり保守もままならないことから他のデッドセクション同様駅間に移すこととなった。しかし駅間に移すということは直流電化と交流電化を跨ぐ車両が必要となる。

現時点では東北本線向け交直流両用車両または気動車の新製は知らされておらず、新形式が入るとは思いにくい。交直両用車が黒磯~郡山間で運行するとなれば4運用が必要(現行の新白河・矢吹発着は従来通りE721系などの交流専用車で運行すると仮定)となり、E501系のように4編成しかないのに4運用にしては東北本線のデッドセクション区間では助けられる車両がないことから6編成は必要になるのであろう。もし平日朝のみ新白河乗り継ぎになるのであれば終日に渡り2運用で済むのであるが、それでも何かしらの車両は用意したい。もし終日黒磯~郡山間で運用に就かせるのであれば4両編成での導入が妥当だと思われ、予備車含め24両必要となるため、気動車での運用は費用対効果を見てもよくはないし、郡山車両センターに磐越東線用キハ110系列がいて整備はできるとしても、近い将来に導入される予定の電気式気動車の方に力を入れたわけであって、デッドセクションの移動に伴って従来型気動車を入れたくはないだろう。次回の2018年3月のダイヤ改正までに間に合わせたいのであれば、新車であれば今頃報道があってもおかしくないはずだ。

とはいえ東北本線にE531系を投入してしまうと、南側ではせっかく共通運用にしたE233系とE231系と別運用を組まざるを得ず運用が特にダイヤ乱れ時に厄介となり、東京から郡山までの直通運転がもし願望なのだとしたら5両編成ばかり製造させてE233系やE231系の基本編成とE531系の付属編成が連結していればいい。しかしそうはならなかったということは、常磐線のE531系比率を高めたうえでE501系10両編成を東北本線に転属させ、209系が房総各線に転用されたのと同様に短縮工事を受けて営業運転するようになるのではないだろうか。そうすれば常磐線としても運用の無駄が少なくなり、東北本線も無事低コストで交直両用車両を手に入れることができるようになるのではないだろうか。

もし黒磯駅構内直流電化化によって運用が変化する場合、工事自体は2017年12月を目途に終わるようだがダイヤ改正の反映はどうなるのだろうか。近年JR東日本仙台支社ではJR東日本本社含め他のJR線と独立してダイヤ改正を行っている。2015年は5月30日に仙石東北ライン開業により仙台駅より北側で大規模なダイヤ改正を行ったり、2016年8月26日には仙石東北ラインのうち1往復を女川乗り入れ延長するのに伴いダイヤ改正を実施したり、2016年12月10日には常磐線復旧に伴う大規模なダイヤ改正が行われている。仙台支社管内は新幹線を除き特急列車の運行が中止されておることからこのような柔軟なダイヤを組むことができ、黒磯駅が完全直流化するのであれば2018年3月より前にダイヤ改正を仙台支社独自で行う可能性もあるのではないだろうか。

3. 上野東京ライン常磐線系統も増発可能に

今回増備されているE531系は10両編成3本と5両編成2本であろうと述べたが、E501系転属関連を入れても10両編成1本が余る。この1本は一体何に使われるのであろうか。何故か常磐線の横浜乗り入れを主張する者もいるようであるが、東京~横浜間は東海道線の他に横須賀線も走っているので運行本数が多く、専用運用を組まなくてはならない常磐線E531系が横浜まで伸びるとは到底考え難い。もし万が一にもあり得るとしたら、2019年度末(2020年3月予定)の相鉄JR直通線開業により、蛇窪信号所(横須賀線と湘南新宿ラインが分岐のため平面交差する箇所)が逼迫し、横須賀線を減らさざるを得ないために東海道線を増発せざるを得ない場合くらいであろう。相鉄JR直通線が常磐線と直通する場合にはモノクラスのE231系緑の快速で十分であるからE531系の増備とは無縁と思われる。

そうなると平日朝の増発ともなるわけだが、混雑率も東京圏としてはさして高いわけではなく、地下鉄千代田線の直通する常磐緩行線の混雑の方がどちらかというと気がかりになるレベルだ。となると昼間や平日夕ラッシュ時の品川乗り入れ増発ということになるのだろうか。上野~品川間は20分あれば行けるから、1運用増やせば毎時1本を上野発着から品川発着に延長することができる。先述のE501系10両編成の置き換えが2017年E531系増備の主目的だったとしても故障に強いE531系に予備編成を1編成増やす理由がないし、E501系置き換え目的と想定すると増備されるE531系10両基本編成2本は朝に茨城県内でしか使用されない贅沢ダイヤとなっており、運行本数がそのままだとすると昼間のE531系の編成稼働率が下がることになる。そのようなことを考えると、昼間や平日夕ラッシュ時の常磐線品川乗り入れが拡大するのではないだろうか。

ではもし常磐線の品川乗り入れが増加するとして、どのように増発されるのか。現在上野東京ラインは高崎線・宇都宮線が昼間はそれぞれ毎時3本ずつあるのに対し、常磐線は特急「ひたち」「ときわ」が毎時2本乗り入れることもあり(そんなこと言ったら東京駅には東北新幹線や上越新幹線が乗り入れているが)、常磐線の料金不要列車は昼間毎時2本の乗り入れしかない。しかもそのうち毎時1本は特別快速であり、品川・新橋・東京から常磐線特別快速通過各駅(三河島・南千住・我孫子・天王台)に直通する列車は昼間毎時1本しかない。この4駅より乗降人員が少ない尾久は昼間毎時6本の東京・品川直通があるにもかかわらずだ。また足立区の中心駅である北千住からも昼間毎時2本しかなく、利便性が高いとは言えない。上野東京ラインは開業後2年を目途に増発を検討しているとしていたが、2017年3月4日の常磐線ダイヤ改正では特急「ひたち」「ときわ」を1分短縮するに過ぎなかった。そうなると上野東京ライン開業3年となる2018年3月のダイヤ改正にて常磐線普通列車の品川乗り入れ毎時3本化はあり得るのではないだろうか。

しかし昼間を増発するということは昼夕輸送力比を踏まえると平日夕ラッシュ時にも増発しなければならないということになる。現状では品川に乗り入れる常磐線は青の快速であっても緑の快速であっても原則終日15両であるが、増発するのであれば昼間の一部は10両で抑えてくるのではないだろうか。平日夕ラッシュ時においても高崎線・宇都宮線はせいぜい毎時4本ずつであって常磐線を増発するとしても品川発18時台と19時台に毎時4本にするくらいしかないのであろう。

4. 結び

今回の651系特急型車両による普通列車運用の定期化は、常磐線全面復旧に伴う運用を見据えたものとなっている。またE531系の増備は東北本線黒磯駅構内完全直流電化化の進展によるものの可能性が高く、2018年3月までに行われるJR東日本仙台支社ダイヤ改正は大きな話題となりそうだ。今後どのようになるのか見守ってゆきたいと思う。

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posted by 快速++ at 12:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 将来のダイヤ改正予測 | 更新情報をチェックする
2017年06月23日

大和路関空快速と特急くろしお・はるか、なんば・梅田乗り入れか JRなにわ筋線ダイヤ改正予測(2031年予定)

JR西日本は5月23日、なにわ筋線を大阪府や大阪市、南海電鉄、阪急電鉄とともに整備する方針であるとすると公表した( https://www.westjr.co.jp/press/article/2017/05/page_10496.html )。前回の南海のダイヤ改正予測時にルートと南海のダイヤ改正予測を立てたので、今回は運賃関連およびJRなにわ筋線とその周辺のJR線のダイヤ改正予測について見ていく。

なにわ筋線のルートと南海の梅田延伸を伴うダイヤ改正予測についてはこちら!

1. 加算運賃は設定できても運賃計算キロか

今回の2031年なにわ筋線開業では、JR線として新大阪~天王寺間の最短経路が大阪・天満経由から北梅田・今宮経由に変更となりそうだ。新線開業の場合建設費回収のため加算運賃を設定するのが恒例となっているが、関西空港線など末端部では容易に設定できるが、なにわ筋線の場合両側に接続線がありかつ他に迂回路があるため、加算運賃の設定が難しいのだ。もし設定しようとするなれば中間改札が必要となるが、南側はJR難波や新今宮、天王寺など直通列車が多く大阪環状線とも対面乗り換えとなるので設置は不可能で、北側も新大阪に設けようとするとおおさか東線の北梅田乗り入れはどうなるとか、特急「くろしお」「はるか」を京都~天王寺間を通しで利用した際にICOCAと特急券を組み合わせて利用した際に運賃を最安値で計算してしまい正しい経路の運賃が取れないという問題が生じる。そこでさらに京都駅30番線(特急「はるか」用ホーム)にも中間改札を設ける話にもなってしまうが、今度は特急「はるか」が琵琶湖線米原始発として運行されたら、高槻に停車する特急「はるか」だったらということになるとキリがなくなる。前例として1997年3月22日に開業したJR東西線は片町(大阪城北詰)~京橋間を大阪環状線内から外すことには成功したが両端が他線と接続されており塚本(JR神戸線)・大阪・天満(大阪環状線)経由の迂回路があることから、加算運賃を設定できなかった。利用実態としては大阪環状線外の電車特定区間への利用が主であったので開業前と比べても運賃は変わらなかった(ちなみに尼崎~京橋間はJR東西線よりもJR神戸線・大阪環状線経由の方が短いため、安くなることはなかった)。

そこで今回もなにわ筋線が最短ルートになるかどうか試しに実キロを試算するとJR難波基準で西本町が1.7km、中之島が3.0km、北梅田が4.5kmとなる。北梅田と大阪駅は非常に近接しており、同一駅扱いするとなれば大阪~天王寺間は大阪環状線廻りの10.7kmからなにわ筋線・大和路線経由の9.0km程度に短縮されることになる。もしこれがそのまま営業キロに適用されれば2017年現在の運賃で大阪~天王寺間はJR線で190円から180円に値下がりすることになる。大阪駅から阪和線・大和路線への利用も多いこと、特に東海道新幹線・山陽新幹線から特急「くろしお」利用では軒並み1.7km程度縮み、運賃のみならず特急料金も値下がりする区間があり(新大阪~簑島間が通常期指定席で1920円から1490円に値下がり)、既に阪和連絡線経由での大阪環状線直通によりキタ乗り入れを果たしているJR西日本からすれば梅田への特急列車以上に減収減益が予想されるのだ。それを防ぐには、東武小泉線のように迂回路と営業キロが同じになるようにJRなにわ筋線に運賃計算キロを設け、本来4.5km程度の北梅田~JR難波間に6.2kmの運賃計算キロを導入することにより、少なくとも現状維持を狙える。ただ、欠点としては運賃計算キロの設定が地方交通線を上回っていること。地方交通線の加算賃率の設定自体当時の日本国有鉄道で大きな問題となったため利用者への理解が必要にはなりますが、これ以外にJRなにわ筋線に加算運賃を設ける術はないことだろう。

2. なにわ筋線は阪和線・大和路線双方から乗り入れか

前回南海のダイヤ改正予測について触れた際に南海なにわ筋線は南海本線の梅田延伸だと述べたが、JRではどうなるのか。JRなにわ筋線は北梅田とJRなんばを結ぶ路線となっており、北梅田は東海道貨物線(開業前におおさか東線の駅として開業している可能性有り)、JR難波は関西本線(大和路線)の駅である。東海道本線の支線とも取れなくもないが、関西本線(大和路線)の延長と取った方が旅客的にも自然なのだろう。

とはいえ南海が梅田から関西空港まで一本で結ぼうとしていることは明らかで、現状JR西日本も大阪環状線経由で阪和線方面特急「くろしお」「はるか」を阪南方面から新大阪・京都へ運行していることからも阪和線列車がJRなにわ筋線に乗り入れることは間違いない。現在大和路線しか乗り入れないJR難波になにわ筋線開業時に阪和線列車が乗り入れることは間違いなさそうだ。

そこで、今回は大阪市内の旅客流動を見ながらJRなにわ筋線にどのような列車が乗り入れるのか、阪和線と大和路線に分けて見ていく。

2.1. 阪和線は特急と関空快速/紀州路快速がメインか

ダイヤ改正予測を行うためにはまず2017年現在阪和線の昼間及び平日夕ラッシュ時を走る列車に運行されている列車から見ていく。阪和線を運行する列車は主に以下の通り(特記無ければ双方共通・天王寺発着)。
  • 特急「くろしお」毎時1本(大阪環状線直通)
  • 特急「はるか」毎時2本(大阪環状線直通)
  • 関空快速/紀州路快速毎時4本(大阪環状線直通)
  • 区間快速毎時4本(平日夕ラッシュ時は快速に格上げ・平日夕ラッシュ時はうち毎時2本が和歌山発着)
  • 普通毎時4本(平日夕ラッシュ時は毎時5本)

以上となっており、昼間は毎時15本、平日夕ラッシュ時は毎時16本の運行となっている。阪和線は天王寺発着が多いことを考えればなにわ筋線開業後も線路容量の関係で直通が抑制されることは明らかであろう。そのため阪和線の場合天王寺発着列車である普通と区間快速(平日夕ラッシュ時は快速も)はなにわ筋線開業後も天王寺発着のままとなるのであろう。特に特急「くろしお」「はるか」は新大阪~西九条間の東海道貨物線で単線となり、昼間でさえ毎時3本捌いていることや周辺のJR京都線や大阪環状線ののダイヤ過密なこともありボトルネックとなっており、2023年3月に北梅田駅の開業と東海道貨物線の地下化を予定しているものの配線が複雑なことから遅延がなかなか回復できない原因となっており、USJ対策で一部西九条に停車する列車もあるものの原則特急は天王寺~新大阪間ノンストップであるから複線のなにわ筋線に乗り入れない理由がない。特急の梅田停車による需要拡大を見込んでいることも考えると、自然に特急「くろしお」「はるか」と関空快速/紀州路快速がなにわ筋線直通となるのではないだろうか。特急「くろしお」に関しては現状通り原則新大阪発着、特急「はるか」に関しては原則京都発着になるものと思われるが、関空快速/紀州路快速は南海空港急行同様なにわ筋線内は各駅に停まる可能性が高く、なおかつ要望は出ているものの南海列車は北梅田までしか乗り入れない予定に2017年現在ではなっていることから、関空快速/紀州路快速に関しては東海道新幹線・山陽新幹線が接続し、将来的にはリニア中央新幹線や北陸新幹線も乗り入れる予定の新大阪まで乗り入れるのではなかろうか。

その他、東海道貨物線直通の阪和線列車として和歌山4時54分発B快速新大阪行き、新大阪22時44分発快速御坊行きもあるが、この2本の列車もなにわ筋線に乗り入れるのではないだろうか。そうなると大阪環状線各駅から新大阪アクセスが低下するようにも見えるが現状でも1往復しかないこと、大阪環状線・JR京都線共に運行本数に恵まれていることから、列車の補完はしないのであろう。

2.2. 大和路線もなにわ筋線に乗り入れか

次に大和路線についても2017年現在の運行本数から見ていく。(特記無ければ双方共通・JR難波発着)
  • 大和路快速毎時4本(大阪環状線直通・平日夕ラッシュ時は区間快速に格下げ)
  • 快速毎時2本(昼間は高田・平日夕ラッシュ時は奈良発着)
  • 直通快速毎時2本(平日夕ラッシュ時のみ・おおさか東線直通)
  • 普通毎時4本(平日夕ラッシュ時は毎時6本)

以上となっており、天王寺基準で見れば昼間は毎時10本、平日夕ラッシュ時は毎時12本の運行となっている。大阪環状線と構造上直通できるにもかかわらず現状でもJR難波発着列車の方が多いこと、また南海本線や阪和線の列車が多数直通することを考えればなにわ筋線開業後も線路容量の関係で直通が抑制されることは明らかであろう。しかし、南海なにわ筋線と異なりJRなにわ筋線は梅田から難波のみならず天王寺も一直線に結ぶ。難波は少し外れた場所とはいえ加算運賃を現状より高値で設定しない限りは多くの利用が予想され、関空快速/紀州路快速の毎時4本では捌けない可能性が高い。そこで関空快速/紀州路快速の混雑を緩和してより多くの長距離利用者に利用してもらうために終日さらに運行本数を多くする可能性が高い。そうなると、遠距離の運行かつ難波に乗り入れる近鉄との競合を考えて大和路快速もなにわ筋線に乗り入れて難波と梅田を両取りしに行くのではないだろうか。

残りのJR難波発着の快速・普通電車については現状通りJR難波発着のまま置かれるものと思われる。JR難波駅については既に2面4線で整備されており、なにわ筋線が開業しても折り返すにはもってこいである。直通快速などおおさか東線直通列車については2019年3月のおおさか東線新大阪開業および2023年3月の北梅田延伸もあることからそちらの方で大きなダイヤ改正が見込まれるが、大和路線から新大阪へ向かうには2031年のなにわ筋線開業後の時点であってもなにわ筋線経由より久宝寺からおおさか東線経由の方が距離が短く、JR宝塚線の昼間に大阪~宝塚間を毎時2本運行する225系ないし223系4両編成快速がもし新大阪経由でおおさか東線久宝寺まで乗り入れして快速運転を行えばより所要時間が短縮される。つまり大和路快速は北梅田までは乗り入れる必要はあるが、新大阪に乗り入れる必要はないのだ。となれば、大和路快速のなにわ筋線乗り入れは北梅田までとなるのであろう。

2.3. 停車駅はどうなる

阪和線と大和路線の直通列車のダイヤ改正予測の見当がついたところで停車駅についても考えていく。関空快速/紀州路快速・大和路快速については南海空港急行同様なにわ筋線内は各駅に停車し細かな需要を集めるものと思われるが、特急「くろしお」「はるか」については2023年3月の北梅田開業で北梅田に停車するのはほぼ必須で、さらにはミナミの繁華街・JR難波に停車する可能性も高い。単線区間がなくなり距離も短くなるのに特急「くろしお」「はるか」がなにわ筋線開業により僅か2分しか短縮しないのは停車駅が増えるためではなかろうか。

2.4. おおさか東線のなにわ筋線乗り入れはあり得るのか

2019年3月に新大阪延伸を果たし、2023年3月に北梅田乗り入れを果たす予定のおおさか東線であるが、2031年のなにわ筋線開業により直通するのであろうか。前回の南海なにわ筋線のダイヤ改正予測ですでに毎時8本、今回の阪和線と大和路線直通で毎時11本、合計毎時19本も運行しているのである。この中におおさか東線の普通電車を入れる余地はないものと思われ、なにわ筋線開業前同様北梅田発着になるのであろう。

3. なにわ筋線開業による他JR線への影響は

前回記事ではなにわ筋線開業に伴う他の私鉄路線(京阪中之島線や阪神なんば線など)や地下鉄(御堂筋線や中央線など)について見てきたが、今回はJR線について見ていこうと思うが、JR線だけで見ていくと2019年3月のおおさか東線新大阪開業、2023年3月の北梅田駅設置と東海道貨物線地下化など大幅なダイヤ改正が予想されており、そのあとに実施される2031年のなにわ筋線開業の際には周辺の鉄道ダイヤ環境が大幅に変わってしまっている可能性があるのでご容赦いただきたい。

3.1. 大阪環状線

今回のなにわ筋線開業で一番ダイヤ改正を行わざるを得なくなるのは大阪環状線であろう。関空快速/紀州路快速のなにわ筋線乗り入れは必須で、近鉄との競合や混雑の面から見ても大和路快速のなにわ筋線乗り入れは避けられそうにない。現在環状線と名乗っているのに周回列車より他線直通列車の方が多い大阪環状線にとっては大きな痛手だ。そのまま減便してしまえば、終日に渡り毎時8本を失うことになる。

そこで、大阪環状線自体にいったい何本の列車が必要なのか、昼夕輸送力比(適正値60〜78%/推奨値66%~75%)を用いて逆算してみる。現在平日夕ラッシュ時は西九条~大阪~京橋~鶴橋~天王寺間で毎時16本、西九条~弁天橋~天王寺間(大和路線除く)では毎時12本となっている。西九条を境に運行本数が変化しているのは、その分JRゆめ咲線に直通しているからだ。適正値に合うように昼間の本数を計算していくと15分サイクルダイヤも考慮して西九条~大阪~京橋~鶴橋~天王寺間で毎時12本、西九条~弁天橋~天王寺間では毎時8本で十分なようだ。つまり大きく見ていけば昼間は周回運転が毎時8本、JRゆめ咲線大直通が毎時4本で済むということになる。2011年3月のダイヤ改正まで行われていた昼間のUSJと大阪駅の直通が復活しそうだ。

次に現在関空快速/紀州路快速・大和路快速が補完している周回列車がなにわ筋線開業後どの列車ができるかについて見ていく。大阪環状線の普通列車は8両編成で、快速電車も大和路快速の一部が6両なことを除いて8両編成である。昼間の場合、阪和線区間快速や大和路線の和歌山線直通快速は4両編成であり、大阪~京橋~鶴橋~天王寺間の混雑区間の需要をさばけるとは思えない。昼間に関しては大阪環状線は323系の独壇場になるのであろう。

しかし平日夕ラッシュ時であればどうだろうか。現状では関空快速/紀州路快速と大和路線区間快速が毎時4本ずつ運行されており、関空快速/紀州路快速はなにわ筋線への転線が確実である。しかし大和路線はすでに毎時2本のJR難波発着の8両編成の快速奈良行きがあり、これと毎時2本の転線でなにわ筋線は賄えそうだ。そうなると大阪環状線に区間快速毎時2本が残ることになる。323系の導入を極力抑えたいJR西日本としてはできるだけ活用したいところで、平日夕ラッシュ時と平日朝は大和路線から大阪環状線への乗り入れ列車は残るのではないだろうか。

4. 結び

今回の2031年なにわ筋線開業に伴うJR西日本ダイヤ改正では、阪和線・大和路線列車のなにわ筋線乗り入れ化により大阪環状線や他線を巻き込んだ大掛かりなダイヤ改正となりそうだ。そのまえに2つ大きなダイヤ改正のヤマを迎えているが、今後の近畿エリアのJR線(アーバンネットワーク)のダイヤ改正を注視してゆきたいと思う。

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2017年06月11日

南海梅田延伸へ 南海なにわ筋線ダイヤ改正予測(2031年予定)

南海電鉄は5月23日、なんば筋線を大阪府や大阪市、JR西日本、阪急電鉄とともに整備する方針であるとすると公表した( http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/170523_1.pdf )。今回はこれについて、ルートの選定や南海なにわ筋線および周辺路線のダイヤ改正予測について見ていく。

なにわ筋線開業に伴うJRンしい日本のダイヤ改正予測についてはこちら!

1. 路線配置は経営不振路線の救済か

今回大筋でルートが決まったなにわ筋線のルートについて、公表されているものから見ていく。そもそもなにわ筋線は、関西空港や阪南方面から梅田を直接目指すために建設が計画されている路線で、JR大和路線のJRなんばから梅田を目指して作られる計画で、それに沿って私鉄の南海も梅田を目指す計画としていた。計画当初は南海については汐見橋線の汐見橋からまっすぐ北上する計画であったが、今回変更になることが明らかになった。具体的には、JR大和路線JRなんば駅と南海本線新なんば駅の両駅(地下に設置)からなにわ筋へ向けて北西方向に向け伸びることとなった。JRなんば駅は既存のJR大和路線の駅であるが、南海新なんば駅は地下鉄四つ橋線なんば駅付近に設置される模様で、近鉄大阪難波駅からのアクセスが向上される。その後、長堀鶴見緑地線の西大橋には駅を設けず、地下鉄中央線との交点付近に西本町駅を設置する。その後さらに北上し京阪の乗り入れる中之島駅を通り、JR西日本がおおさか東線の終点として設置予定の北梅田駅に乗り入れ、新大阪・京都方面への乗り入れ運転を行えるようにするとしている。

今回のなにわ筋線計画の路線環境から考察していくと、南海新なんば駅は地下設置でかつ新今宮から徐々に地下に潜っていく構造であるとすれば、東側配置の南海高野線の地下化ではなく西側配置の南海本線が2線ともそのまま地下に潜らせた方が賢明で、もし万が一南海高野線を地下化するとすれば今宮戎駅をどうするかという問題が生じるが、南海本線の地下化であればその心配は不要である。また本線は地下・高野線は地上と分離することにより、ダイヤ設定の制約がほとんど課されなくて済む。まるで大阪上本町駅における近鉄大阪線(地上)と近鉄奈良線(地下)のような棲み分けになるのであろう。南海本線普通列車も南海新なんば駅を2面3線ないし2面4線にすれば従来通りなんばで折り返せるものになると思われる。

南海新なんば駅については先述の通り、地下鉄四つ橋線なんば駅付近に建設される見込みで、近鉄大阪難波駅までの道のりがこれまでより400メートルほど短縮される見込みで、近鉄奈良線布施・近鉄奈良方面だけでなく、阪神なんば線尼崎・三宮方面への利便性を向上させるのであろう。この南海本線なんば駅の実質移転により、地下鉄千日前線への乗り換え距離も短縮される見込みであるが、大阪市中心部を走る地下鉄御堂筋線への乗り換え利便性は低下する見込みだ。沿線の比較的近いところを通ることと御堂筋線への乗り換え防止による旅客獲得および混雑が慢性化している御堂筋線自体の混雑率低下を目論んでいるものと思われ、民営化後の大阪市高速電気軌道にとっても必ずしもマイナスではないのであろう。

次の西本町駅は地下鉄中央線の本町駅と阿波座駅のほぼ中間地点。プレスによれば地下鉄中央線と乗り換えられるようだが、乗り換え距離は400mを超える勢いだ。もし西本町駅をもう少し南寄りに設置すれば長堀鶴見緑地線とも乗り換えられるのであるが…

さらに北に進むと中之島駅を設置するという。中之島駅にはすでに京阪中之島線が乗り入れており、普通列車を中心に運行されている。開業当初は京阪の梅田地区の玄関口乗り入れ(大江橋駅・渡辺橋駅)ともあって快速急行が毎時2本設定されていたのだが、見事に滑り負の遺産化している。特に天満橋~大江橋間は京阪本線の天満橋~淀屋橋間と同一駅扱いのため高額な建設費を回収するための加算運賃がとれず、苦境に苦しんでいた。そんな中終点の中之島駅からJR・南海に乗り換えられるようになれば加算運賃の回収が飛躍的に進むであろう。

そしてなにわ筋線の終点、北梅田駅。かつてのJR貨物梅田駅跡地に設置される駅であるが、改修しておおさか東線の列車を乗り入れさせるという。そしてその北梅田駅には阪急十三連絡線を開業させようという計画も立っているが、現状から察するに阪急が計画に口をはさんで優位に進めるための口実にしかすぎず、京都方面は京阪中之島線、神戸方面は阪神なんば筋線への乗り換えで事が済んでしまう。連絡線を建設する程であれば、中津駅から動く歩道を設置して中津駅は特急まで停車などの配慮をすればいいのではないだろうか。

このようになにわ筋線と乗り換え路線を見ていくと、共通項がみえる。それは、どの駅にも採算の良くない路線かつ遠距離まで運行する路線があるということだ。なんばの場合近鉄奈良線は賑わっているが阪神なんば線はスッカラカンの空気輸送、でも三宮まで乗り入れられる。地下鉄中央線は2025年大阪万博が行われる場合、施設として使われていた夢洲会場跡地に建てられる新しいパビリオンへのアクセス便利であるし、近鉄けいはんな線との直通でリニア中央新幹線の奈良県駅の候補地の1つである奈良学研都市にも向かうことができる。京阪中之島線もスッカラカンの空気輸送であるが直通列車を設定すれば京都方面まで直通かつ速達で行ける。このように、なにわ筋線は大阪を走る採算の取れない長距離路線を見事に結んでいるのである。計画当初は国鉄阪和線の大阪乗り入れ化、その後は単線かつ踏切のある東海道貨物線の線路容量緩和がメインのはずだったのに、いつの間にか数多の私鉄にカモにされてしまっているように見える。そして新快速の牙城である神戸・京都方面のアクセスを簡便にすることにより、JRから大阪ミナミ向け需要を奪う作戦に出ているのではないだろうか。

2. 南海本線は特急と空港急行の乗り入れが主体か

ここまでの情報を基に、南海列車のなにわ筋線乗り入れを予測していく。南海高野線列車の多くは原則既存の地上なんば駅乗り入れになるものと思われるため、なにわ筋線への乗り入れは南海本線が基本になるのであろう。
現状、南海本線の昼間及び平日夕ラッシュ時を走る列車は以下の通り(特記無ければ双方共通)。
  • 特急「ラピート」毎時2本
  • 特急「サザン」毎時2本
  • 空港急行毎時4本(ただし平日夕ラッシュ時は2時間に1本程度区間急行に置き換え)
  • 急行毎時2本(平日夕ラッシュ時のみ)
  • 普通毎時4本(平日夕ラッシュ時は毎時6本)

以上となっており、昼間は合計毎時12本、平日夕ラッシュ時は毎時14本の列車が運行している。とはいえなにわ筋線は南海空港線同様JR西日本と設備を共有して運行するため、線路容量が限られる。そのため短距離の普通列車は南海新なんば折返しが濃厚で、平日夕ラッシュ時に運転される和歌山市方面急行も南海新なんば始発となるのであろう。残るは「ラピート」「サザン」空港急行の3つであるが、この3つはどれも捨てがたい。空港急行は実質南海本線の中距離輸送のほぼすべてを担っており、JR北海道の快速「エアポート」のように関西空港アクセスだけではなく南海本線沿線の人々を乗せている。特急「ラピート」も関西空港アクセスという点では重要な列車だ。残る特急「サザン」は、1999年5月のJR阪和線の紀州路快速による大阪乗り入れによる直通アクセス向上で大きく輸送人員を落としている。その落ち込んだ需要を奪い返すためには南海「サザン」が梅田へ乗り入れることが必要であろう。以上を踏まえると、南海なにわ筋線に乗り入れる列車は、昼間から平日夕ラッシュ時まで共通で
  • 特急「ラピート」毎時2本
  • 特急「サザン」毎時2本
  • 空港急行毎時4本(ただし平日夕ラッシュ時は2時間に1本程度区間急行に置き換え)

の合計毎時8本となるのではないだろうか。

2.1. 停車駅はどうなる

毎時8本運行されるとしても、それらの停車駅はどうなるのであろうか。各駅に停まる種別は必要だから、南海空港急行に担ってもらう他なかろう。特急については「ラピート」「サザン」ともに座席指定車があり、それなりの発券設備が必要となる。西本町は通過であろうが、京都方面にも行ける中之島も通過にするのだろうか。神戸方面に乗り継げるなんばはなんば自体が繁華街であるが、中之島は梅田のはずれであり、中之島だけで需要をとるのは難しい。となると特急「ラピート」「サザン」は北梅田から南海新なんばまでノンストップになるのであろう。

2.2. 南海高野線の直通はごく一部か

では南海高野線は全く直通しないのであろうか?急行や区間急行、準急行は絶望的であるが、特急ならどうだろう。高野山へのアクセスに用いられる特急「こうや」であれば、近鉄名阪特急が大阪難波乗り入れするのと同様梅田乗り入れをして需要喚起を図るのには効果的に行える。特急「こうや」は大運転を行う必要があるため1両17m級車両であるりドア位置が合わないが、なにわ筋線はJR車両が20m級、南海車両が21m級でありすでにドア位置が一致しておらず、いわゆる一般的なホームドアの設置は難しい。そのため、ドア位置に関係なく直通できる、また運行本数平日4往復および土休日7往復と少ない特急「こうや」は梅田まで乗り入れが可能になるのではないだろうか。そのほかの特急「りんかん」「泉北ライナー」は通勤ライナー要素が強いのでなんば発着のまま維持であろう。

3. 南海の新大阪乗り入れはあり得るのか

また一部報道によれば、南海線列車を新大阪まで乗り入れさせてほしいという要望が出ている。新大阪は東海道・山陽新幹線に乗り継ぐことのでき、将来的にはリニア中央新幹線や北陸新幹線の乗り入れも想定され、まさに大阪の玄関口という様相をしている。なんば~北梅田間はJR西日本・南海ともに第二種鉄道事業者として運営するが、北梅田~新大阪間はすでに東海道貨物線としてJR西日本が第一種鉄道事業者として運行しているし、新大阪にはすでにJR特急「くろしお」「はるか」が運行されている。そこにもろ敵対する南海特急「ラピート」「サザン」を乗り入れさせるであろうか?今回の南海の要望は、宣言しておけば後々有利なカードとして使える可能性を残すためのものではなかろうか。

4. なにわ筋線開業による他私鉄・地下鉄路線への影響は

今回のなんば筋線の開業により他の私鉄・地下鉄路線とも結ばれることから、その他の路線についても考察していく。

4.1. 近鉄奈良線・阪神なんば線

なんばで接続する近鉄奈良線・阪神なんば線であるが、近鉄奈良線についてはすでにJRよりも優位であり奪う需要が少ないこと、阪神なんば線については空気輸送のため増発はほとんど行われないものと思われる。せいぜい近鉄奈良~阪神尼崎間での快速急行の増結程度であろう。

4.2. 地下鉄中央線

西本町で接続する予定の地下鉄中央線であるが、乗り換え距離が遠いこと、奪う需要がないことからこちらも増発の見通しは低いものと思われる。

4.3. 京阪中之島線

京阪については2008年の開業時中之島発着の快速急行を昼間は毎時2本、平日夕ラッシュ時は最大毎時5本(うち出町柳行き毎時3本)運行していたことから、中之島~出町柳間の優等列車が昼間は毎時2本、平日夕ラッシュ時は毎時3本程度設定される可能性がある。今の中之島線が空気輸送にも程があるレベルなのでその分普通列車を淀屋橋に乗り入れに振り替えて中之島線内は削減する可能性は大いにあるものと思われる。

4.4. 地下鉄御堂筋線

最後に南海線から梅田へ向かう際に用いられる御堂筋線である。路線が並行しているため御堂筋線の利用者数が減ることは間違いないのだが、現状でも昼間含め混雑が慢性化しており、本数維持のまま混雑緩和を目指すのが先決であろう。また2015年3月1日のホームドア設置による停車時間増加による平日朝ラッシュ時の減便で混雑率を10%増やし、大阪では異例の150%超えをしている。ここはなにわ筋線開業後でも本数を据え置くのではないだろうか。

5. 結び

2031年に予定されている南海なにわ筋線の開業では、大阪周辺の鉄道各線の勢力図にいたるところで変化が起きそうだ。今後どのようなダイヤが作られてゆくのか楽しみにしたい。

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2017年05月03日

東名間が半分の40分に! リニア中央新幹線名古屋開業時ダイヤ予測(2027年予定)

JR東海は2027年に品川~名古屋間にリニア中央新幹線を開業させるとした。今回はリニア中央新幹線の維持運営費の算定からリニアの名古屋開業時のダイヤとその他設備について予測と考察をしていく。

N700系に統一される2020年の東海道新幹線ダイヤ改正についてはこちら!

1. リニアは全席指定・事前発売のみ

JR東海はリニア中央新幹線を開業するにあたり、様々な費用を算定している。その中の建設費として駅設置費用も盛り込まれており、そこからリニアの利用方法についてもある程度予想することができる。

JR東海の資料によると、リニア中央新幹線の駅に設置されるのは、乗り場とコンコース、そしてそれを結ぶエスカレータとエレベータなどの設備。ホームは中間駅でも2面4線が用意されており、東海道新幹線と違い4線どの線に停車しても乗降が確保される。しかしコンコースは入出場口と化粧室、施設管理事務所しかない。改札口ではないところにも違和感を覚えるが、なによりこれまでの鉄道・新幹線と異なるのは「新たな販売システムにより、駅にはきっぷを販売するスペースを設けていません」ということ。つまり1980年代の本には通常の国鉄駅には標準装備とされていた「みどりの窓口」およびJR東海管内でその後継とされる「JR全線きっぷうりば」もない。自動券売機も設置しない。それぞれのスペースを圧縮することによりで各駅の建設費を圧縮し、駅下に商業施設などを誘致し有効活用しようとしているのである。

とはいえ駅でリニアチケットを売らないとはどういうことか。あと10年後には革新的な技術が導入されるかもしれないが、現状の技術の延長で考察していく。現在、東海道新幹線を利用するには乗車券と新幹線特急券を購入しても乗車できるが、2006年7月22日にエクスプレス予約をスタートした。これはPCや携帯電話などで事前に乗車券・指定席特急券を原則セットで予約し、JR東海の窓口で受け取るというもの。その後2008年3月29日よりEX-ICを導入し、本人に限り駅窓口・券売機に行くことなくICカードで乗降できるようになった。その後もプラスEXの導入や全国交通系ICカードでの利用可能化によるスマートEXなどICカードによる利便性向上を図っている。これはJR東日本やJR西日本など他社発券の際に発生する発券手数料5%を極力削減したいためだと思われるが、これはリニア中央新幹線開業時の乗車システムを試しているのではないだろうか。ICカードを使えばきっぷ売り場が必要ないし、改札口もIC読み取り機のみで済む。またクレジットカードや記名式ICカードであれば航空機同様氏名の把握が容易にでき、テロ対策もしやすくなる。こうして設備の簡素化と安全性の強化を一石二鳥で行うことができるのである。1日単位で発売されることの多いテーマパークの入場券などの場合にはネットで予約のコンビニ支払もできるかもしれないが、東海道新幹線で車内改札が近年まで省略できなかった要因でもある無手続きでの座席変更が多くなる恐れもあり、導入は難しいものと思われる。そうなるとリニアチケットの購入はPCやスマホ、タブレット端末のみとなりとなりそうだ。

2. 運賃・料金は一体制で東京都区内・名古屋市内制度はなしか

先述したように、発券はネットとICカードの利用の可能性が極めて高い。そして現在使用されているエクスプレス予約のサービスを見ていくと、受け取りが駅窓口のe特急券を除いて運賃と料金が一体となっており、東京都区内や名古屋市内、大阪市内などの乗車券制度のうちの特定都区市内制度が存在しない。これは、東京都区内や大阪市内の在来線はJR東日本やJR西日本などの他社線であり、自社のみのきっぷではなくなってしまうためである。これはe5489サービスを展開するJR西日本の発売するネット早得も同様で、福岡市内と北九州市内の設定はない(ただし自社の在来線の運行する大阪市内や広島市内の設定はある)。そのためリニアチケットも品川や名古屋などの単駅発売となる可能性が極めて高い。また運賃と料金も一体化し、在来線とは別運賃体系になるのであろう。このように路線によって運賃が別計算となる例は京成成田空港線や阪神神戸高速線などが既に先例としてあり、十分考えられる。

そして運賃について。日本国内では全ての交通機関に運賃が設定されている。リニア中央新幹線は東海道新幹線より品川~名古屋間でプラス700円、品川~新大阪間でプラス1000円で設定される見込みだ。先述したように東京都区内や名古屋市内は設定されないとすると、JR線利用の場合東京~品川間で別途165円、新大阪~大阪間で別途160円必要となる。もっとも赤羽や天王寺からの利用であればさらにかかる。

そして既存の新幹線や在来線と運賃形態や発券方式を独立させることにより、1980年10月1日から始まった「みどりの窓口」での1カ月前発売にこだわる必要が無くなるので、JR東海がライバル視している航空機同様6カ月後分まで一斉発売も可能となる。またエクスプレス予約で発売されているIC早得は現状21日前までの予約で発券されているが、スーパー先特(JAL)やスーパー旅割(ANA)などの旧超割系割引と同様75日前でのさらなる割引を設定することができる。もはや航空業界では普通運賃という概念がもはや崩壊してしまったのだ。となると、JR東海も早期予約による流動的な料金設定をすることが可能になり、繁忙期・閑散期の期間や料金差額の設定もやりたい放題にできる。つまり東海道新幹線プラス1000円(品川~新大阪間)で利用できるのは、独自に設定した閑散期の平日で75日前までの予約で利用する場合であり、繁忙期や当日予約の場合はさらにプラス5000円されてもおかしくない。また「ひたち」「ときわ」のように乗り換えると料金打ち切りになる可能性が高く、速達タイプと各停タイプで乗り換える際には運賃も含め別途リニアチケットが必要となるのであろう。

3. リニア中央新幹線開業時のダイヤ予測

さてここで本題のリニア中央新幹線のダイヤ予測。維持運営費の試算に用いられた情報によると速達タイプが毎時4本、各停タイプが毎時1本を想定し、速達タイプは品川~名古屋間を40分で運行し1駅停車するごとに8分追加され、各停タイプの全線所要時間は待避がない場合で1時間12分となる見込みだ。現在東海道新幹線の昼間の最速で「のぞみ」が品川~名古屋間1時間31分、「こだま」が同区間を2時間40分であることを考えるとほぼ半分に短縮される。時間短縮効果は絶大なようだ。

3.1. 運行本数は速達タイプが最大毎時8本か


しかし、編成定員が変わる。東海道新幹線N700系は1323席であるが、リニア中央新幹線L0系は1000席となる見込みである。現在臨時便を含めダイヤを組んでいる東海道新幹線は最大毎時14本(うち「のぞみ」最大毎時10本)で運行されており、定員の少ないリニアがたった速達タイプ毎時4本の運行で需要が足りるのか疑問だ。
そこで輸送密度を計算してみた。東海道新幹線(東京~新大阪間)の輸送密度は24万2306人/日であるが、リニア中央新幹線(品川~名古屋間)の輸送密度予測は15万9977人/日である(ちなみにリニア中央新幹線が全線開業すると26万0211人/日となる見込みで、東海道新幹線を超える)。この輸送量を捌くには名古屋開業時は速達タイプが最大毎時8本、新大阪開業時には毎時12本設定しないと捌くのは難しい。そのため経営維持費の試算に用いられた本数は定期便だけであると想像がつく。しかしダイヤを予測するためには臨時便も考慮に入れなくてはならないので、速達タイプ毎時8本、各停タイプ毎時1本で試算していく。

3.2. ダイヤの基本は2本抜き

今回のダイヤ改正予測には、過去に行われた東海道新幹線のダイヤ改正から見ていく。東海道新幹線の基本は速達タイプである「のぞみ」の続行運転と2本抜きである。これにより各停タイプである「こだま」の待避を極力最小限にし「のぞみ」をできる限り運行させることができるようになっている。リニア中央新幹線も同様のダイヤが組まれるのであろう。
ダイヤパターンの一例を示す。
下り
品川発毎時時刻(分)000310151830334548
種別速達速達各停速達速達速達速達速達速達
運行頻度定期臨時定期定期臨時定期臨時定期臨時
名古屋着毎時時刻(分)404348555810132528
品川~名古屋間所要時間40分40分1時間38分40分40分40分40分40分40分

とりあえず1通りダイヤを作成してみたものの、車両性能が異なるとはいえ足りない情報を東海道新幹線のダイヤから補うとすると、速達タイプの列車を昼間も所要時間40分で運行しようとすると各停タイプの待避を行う関係で最低10分の間隔がないと各停タイプを縫うように走行することができない。もちろん2本抜きならその間の間隔は3分にまで詰められるのだが、それをパターンダイヤに落とし込もうとするとなかなか難しい。また速達タイプは品川~名古屋間ノンストップで算出しているため、神奈川県駅(橋本駅近傍)に毎時1本しか停まらないというやや強引な設定が組まれており(一応各停タイプは毎時4本まで設定可能なスジは組んだ)、速達タイプの一部が神奈川県駅に停車することを考慮して組んでいない。ただそれを組みだすと定期と臨時の割り振りが難しく、新大阪開業時にダイヤを組もうとすると昼間の列車の所要時間が最速と比べて名古屋のみ停車でも18分も伸びてしまう。未だに営業運行していない技術でダイヤを組むのには難しさを感じた。

4. 結び


2027年のリニア中央新幹線品川~名古屋間開業では、品川~名古屋間を僅か40分で移動できるようになる。しかし中間駅に停車する種別を作る必要があり、最高速度を高くするからこそ各停タイプによる制約が大きくなりダイヤ作成は困難を極める。10年後どのような運行形態になるのか楽しみにしたい。

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2017年04月12日

N700系に統一でスピードアップ 東海道新幹線ダイヤ改正予測(2020年3月予定)

JR東海は、プレスリリースにて東京オリンピック開催直前の2019年度にN700系の投入を完了し全ての東海道新幹線を走行する列車をN700系(及び2020年度より投入されるN700S)に統一すると公表した( http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000028233.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. 東海道新幹線は昼間もスピードアップ

現在、東海道新幹線ではN700系と700系の2車種が運行されている。700系は東海道新幹線では起動加速度2.0km/h/sの最高速度270km/hであるものの、N700系は起動加速度2.6km/hの最高速度285km/hであることから、1停車につき短距離の東京〜品川間や熱海〜三島間を除いて1分程度短縮されるものと見込まれる。この駅間所要時間の短縮により東京〜新大阪間の「こだま」は理論上14分の短縮が見込まれ、「こだま」が速達化することにより待避に関係する「のぞみ」「ひかり」もスピードアップできる。とはいえ、東海道新幹線の「のぞみ」は現在最速2時間22分。平均的な昼間の「のぞみ」は東京〜新大阪間で2時間33分であることから、そこから14分短縮することは不可能である。

となれば昼間も2時間22分での運行をするのだろうか。そうとも言い難いので、N700系が現在の性能で運行をし続けるという前提で以下に根拠をまとめる。

1.1. 東京・新大阪発着時刻「0・3・6(7)」の法則

JR東海では2003年10月1日の300系以降の系列に統一された「のぞみ大増発」を行った際、東京駅および新大阪駅の発着時刻を上り・下りともに分の下1桁を早朝・深夜を除き「0・3・6(7)」に統一した。また定期・多頻度「のぞみ」は2008年3月15日のダイヤ改正より原則東京発が分の下1桁が0、東京着は3に統一されている。このことから白紙改正が行われない限りはこれが踏襲され続けるものだと考えられる。
現在、昼間の「のぞみ」は毎時10本(定期・多頻度・臨時の合計)中毎時8本が2時間33分~2時間34分で運行されている。また毎時1本はN700系専用ダイヤ化しており2時間30分で運行されているが、この時刻もA化改造前は2時間33分で運行しており、スジとしては同一時間で運行可能になる。ただ1番最後に増発された東京毎時53分発・毎時50分着の僅少「のぞみ」のみ2時間37分運行と他の「のぞみ」と比べて4分程度長くなっている。このことから、「のぞみ」から「こだま」まですべての営業列車がN700系に統一された2020年3月のダイヤ改正では昼間の「のぞみ」の多くは2時間23分または2時間26分での運行になるものと思われる。

1.2. 名古屋・京都の1分停車は昼間では危険

現在最速運行となっている「のぞみ」は東京~新大阪間で2時間22分での運行となっている。しかしこの「のぞみ」は利用の少ない初電と終電が中心で、名古屋・京都の停車時間は1分しか設けられていない。これは東北新幹線「はやぶさ」にも類似点があり、最速達列車のみスピード勝負のため仙台駅での停車時間を通常の2分から1分に縮めている。このため、あくまで名古屋・京都での停車時間は昼間のパターンダイヤ時間帯は2分設ける必要があり、必然と2時間24分以上かかることとなる。そうなると2時間23分での運行は難しく、多くの「のぞみ」は2時間26分での運行になるのではないだろうか。

1.3. 営業列車のN700化後も残る幸せな列車の存在

JR東海は2020年3月を以て全営業列車をN700系にするとしている。しかし、2020年以降もしばらくは幸せな列車は走るものと思われる。その幸せな列車は923形「ドクターイエロー」であり、700系新幹線をベースに製造されている。0系タイプの922形は約25年程度用いられていることから、2000年と2005年に導入された「ドクターイエロー」も2020年代までは使用できるものと考えられる。そのため「ドクターイエロー」ののぞみ検測を行えるスジを残しておく必要がある。「ドクターイエロー」は停車時間が名古屋・京都などでは必要ないとはいえ、700系が最速2時間30分であったことを考えると、他列車に影響を与えやすい時間帯にこれ以上速い運転はリスクが高い。そのため昼間でも2時間30分で運行する臨時「のぞみ」の設定が必要となってしまう。
そのため、2時間30分で運行するスジを作るためには、先述の東京毎時53分発・毎時50分着の僅少「のぞみ」を使用するほかない。この「のぞみ」は待避の関係上他の「のぞみ」より3~4分長く設定する必要がある「のぞみ」のためこれをうまく利用し、他の「のぞみ」臨時含め毎時9本を2時間26分で運行させるのがもっとも効率的になるのではなかろうか。
ちなみに山陽新幹線では主要駅の岡山・広島での停車時間が1分になっている。これは航空機対策による供給過多になっているものだと思われ、1列車・1ドア当たりの乗降人数が東海道新幹線や東北新幹線より少なくなり、分散されやすくなるためだと思われる。

1.4. N700Sの性能向上を昼間に謳うには

JR東海では2019年度にN700系の投入を完了し、東海道新幹線を運行する全ての列車をN700系に統一するとしている。だがJR東海の東海道新幹線への挑戦はこれでは終わらない。JR東海では早速新型車両N700Sの設計に着手し、2018年度に試作車が、2020年度には量産車の製造が決定している。そのためN700系も2020年から少なからず淘汰が始まってしまうのである。この新型車両N700Sの性能はいまだ不明な点が多いが、ブレーキの改良によりもし東海道新幹線でも300km/h運行ができる列車になるとすればさらなる時間短縮が可能となる。とはいえ、N700A化した際には最高速度が15km/h引き上げられ、車体傾斜区間を増やしてやっと3分短縮できた。単純計算では時間は速度と反比例するからさらに15km/h上げても3分も短縮できるか微妙である。車体傾斜角度を増やせない以上カーブ区間ではこれ以上のスピードアップは難しく、さらに壁となる。そのため、東海道新幹線内で300km/h運転を行っても2時間20分運転が限界ではなかろうか。
そうなると待避列車が多い昼間での同時間での運行は難しく、先述の名古屋・京都の停車時間問題も踏まえると2時間23分での運行が理想となりそうだ。もしN700系に統一された瞬間昼間も2時間23分運行となろうものならN700Sを投入するメリットが激減してしまう。またJR東海は新型車両投入の翌年には翌年に毎時1本の東京~博多間の「のぞみ」を運行できるほど新型車両を投入するのが恒例となっており(大概東京毎時10分発・毎時33分着)、そのためのスジ作りも欠かせない。また所要時分を切り詰めすぎると遅延が増大し、高速鉄道なのに平均遅延が1分程度の東海道新幹線のイメージを壊しかねない。そのため余裕をもって2020年には昼間の「のぞみ」は2時間26分運転となるのではないだろうか。

2. 東京発19時台からは定期「のぞみ」が交換?

2020年のダイヤ改正では前述のとおり東海道新幹線の昼間の「のぞみ」が少なくとも7分短縮されるのは間違いなさそうだ。そこで次に問題になってくるのは初電・終電問題である。東海道新幹線では2012年3月12日のダイヤ改正で定期・臨時・多頻度「のぞみ」を毎時9本中3本3分短縮させたついでに航空機対策も兼ねて朝の知王経9時03分から11時03分着の「のぞみ」について、原則パターンダイヤと定期と多頻度列車を入れ替え、山陽新幹線直通可能列車も10分ずらし入れ替えている。この時間帯は山陽新幹線の始発駅6時台発なので臨時の山陽新幹線からの臨時「のぞみ」設定はないが、これにより岡山からの東京着時刻を10分繰り上げることに成功した。

2020年3月のダイヤ改正でも同様のことが見込まれる。初電については博多発東京行き「のぞみ2号」が博多発時刻を少し繰り上げ(3分程度繰り上げて6時05分発と想定)、東京着時刻を11時13分から11時03分着に10分繰り上げられるものと思われる。終電についてはさらに大規模に繰り下げることができ、山陽新幹線直通列車を10分ずらすことにより博多行き、広島行き、岡山行き、姫路行き「のぞみ」の東京発最終を10分繰り下げ、それぞれ19時ちょうど、20時ちょうど、20時40分発、21時ちょうど発にすることができ、非常にわかりやすい時間となる(終着駅で2~3分程度繰り下げ含む)。これによりかつての東京21時ちょうど発「シンデレラエクスプレス」は新大阪行きの終電であったが、2020年から当分の間は姫路行き終電となりそうである。

3. 結び

2020年のダイヤ改正では700系の営業列車からの引退によって、大幅に昼間の所要時分が短縮されることが見込まれており、第2次A化改造によるブレーキ力強化によりN700系自体の東海道新幹線内最高速度引き上げも見込めるのかもしれない。また新型車両のN700Sについてもさらなる機能改善とJR東海史上初の短編成化できる車両として導入され、将来的なリニアリレー列車としての機能も想定しているのであろう。今後の東海道新幹線のダイヤにも期待したい。

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posted by 快速++ at 13:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 将来のダイヤ改正予測 | 更新情報をチェックする

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