2017年06月28日

多頻度みずほは毎日運行でのぞみも増加! 東海道・山陽・九州新幹線臨時列車運転(2017年7月~9月夏期間)

JR東海は5月19日、プレスリリースにて2017年夏の臨時列車を公表した( http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000033979.pdf )。またJR九州も5月19日、プレスリリースにて2017年夏の臨時列車を公表した( https://www.jrkyushu.co.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2017/05/19/170519natunozouhaturesshagoannai.pdf )。前回は臨時「ひかりレールスター」について見ていたが、今回はそれ以外の列車について見ていく。

2017年8月に運行される「のぞみ」潰しの速達型「ひかりレールスター」についてはこちら!

1. 多頻度「みずほ」は全て毎日運転に

山陽・九州新幹線では前回2017年春の臨時列車で4本中3本が毎日運転の臨時列車となった多頻度「みずほ」が運行されていたが、今回の2017年夏の臨時列車公表では多頻度「みずほ」が2往復4本とも毎日運行となり、実質「みずほ」8往復が毎日運行されることとなった。JR西日本管内では北陸新幹線が「かがやき」「はくたか」で軒並み減便となったが、2017年6月のJR西日本定例記者会見では北陸新幹線は前年比3%減、山陽新幹線は8%増であることを考えると妥当なことなのであろう。

山陽新幹線内では先述の多頻度「みずほ」以外にも増発模様だ。昨年の夏の臨時列車は熊本地震による徐行の影響で「さくら」が軒並み熊本発着になるなど大きくダイヤが乱れたが、今年は山陽・九州直通「みずほ」を先述の毎日運転の臨時列車を除くと31本、山陽・九州直通「さくら」を111本、山陽新幹線内で完結するN700系8両編成による「ひかり」を49本、九州新幹線内完結「さくら」を75本運行する。

この他、JR九州では九州新幹線の曜日運転の九州新幹線内完結「さくら」は定常通り運行される。

2. 対西政策の「のぞみ」を潰されたJR東海は激高

今回は信州デスティネーションキャンペーンをJR東日本と共同で行うJR東海は、対山陽新幹線向け政策として用意した「のぞみ」を格下の「ひかりレールスター」に潰されたことにより激高。今回の2017年夏の臨時列車プレスより山陽新幹線直通「のぞみ」の表記を表から削除した。東海道新幹線は日曜運転「ひかり」と曜日運転「こだま」が従来通り運行されるなど、東海道新幹線では例年通り運行本数を昨年より1%増としている他、JR西日本のプレスによれば山陽新幹線「のぞみ」は昨年より16本増えて(1%増)1533本運行される。

山陽新幹線については「のそみ」の臨時列車をJR東海の画策により多数設定しなければならないためその他の臨時列車をなかなか設定できないでいるが(「さくら」に博多で抜かされる臨時「さくら」を設定しなければならないほど)、東北新幹線とほぼ同じ輸送量であることを考えれば山陽新幹線内だけで見ればかなり余裕のある輸送量であるように思える。東海道新幹線内での混雑均等化を図るためだと思われるが、2027年のリニア中央新幹線名古屋開業までは山陽直通「のそみ」が多数設定されるのであろう。

その他、JR東海の在来線では昨年夏は行われなかった身延線特急「ワイドビューふじかわ」の臨時列車が設定されたり、毎回恒例の臨時夜行快速「ムーンライトながら」も運行される。

3. 結び

今回の2017年夏の東海道・山陽・九州新幹線の臨時列車運行では、2017年8月に「のぞみ」潰しの速達型「ひかりレールスター」の運行などがあるものの、それ以外はJR東海が激高したくらいで内容としてはいつも通りの微増となった。速達型「ひかりレールスター」のような臨時列車が今秋・冬にも設定されるのか見守りたいと思う。

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2017年06月14日

のぞみを潰して速達型ひかりレールスター運行! 山陽新幹線臨時列車運転(2017年7月~9月夏期間)

JR西日本は5月19日、プレスリリースにて2017年夏の臨時列車を公表した( https://www.westjr.co.jp/press/article/items/170519_00_hosya1.pdf )。今回はこのうち、山陽新幹線で運行される予定の速達型「ひかりレールスター」について見ていく。

1. 停車駅が速達型の「ひかりレールスター」運行

今回の2017年夏の臨時列車運行では、8月13日、15日、16日の3日間に博多12時19分発、新大阪15時14分着「ひかりレールスター576号」を運行すると公表した。もっとも、2011年3月12日ダイヤ改正により九州新幹線が博多~新八代間で開業し山陽新幹線と直通運転をするようになったことで「みずほ」「さくら」が運行を開始し、2012年3月17日のダイヤ改正で臨時を含めほぼすべての「ひかりレールスター」がN700系8両編成の「さくら」にとって代わられる前までは、毎時1本程度で「ひかりレールスター」の臨時列車が設定されていた。特に2003年10月1日の「のぞみ」大増発前までは自由席のある「ひかり」に乗客が集中することもあり(当時「のぞみ」は全席指定であった)、2017年3月4日のダイヤ改正で「みずほ」N700系8両を「のぞみ」N700系16両で超繁忙期は潰すようになったのと同様に、700系8両編成の「ひかりレールスター」では輸送力が足りず700系16両編成や500系16編成で繁忙期は代替することもあった。そのような黄金時代も「ひかりレールスター」にはあったが、今では「こだまレールスター」として扱われたり、「ひかりレールスター」であっても通過駅が僅か2駅しかない列車での運行など完全な下火となってしまった。そんな中、2017年の夏に「ひかりレールスター」の臨時列車を運転、しかも停車駅が速達タイプで設定されたのだ。

今回の停車駅が速達型の「ひかりレールスター」は、博多駅を12時19分に出発すると、小倉、広島、岡山、姫路、新神戸と停車し、新大阪に15時14分に到着する。停車駅の数は「のぞみ」全停車駅に姫路のみを加えた形で、東海道新幹線に直通していれば「のぞみ」として運行できるほどの数に絞られており、正に正統派の「ひかりレールスター」と言えるであろう。「ひかりレールスター」(最高285km/h)は最盛期でも新大阪~博多間無待避での運行で概ね2時間40分~2時間46分での運行が多く(最速は2時間35分、最遅は2時間49分であるが停車駅の違いによるものが大きい)、今回の2時間55分での運行は1989年3月11日~1993年3月17日までの最盛期の100N系「グランドひかり」(最高230km/h)の2時間49分運転には及ばないものの、当時の「グランドひかり」は新大阪を出ると岡山、広島、小倉にしか停まらない俊足っぷりだったため停車駅追加の時間や、過密ダイヤ化による待避を考慮すれば多少遅いくらいで速達型の名に恥じない運転をしているのではないだろうか。

2. 「ひかりレールスター」、窮鼠猫を噛む

往年の名列車とも言われる700系8両編成「ひかりレールスター」であるが、最盛期は「のぞみ」に抜かれることなく指定席は2列&2列シートでサイレントシートや4人用普通個室などさまざまなニーズに合わせて運行されていた。しかし先述のようにN700系8両編成「さくら」にとって代わられ、臨時「ひかり」もN700系8両編成で「さくら」の短縮版での運行が主となり、速達型で運行しても列車密度が増えたためにどうしても待避をしなければいけなくなった今、「ひかりレールスター」は東北新幹線「はやて」並みの絶滅危惧種になってしまった。

そこで今回JR西日本はある奇策をとることとした。その奇策とは、「のぞみ」の運行ダイヤを潰して「ひかりレールスター」を運行することである。実は今回運行する僅少「ひかりレールスター576号」の博多発時刻である12時19分は、なんと僅少「のぞみ170号」の博多発時刻と全く同じ。2017年3月4日のダイヤ改正以降、博多発としての運行は4月29日(昭和の日)、7月14日、7月29日の3日しか今のところ運行(予定)のないダイヤパターンに組み込まれた僅少「のぞみ170号」であるが、この700系で運行可能なスジを今回の僅少「ひかりレールスター576号」は博多→新山口間で潰し、博多発での運行を不能にさせたのである。しかも僅少「のぞみ170号」が停車する新山口を、僅少「ひかりレールスター576号」は華麗に通過し、なんと広島到着は「のぞみ170号」より5分速いという大道芸を見せる。その後福山で500系運転の「こだま740号」を抜かすが、今回運転される「ひかりレールスター576号」を通すため臨時「ひかりレールスター」運行日に限り新尾道発時刻を1分繰り上げるという配慮まで見せる。このこうしてひかりレールスターは「のぞみキラー」という新しい顔を手に入れたのだ。その後は広島からは多頻度運行になり僅少「ひかりレールスター」運行の3日間は全て広島始発で運行される「のぞみ170号」に岡山で抜かれ、博多発の定期「のぞみ30号」に姫路で抜かれ、15時14分に新大阪駅20番線に到着し、運行を終える。岡山→新大阪では過密ダイヤにより「のぞみ」2本の待避を受けるが、岡山までは最速達種別であるはずの「のぞみ」より速い時刻で運行し、「のぞみ」のスジを潰すという前例のない事態となっている。形式上上位種別の「のぞみ」を「ひかりレールスター」が潰したのだから下剋上だとも言えるが、かつては「のぞみ」より人気があったことを考えると、正に窮鼠猫を噛む(外部リンク参照)とはこのことであろう。

「のぞみ」を潰す「ひかり」と言えば主に日曜運転の東海道新幹線「ひかり535号」(東京20時33分発、新大阪23時29分着)を思いつく方もいるかもしれないが、この列車のもとをたどると1989年3月11日のダイヤ改正から多頻度運行(日曜日とたまに金曜運転)の「ひかり173号」(東京20時12分発、名古屋22時23分着)に遡ることができ、その後紆余曲折を経て2005年3月1日のダイヤ改正より多頻度「のぞみ」が「ひかり」の運休日に新大阪着時間を潰す形で設定され、今ではすっかり「のぞみ」に浸食されつつあるが、こちらは先住民の「ひかり」をその後に設定された「のぞみ」に潰される形となっているものと考えられ、今回のような「のぞみ」僅少スジを「ひかり」、しかも「ひかり」の中でも「ひかりレールスター」が潰すのは過去の時刻表15冊を調べても見当たらず、後述のこの列車の成り立ちから考えても今回が初めてであるものと思われる。

とはいえ、最速達種別の「のぞみ」より速く運行する理由にはいくつかある。確かにこの「のぞみ170号」は僅少ゆえ、700系でも運行可能なダイヤとなっている。そのため新大阪まで「のぞみ」と同じ停車駅・運行時刻で組めたはずだ。それなのになぜ「ひかりレールスター」を「のぞみ」より岡山まで速く運行させたのだろう。それには、山陽新幹線の需要が東高西低であることが一因ではないだろうか。データで見るJR西日本によれば、山陽新幹線広島~博多間の輸送密度は新大阪~岡山間の半分ほどしかなく、博多口は超繁忙期でもない限りもっぱら空気輸送が目立つ。「のぞみ」も新大阪~広島間は多頻度でも毎時5本設定されるが、広島~博多間では超繁忙期にならない限り毎時4本運転にはならない。そのため「のぞみ」のスジを潰そうにも、広島~新大阪までも潰してしまったら輸送力が16両から8両に減ってしまい、輸送力不足が懸念される。そうなれば「のぞみ」より遅い設定で新山口も停車させて良かったと思うかもしれないが、あえて「のぞみ」より先行して運行し、岡山であえて抜かさせることにより、博多や小倉から名古屋・東京方面に向かう旅客が広島または岡山で乗り換えさせることで「のぞみ170号」と同等の所要時間で到達できるようにしている。そのため「ひかりレールスター」を新山口通過とすることによりあえて「のぞみ」より速い設定にしたのではないだろうか。

3. 速達型「ひかりレールスター」運行は苦肉の策なのか

今回、久々に700系8両編成を用いた速達型「ひかりレールスター」の運行にこじつけたわけだが、この新大阪15時14分着のスジはなかなかの曲者で、もとは博多~新大阪間のウエスト「こだま」用であったのだが、減便により毎時14分着のウエスト「こだま」は11時台と16時以降のみとなってしまった。JR西日本もこの枠の活用法についてかなり模索しているようで、2017年に入ってからだけでも3回全く別のダイヤで運行している。この節では、2017年以降の山陽新幹線新大阪15時14分着列車の変遷について見ていく。

まず2017年で初めに設定されたのは1月3日・4日。JTB時刻表2016年12月号によれば、博多11時25分発として「ひかり596号」を設定した。1月3日はは700系16両編成で運行したものの、翌4日は700系8両編成「ひかりレールスター」で運行されている。停車駅は小倉、新山口、徳山、広島、三原、福山、岡山から新大阪までの各駅と多くの駅に停車しており、通過駅は僅か6駅しかない設定となった。所要時間も3時間49分となっており、2012年3月以降の遅い「ひかりレールスター」の設定となった。

次に設定されたのはダイヤ改正後の5月7日。JTB時刻表2017年3月号によれば、博多発10時41分発として「こだま776号」を設定している。使用車両は700系8両編成で、「ひかりレールスター」と同型の車両である。停車駅は全駅で、1月3日・4日に設定した臨時「ひかり596号」の需要が振るわなかったため停車駅を増やし、当該列車に時刻をウェブのプレスリリースにも記すことで利用者数を伸ばそうとしたのであろう。とはいえ所要時間も4時間27分に延び、他のウエスト「こだま」が5時間以上かけて運行するのに比べればまだ速いのであろうが、18分~24分後続の「こだま740号」の需要を奪うだけにとどまり、こちらも需要が伸びなかったのだろう。

そしてJR西日本は気付いた。元ウエスト「こだま」用スジであったとはいえ、「のぞみ」がひっきりなしに走り選択停車をし、「さくら」が選択停車駅間の輸送を補完する中、もはやウエスト「こだま」や停車駅の多い「ひかりレールスター」では多客期輸送の緩和にはつなげられないと。その窮地に立たされた時に導き出された発想の転換こそが今回の夏の臨時列車のお知らせで運行が決定された速達型「ひかりレールスター」の運行に繋がったのではないだろうか。

4. 結び


今回の2017年夏の臨時列車運転では、久々に速達型「ひかりレールスター」の運行を設定した。そして500系「こだま」の協力も得て「のぞみ」のスジを潰して「のぞみ」より途中まで速く運行する「のぞみキラー」という奇策に打って出た。しかしその設定の裏には様々な背景があり、JR西日本の試行錯誤が垣間見える。今後どのような列車を運行していくのか、そして今冬にもこの「のぞみ」を潰す「ひかりレールスター」が現れるのか、注目したいところだ。

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2017年06月07日

上越新幹線も東北新幹線直通列車設定へ 東北・上越・北陸・北海道新幹線臨時列車運転(2017年7月~9月夏期間)

JR東日本は5月19日、プレスリリースにて2017年夏の臨時列車を公表した( http://www.jreast.co.jp/press/2017/20170510.pdf )。またJR東日本新潟支社は団体臨時列車として、E5系を使用した列車を新潟~八戸間で運行すると公表した( http://www.jrniigata.co.jp/press/20170516touhoku35syunen.pdf )。今回はこの他、東北・上越・北陸の各新幹線の2017年夏の臨時列車運転について見ていく。

2017年7月より史上初めて運行される大宮発着の東北新幹線「はやぶさ」についてはこちら!

1. 北陸新幹線の次は、上越新幹線が東北新幹線と直通

今回の臨時列車運転では、旅行商品専用団体臨時列車として7月9日に新潟→八戸間で、7月10日に八戸→新潟間で東北新幹線開業35周年記念号を運行する。車両には東北新幹線E5系10両編成が用いられ、上越新幹線にE5系が入線する珍しいケースとなりそうだ。東北新幹線の開業1982年から35周年ということは、上越新幹線も11月で35周年を迎えつということであるから、Shinkansen yearに合わせて運行されるに至ったのであろう。

2016年11月には東北新幹線と北陸新幹線で旅行商品専用団体臨時列車として仙台~金沢間でE7系12両編成を用いて運行したこともあり( https://jr-sendai.com/upload-images/2016/09/20160909.pdf )、当時は史上初の直通運転として大きく報道された。北陸新幹線は周波数の関係でE7系とW7系、過去には一部のE2系しか直通できないため運用が限られていたが、閑散期には昼間に限ると車両の半分を持て余している状態であること、また当時は北陸でデスティネーションキャンペーンを行っていたことからも、このような柔軟な運用を組むに至ったのだと思われる。

このように報道されれば大きく取り扱われる新幹線の通常では行わない直通運転の実施であるが、現実としてはプレミアを付けた旅行商品のセットでなければ採算が取れないのではないだろうか。まず第一の問題として、もし定期運行して採算がとれるのか。仙台~新潟間には高速バス(宮城交通・新潟交通)が運行されているが、たったの1日8往復。中国地方最大の都市広島と人口密度の一番小さい県の県庁所在地松江間の高速バス(広電バス・一畑バス)ですら1日18往復である。しかも行程の半分程度しか高速道路がなっかた時代でさえ1日12往復確保されていたという強者である。それなのに磐越道ですいすい行ける仙台~新潟間がたった8往復しかないのかと言われると、所要時間が4時間20分もかかり(広島~松江間は2時間50分程度)、東北・上越新幹線を使えば大宮で昼間だと30分程度乗り換え時間があったとしても3時間20分程度で到着できるからなのだろう。

ならば直通列車を設定した方がいいのかと言われるとそれも違う。直通列車を設定すると、大宮駅でお客さんに座席を転換してもらわなくなくてはならなくなる。秋田新幹線では秋田~大曲間で座席の向きと進行方向が逆になるが、短時間であるから許容されているのであって1時間も2時間も辛抱してもらうわけにはいかない。また対東京発着と比べると明らかに輸送量が小さく、仙台~新潟間の鉄道による旅客輸送量は仙台の場合は0.7%、新潟の場合は0.8%しかなく、バスの輸送量もその倍程度しかない。しかも直通列車を定期的に設定しようとすると、大宮を境に運行会社が分かれているわけでもないので特急料金計算を通しで行わなくてはならない可能性もあり、東北新幹線ですら超繁忙期に毎時8本しか運行しないというのに、たった1%に満たない需要のために直通列車を設定しようというのは難しいのではないだろうか。

2. 北陸新幹線「かがやき」の定期チャーター便は新高岡停車の1往復のみに

JR長野支社の公表によれば、昨年2016年は北陸でデスティネーションキャンペーンを行ったため先述のような東北新幹線直通列車を設けた北陸新幹線であるが、本年2017年は沿線の長野県で信州デスティネーションキャンペーンを行うにもかかわらず減便の様相となった。

具体的には、東京都長野・北陸を最速達で結ぶ「かがやき」の臨時列車のうち、毎日運転の列車が2017年春までの臨時列車運転では4本設定されていたにもかかわらず、今回の臨時列車運転では新高岡停車の1往復2本のみとなってしまい、臨時列車の運行本数も774本(昨年比29本減)となってしまった。また「はくたか」も32本(昨年比21本減)、「あさま」も360本(昨年比66本減)となり、全体的に運行本数抑制となった。

3. 東北・北海道新幹線は横ばいながらも「はやぶさ」「こまち」誘導へ

JR盛岡支社の公表によれば、東北・北海道新幹線は612本(10本増)の臨時列車の運行となり、史上初の運行となる大宮発着「はやぶさ69号」「はやぶさ68号」合計4本と2017年春より運行され始めた仙台始発新函館北斗行き臨時「はやぶさ289号」の運行2本を差し置いても微増となる。その他、秋田新幹線では265本(昨年比97本増)の臨時列車を運行し、その分従来盛岡発着で運行していた臨時「はやぶさ」の新青森発着での運転日も大幅に増えた。

JR仙台支社の公表ではその他事細かに記載されており、「はやぶさ」(「こまち」併結含む)は335本(昨年比66本増)、「はやて」は142本(昨年比52本減)、「つばさ」(「やまびこ」併結含む)は362本(昨年比46本減)、「やまびこ」は194本(昨年比55本減)となった。JR盛岡支社の公表では10本増となっていた東北・北海道新幹線の臨時列車であるが、仙台支社の公表では「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」合計で31本減しているということは、仙台発着の「やまびこ」を49本削減したということなのだろう。その分の輸送力減少分は97本増発した「こまち」編成の7両増結で補い、東京~仙台間でより多くの旅客を速くて料金の取れる「はやぶさ」「こまち」で輸送しようということなのだろう。

4. 上越新幹線は全体減だがお盆のみ増加


JR新潟支社の公表によれば、上越新幹線は397本の運行(昨年比44本減)で北陸新幹線同様減便の様相となったが、お盆期間の運行本数(2017年は8日間、昨年2016年は9日間で指定)は125本の運行(昨年比6本増)となり、設定期間が1日縮まったにも関わらず運行本数が増加した(ちなみに他線区では1日減少したがために見かけ上の運行本数が減っている)。2018年からE4系を置き換えてE7系を導入する予定だが、今回の臨時列車運行では特段E4系を優先的に使用しようという意図は見受けられなかった。

5. 結び


今回2017年の夏の臨時列車運行では、比較的短距離の上越・北陸新幹線及び東北新幹線「やまびこ」では減便、速度重視の遠距離列車である「はやぶさ」「こまち」は増便となり、昨年2016年の夏の臨時列車と比べても効率的に、かついかに料金をとるかを目標としてより戦略的になっているものと思われる。今回は史上初の試みとして大宮発着の「はやぶさ」を運行しているが、今後どのような臨時列車の運行を辿るのか見守ってゆきたい。

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2017年05月29日

娯楽施設開発加速でノンストップ列車運転 名古屋臨海高速鉄道あおなみ線臨時列車運転(2017年3月より継続中)

名古屋臨海高速鉄道は5月12日、3月10日より運行している臨時列車を6月から土休日に限りノンストップ運転のみの列車で運行を継続すると公表した( http://www.aonamiline.co.jp/pc/pdf/rinji1706.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. 臨時列車をノンストップで運行

あおなみ線は名古屋駅から臨海部に向けて運行している路線であるが、2004年10月6日の開業以降厳しい経営状況であった。そのため沿線の開発をして需要を増大しようと終点の金城ふ頭周辺では2011年3月にリニア鉄道館、2017年4月にはレゴランド名古屋を開業させ、それに先立って商業複合施設メイカーズピアも整備された。これに伴い2017年3月10日よりあおなみ線では需要が高まると見込み、平日には稲永始発の普通列車2本を金城ふ頭始発に延長し、土休日には名古屋〜金城ふ頭間ノンストップの列車を朝8時台〜10時台は金城ふ頭行き、夕方16時台〜20時台は名古屋行きで概ね毎時2本設定し始めた。5月のゴールデンウィーク期間は平日もノンストップ列車を運行し始めたが、5月末をもって平日は先述の延長運転を含む一切の臨時列車を設定しなくなることから利用が芳しくなかったものと思われる。土休日に関してもゴールデンウィーク期間中は最大15本のノンストップ臨時列車を運行しているが、ゴールデンウィーク終了後は6往復に抑えられており、6月も同様の設定をしていることから利用が安定してきているものと思われる。普通列車が毎時4本なのにノンストップ列車が毎時2本しか設定できないのは、朝ラッシュ時でも毎時6本しか運行しておらず、運用を名一杯使っているためだと思われる。

2. リニア鉄道館とレゴランド効果はいかに

リニア鉄道館開業時には目立った増発が行われなかったが、なぜ今回レゴランド及び周辺の商業複合施設整備で土休日に6往復実質増発が行われた。しかしレゴランドや商業複合施設メイカーズピアは人で賑わっているのだろうか?

レゴランド名古屋は開業後約2ヶ月経過したが、早速水筒持ち込みを可能にしたり、ファミリーパスポートを新発売することにより家族連れを割安にする措置をとることを公表した。まだまだ2ヶ月とはいえ、目標には及ばないようだ。また商業複合施設に関しても、売り上げが目標の10%しか行かなかったため2ヶ月で閉店した店舗もあるほどで、実態は芳しくないようだ。東京や大阪などの大都市の場合、周辺にも大都市を擁していることが相まって多くの人が訪れるが、名古屋は付近に政令指定都市がないこともあり、なかなか人集めに苦慮しているようだ。リニア鉄道館に関しては博物館を持たないJR東海が「本物の新幹線」を展示するために建てているため赤字だったとしても潰すことは考えにくいが、レゴランド名古屋や商業複合施設メイカーズピアの店舗は今後も撤退する可能性も考えられる。名古屋圏は2020年頃まで人口増加が見込めるが、今後どのように取り込むのが注目したい。

3. 結び

今回のあおなみ線の臨時列車運行については平日は3ヶ月で中止に至ったが、土休日は1日6往復のノンストップ運行で安定したようだ。今後のあおなみ線の収益増加は周辺の娯楽施設の発展にかかっており、その施設に影が忍び寄る中、今後どのような対策を打つのか見守って行きたいと思う。

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2017年05月24日

史上初!大宮発着の「はやぶさ」運行へ! 東北新幹線臨時列車運転(2017年7月~9月夏期間)

JR東日本は5月19日、プレスリリースにて夏の臨時列車を公表した( http://www.jreast.co.jp/press/2017/20170510.pdf )。今回はこれについて見ていく。

1. 史上初、大宮発着の「はやぶさ」設定

今回2017年夏のの東北新幹線臨時列車運行では、史上初めて大宮発着の「はやぶさ」を運行とすることとなった。上野発着の「はやて」は2015年冬から1往復設定が再開されているのであるが、臨時でも上野発着で設定されたことのない「はやぶさ」が大宮発着で運行されるのは史上初で、1985年3月14日の東北・上越新幹線上野延伸開業後では、古本屋でかき集めた時刻表20冊をみても団体臨時列車でない限り大宮発着列車が設定されたことはなく、本年2017年6月24日には新幹線リレー号付きで大宮発の団体臨時列車「東北新幹線開業記念号」が運行されるが、どちらかというと「乗って楽しい列車」の一部であり、今回の大宮発着の「はやぶさ」のような設定は東北新幹線上野・東京開業後では初になるものと思われる。

ではなぜ今回の大宮発着「はやぶさ」が臨時ながらも誕生したのか。時刻表を調べてみると、上下列車とも大宮駅で北陸新幹線「あさま」と被っており、東京~大宮間は干渉してしまい運行ができない。また該当時間帯は他にも列車があり、列車を移動することができない。これまでは東京駅が2面4線でホームが埋まるために臨時列車の一部を上野発着にする措置は比較的頻繁に行われているが、今回のように完全に線路容量の関係で増発できなくなったのは初で、どうにかして乗客を捌こうとして大宮発着で列車を設けたのではなかろうか。

追記:下り(大宮発新青森行き)「はやぶさ」の停車駅は、仙台、古川、一ノ関、北上、盛岡、八戸、新青森。上り(新青森発大宮行き)「はやぶさ」の停車駅は、八戸、盛岡、北上、古川、仙台、大宮となる模様。

2. 今後の僅少列車の運行は大宮発着が主体になるのか

今回史上初の大宮発着臨時「はやぶさ」を設けた東北新幹線であるが、今後東日本系新幹線(東北・上越・北陸の各新幹線)の延伸による需要増大によりそれぞれでGWや夏休みなどの超繁忙期に限り大宮発着で臨時列車を設定しにくる可能性がある。東日本系新幹線の延伸は2023年3月の敦賀延伸(その前の2020年に福井延伸する可能性もあり)、2031年3月には北海道新幹線札幌延伸も予定されている。現在東京~大宮間は最大毎時15本が運行可能であるが、超繁忙期にはそのすべてを使い切ってしまっており、これ以上増発させるためには今回の2017年夏の臨時列車のように大宮発着で組まざるを得ない。

そして大宮発着で列車を組まざるを得なくなった場合、優先して大宮発着に用いるには最速達列車であろう。最速達列車の場合遠距離利用が前提であり、なかなか指定席の取れない期間であればどんなに乗り換えようとも列車を利用してくれる。しかし「なすの」「たにがわ」「あさま」などの近距離列車の場合、新幹線自体の時短メリットが薄いどころかもはや高速バスの方が楽であり、乗り換えなんてさせていたら乗客が逃げてしまう。そのため大宮発着で臨時列車を超繁忙期に僅少ながらも設定する場合には東北新幹線「はやぶさ」や北陸新幹線「かがやき」(福井・敦賀延伸後)になるものと思われる。

3. 僅少列車も含めて全て東京発着で設定するには

増発するために致し方ないとはいえ、大宮発着列車を設けてばかりいてはやはり需要は東京・上野発着列車に集中し、乗車率が偏ってしまう。とはいえ小田急のように平日年間約240日で使うならまだしも、全臨時列車を東京発着にするためにたった1年365日の中で10日運転するかしないか程度の運転頻度の僅少列車のために東北新幹線東京~大宮間を複々線化しようというのはあまりにも不経済な話で、実現するはずもない。そうなれば、今後どのようにして超繁忙期も乗り切ろうとしているのか。

1つの方法は東京駅を最低3面5線化する方法。現在のデジタルATCおよび各新幹線の起動加速度からして東海道新幹線を基に見ていくと、東京~大宮間では平均3分20秒間隔で毎時18本まで運行することができる(ちなみに東海道新幹線が最大毎時15本になっているのは「こだま」を縫うように運行させるためであり、短距離かつほぼ運行パターンが固定化している東北新幹線東京~大宮間では毎時18本の運行は理論上可能)。ただ東京駅での折返し作業を12分で行っている状況の中、現状2面4線では最小4分間隔、最大毎時15本が限度である。これを毎時18本運行させるには最低5線が必要となる。しかし北陸新幹線長野開業時の1997年10月に2面4線化した際には、中央線快速ホームを3階へと移動させ少しずつ在来線ホームをずらし敷地を確保するという大規模工事を行っており、東北新幹線19番線ホームを設置するだけで再び大規模工事になるのは複々線化ほどではないがやはり莫大な投資が必要となる。

そこで上越新幹線にE7系を導入してE4系を引退させることが切り札になるのではなかろうか?オール2階建てのE4系は全車両に階段が設置されており、乗降に時間がかかる。もし2階建て新幹線E4系が2020年に全廃すれば、東日本駅新幹線は全て平屋の列車のみとなり、乗降時間の短縮が図られる。そうなれば、折返し時間も短縮できるのではないだろうか。もし折返し時間を2分短くして10分でできるようになれば東京駅が現状の2面4線のまま先述の最小3分20秒間隔、最大毎時18本運転が可能となり、臨時列車を3本増発することが可能となる。しかし新宿や池袋の場合JR埼京線快速やJR湘南新宿ラインで大宮まで出てから新幹線に乗る方がJR中央線快速で東京に出たりJR山手線で上野に出るよりも総合的な所要時間が短いことが往々にしてあり(しかも盛岡の場合上野よりも大宮の方が特急料金が安い)、どの手法を取るにおいても本当にこれ以上の東京発着臨時列車の増発が必要であることが経済効率的にも示されなければ現状維持となるのであろう。それを推し図るために、今回1往復ながらも大宮発着「はやぶさ」を実験的に設定してみたのかもしれない。

4. 結び


今回の東北新幹線夏の臨時列車運行では史上初の大宮発着「はやぶさ」が設定された。今回はたった1往復の上下各2日ずつであるが、このたった1本の僅少列車の利用状況によっては今後の東北・上越・北陸の各新幹線のダイヤ改正に大きく響く可能性がある。今後秋または冬にも運行されるのか、北海道・北陸の両新幹線の延伸時にどのような運行形態をとってゆくのか非常に楽しみである。

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posted by 快速++ at 12:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨時列車情報 | 更新情報をチェックする

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